借地権は相続や売却ができる?地主とのトラブルを避けるために知っておくべきこと【名古屋市 借地権編】

こんにちは。今日のテーマは「借地権」についてです。空き家問題は全国的な社会問題となっています。亡くなる方の、その子どもの大半がマイホームを持っているため、親の住まいは空き家になってしまうケースが多いのが現状です。そして、この空き家の中には土地が借地権であるものも含まれています。建物は自分のもので、土地は地主から借りていた家を相続するケースです。

名古屋市南区、瑞穂区のある特定のエリアやお寺がある周辺のエリアは借地権の建物が非常に多い印象を受けます。借地権の取引についてはプロの不動産屋でさえ、「借地」と「底地」は手を出すな! と言われているぐらい、「借地権」は人間の感情がぶつかり合う厄介な問題ですので取引には慎重です。ホームページで「借地権」というワードで検索をすると東京都での解釈、主要都市で解釈、田舎での「借地」の解釈が混合してますので、どの情報を参考にしたらいいか戸惑ってしまう方も多いことでしょう。

後ほど記述しますが、国が税金を取る為に一つの指標、路線価というものがある、ここに借地権割合というものがあるのですが、ここが非常に誤解を招きやすい非常にトラブルになりやすい部分です。名古屋市でも商業地域ですと、路線価の80%~90%が実際に取引されるだろう相場ですが、一般的な居住エリアでは実際路線価の3割から4割、10%という地域もありますし、建物の築年数によっては借地権の価値が0という場合もあります。ここは国が税金を取るために作ったものであると理解しなければならないところですが、国が作った借地権割合これが非常に誤解を招きやすくし、わかりにくくしている部分なのです。

また「借地権」を検索をすると、承諾料や更新料というワードが出てきます。一般的には借地権価値の5%から10%と言われておりますが、ただこれは東京都内、名古屋であれば商業地域などの例です。これが田舎や、また借地人と地主さんとの取り決めだけで行われた契約になると、全く話は別の展開に移ります。承諾料の契約を交わしていないケースもあることでしょう。

ここで大切なところは「地域ごとに慣習が違う!」ということを理解しなければいけません。

目次

借地権とは建物付き借地権であるということ

まず、借地権売買というのは普通の所有権の売買とは違うと理解されることが大切です。そして「借地権」というものは借りている土地の上に建物があってはじめて成立する権利ですので、建物売買そのものなのだということだということ、借地権とは「建物付き借地権」であるということを理解することが非常にに重要です。建物がなく更地にしてしまえば、当然借地権は消滅してしまいます。

借地権取引というものは全て地主さんとの話し合いで決まっていくものです。ですので所有権と違い自分の好きなように売れるものではありません。

借地権を売る場合は地主さんの許可を取らないといけない、建て替えも同様です。(住宅ローンを組むときに金融機関から承諾書を求められます。)では借地権を実際に売るときに買主さんはどうなの?といった切実な問題があります。商業地域など、借地権のメリットを活かせるエリアは例外として、一般居住目的で所有権というものが世に中にたくさん出回ってるのにわざわざ借地権を買うメリットがどこにあるの?といったところが現場の生の声ではないでしょうか?

このように借地権を買う人を見つけるのはとても難しいので借地権を売るにどうしても安くなってしまう、買主さんが見つかったとしても相当安くないと売れない、いわゆる借地権付き建物だという認識が必要になります。極論しますと建物だけの売買であって土地は借りる権利だけを譲渡するわけです。つまり権利譲渡なのであります。

また、借地権の譲渡、売却をする場合、借地権の重要決定事項は現法の借地法だけでは決めることができない、やはり土地所有者、地主さんとの了解を取らなければいけない、また多くの借地権の説明ですと民法ですとか宅建法ですとか、借地借家法や裁判事例を活用する例もありますが、最終的には地主さんとの良好な関係、円満な話し合いが借地権の取り扱いに大きく作用してくるものであるということを理解しなければいけません。

旧借地法が問題になるケースを理解しておく

旧借地権は1992年8月以前に借地契約が行われた土地に適用される借地権です。特徴としては現法の借地借家法と違い借地人の権利が非常に強いことです。背景としては昭和の戦争の時代に一家大黒柱が戦死した家庭の、生活基盤を保護するという意味合いがありました。

旧借地権は借地人には極めて有利で、地主には極めて不利な法律でした。このため土地の貸出は敬遠され土地の取引が不活発になったため、国は現在の借地借家法を新たに定めました。

一旦貸したら、永久に返してもらえないのが通常です、そしてその強い権利を更に与える条件になるのが。「建物登記」と「地代支払い」です。

旧借地権が問題となるケース

旧借地権は、現在の借地借家法に自動的に更新されることはありません。借地借家法の契約にするには、借地人と地主さんの同意のもと新たに契約を結び直す必要があります。しかし、借地人にとっては非常に有利な内容であるため、現在の借地借家法に改めるメリットはあまりありません。そのため、現在でも旧借地権が設定された土地が多いのが現状です。

借地人にとって旧借地権が問題となるケースは、借地権付きの建物を売却するケースです。借地人は地主さんに承諾を得るためには借地価格の何パーセントを支払わなければいけません。(承諾料が発生しない場合もあります。)

この取決めや承諾をきちんとやらないと、売却後に新しい借地人と地主さんがさまざまな問題で承諾しないといったトラブルが頻繁に発生します。

借地権を相続する場合、まず心配されるのが、相続をきっかけに地主さんから突き付けられる要求です。

しかし、法律的には借地権を相続することについて、地主の承諾を得る必要はありません。

借地権は、「地上権」と「賃借権」の2種類に分類されます。このうち「地上権」は、自由に第三者へ譲渡することが可能です。一方でほどんどのケースに該当する「賃借権」の場合は、借地権者が第三者に譲渡したり、建物を第三者に貸したりする際には、地主さんの承諾を得る必要があります。

しかし、相続による借地権の取得は、譲渡や貸すこと当たらないので、地主さんの承諾は不要です。このように、借地権が「地上権」「賃借権」のいずれであっても、相続によって借地権を取得する際には、地主の承諾はいらないという結論になります。共有名義にすることも、もちろん問題ありません。名義書き換え料を請求されるケースもありますが、本来は支払う必要はありません。

ただし、借地権が「賃借権」であって、相続人以外の第三者が借地権を遺贈(遺言による贈与)によって取得する場合には、「賃借権の譲渡」として地主の承諾を要する点に注意しましょう。

地主さんが何らかの権利を主張してきてトラブルになった場合、借地権者となった相続人はどのように対処すべきなのでしょうか。

〇名義変更料や承諾料を要求される

〇地代の値上げを要求される

〇第三者に建物を売却することを断られる

「あくまでもお父さんに貸したのであって、息子に貸した覚えはない。土地を使い続けたいなら名義変更料を支払ってほしい」

地主さんからこのような要求が行われるケースがありますが、前述したとおり、相続による借地権の引継ぎに当たっては、地主の承諾は不要です。そのため、法律の解釈から言えば相続人に名義変更料の支払い義務はありません。しかし地主さんとの良好な関係を築く上でも時と場合に応じて少額の金額であれば応じる姿勢も大切です。

相続をきっかけに、地主が地代の値上げを要求してくることも考えられます。この点、相続人は引き継いで借地権を承継しているため、原則として地代の値上げに応じる必要はありません。

ただし、地代が周辺相場よりも明らかに安い場合、明確に地代を上げる根拠がある場合は地主の「地代等増減請求権」の行使によって、地代が強制的に増額される可能性があるので注意が必要です。

第三者に建物を売却することを断られる

建物を第三者に売却する場合、借地権もセットで譲渡することになります。

したがって、借地上の建物を第三者に売却する際には、売却を承諾してもらえるように、地主さんと交渉する必要があります。第三者に名義が変わった場合、名義変更料や承諾料という名目で費用が発生します。地域や取り決めによっては発生しないケースもあります。

借地権は地主さんとの良好な関係を築く

借地は基本的に地主さんと仲良く、円満な話し合い、関係性が大切です。借地という権利を持っているから売却するとか、買取ってもらうという一方的に権利を行使するという行為は関係性を悪化させ、トラブルを招きます。

借地を所有権にしたい場合は地主さんが底地を売ってくれるのなら買う。借地権を地主さんが買取ってくれるのなら買取ってもらうというスタンスが大切でしょう。

また交渉は借地人、地主さんが話を持ち出した側は不利になるのが一般的です。借地権者から「地主に借地を買取ってほしい」と話を持ち掛ければ、交渉は地主優位に働きます。逆に地主から「借地建物を譲ってほしい」と相談されれば、交渉権は借地人になります。

そして、借家人が地主さんと相対して交渉を進めるとまずはトラブルを招きます。なぜなら双方の感情が由来するからです。ついつい感情的になり話が前に進まなかったり、地主さんから無理難題を言われて、話を呑まざるおえないシチュエーションに陥ってしまう場合がありますので交渉はやはり専門家のプロ、第三者に仕切ってもらった方がいいでしょう。関係性がうまくいかないと今度は借地権を売る場合に非常に不利になりやすいので気を付けておかないといけない点になります。

また借地権を第三者に売却する場合、すぐ売れるというと、簡単には売れないのが現状です。そして、売れるにしても相当時間がかかります。所有権売却ですと、3か月~半年ですが、借地権の場合は地主さんとの交渉も含めて、1年から1年半は見ておかないといけないでしょう。ということで借地権を今持っているけど、相続したけど使う可能性がないなと判断した場合は、早めの手続きが必要になります。

さらに相続がからむと相続そのものが1年ぐらいかかるのものなのに、借地での交渉などで労費や時間がかかることを想定すると 借地を相続した場合は今すぐにでも手続きをしなければいけないのが実情だと思います。

個人的には借地権の売却を考えておられる方は、第三者への不利な売却ケースになるよりも、まず地主さんに買取ってもらえるかどうか交渉してみることをおすすめいたします。気を付けなくてはならないのは交渉するにしてもこちらが売り手になるので地主さんとはトラブルにならない様にして、又売り手の交渉になるという事で慎重に事を進めないと買いたたかれる可能性が高くなります。

宅建士として、相談相手から「借地権」の話をいただいた時点でハードルは高いですが「所有権」にしていくように努力することが非常に重要なのだと感じております。

ふどうさんのMAGOは名古屋市南区の不動産売却、相続、空き家問題を解決する不動産会社です。

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