こんにちは。街歩き空き家マイスターの保木です。名古屋街歩き、緑茂る公園に入ると、夏鳥の鳴き声がちらほら、聞けるようになりました。今の時期はキビタキでしょうか??繁殖地に向かう中継点として名古屋市の公園でもこの時期だけキビタキに遭遇することができます。
ということで、、、今日のテーマは「続・空き家の価値創造」です。空き家はただの負担として考えるのではなく、地域資源として再評価し、新たな価値を創出することがこれからの空き家に対する取り組み、自治体それぞれのテーマ、課題になります。
「空き家」は可能性を秘めています。築年数の古い空き家をお荷物で恥ずかしいと思っている所有者が多いですが、別の視点で介せば思いもよらぬ、空き家再生につながる可能性を秘めているのも、空き家ならではの魅力ではないでしょうか?
新築信仰から、にわかに中古住宅への需要ニーズの高まりも感じております。
昨今様々な要因で、空き家が増加していますが、地域社会の発展に向けた重要な資源ともなり得る空き家の可能性!今回に記事では、空き家の現状と課題、空き家を活用した新たな価値創造のアイデア、自治体の支援制度などについて詳しく解説します。地域コミュニティの活性化や持続可能な地域社会の実現に向けて、空き家活用の可能性を探っていきましょう。
1. 空き家問題の現状と地域社会への影響
空き家は日本が抱える深刻な社会問題の一つであり、2023年には約800万戸以上にのぼる空き家が存在しています。この現象は都市部だけでなく、過疎地域においても顕著であり、単なる住宅の未利用状態を超えて、地域社会全体に多大な影響を及ぼしています。
空き家の影響
- 地域の美観の損失
放置された空き家は周囲の景観に悪影響を及ぼします。ひび割れた壁や手入れされていない庭は、地域の美観を損ない、住環境の質を低下させます。 - 安全性の低下
管理されていない空き家は、火災や犯罪の温床となる危険があります。実際に、国土交通省による調査では、全国の放火事件の約30%が空き家に起因していることが確認されています。 - 経済的損失
空き家の増加は地域の不動産価値を下げる要因となります。コミュニティが衰退することで、地元の商業活動にも影響が及び、雇用喪失や経済活動の活性低下につながります。
社会的背景
空き家問題は、高齢化や人口減少、過疎化といった社会的要因が複雑に絡み合っています。多くの空き家は相続によって生じますが、相続人が遠方に居住している場合や、相続の壁、法律の問題、心理的障壁など適切な判断が難しい状況が見受けられます。このような背景が空き家の利利用を難しくしていると感じます。
地域社会への貢献の可能性
このように「負の遺産」ネガティブな「不安」「危険だ」「汚い」といった空き家のイメージから、他方では価値を創出する取り組みも活発になっております。適切に空き家を活用することで地域社会に対する貢献度が広がる。自治体それぞれが空き家の価値創出に向けて模索している中、以下のような具体的な活用方法がみられるようになりました。
- コミュニティスペースの創出
空き家をリノベーションし、地域住民が集まり交流できる場やイベントスペースに変える。これにより地域の絆が強まり、住民同士のつながりが深まる。 - ビジネスの創出
地域の特産品を扱う店舗やシェアハウス、カフェとして空き家を利用することができるため、地域経済の活性化にも寄与。 - 文化の発信
歴史的な建物を地域文化や歴史を伝える施設として利用することで、観光振興に貢献することも期待できます。
このように、空き家は単なる負の側面だけでなく、地域社会を豊かにするための重要な資源と捉え直す必要があります。空き家を再評価し、空き家のポテンシャルを最大限に引き出すことで、地域経済が潤い、地域の住民たちの絆が深まるのです。
2. 空き家を活用した新たな価値創造のアイデア
空き家の再利用は、単なる空間の再生にとどまらず、地域社会における新たな価値を生み出す大きな可能性を秘めています。以下では、空き家を通じて持続可能な地域づくりや社会貢献を実現するための具体的アイデアを紹介します。
コミュニティスペースとしての利用
空き家を地域の交流の場として活用することは非常に効果的です。以下にいくつかの実例を挙げます。
- シェアハウス: 住民同士のつながりを深めるシェアハウスは、地域の活性化を促進することが期待されます。地域のコミュニティを巻き込んだ空き家プロジェクトは私たちが空き家に対しての「共感」、そして地域に対しての「愛着」へとつながるのです。
- ワークショップや講座の実施: 地元のアーティストや専門家を招いて、料理教室や工芸教室を開くことで、地域文化の発展を支える場となります。当地、名古屋市南区でも、空き家を利用しての陶芸教室、空手、茶道、合気道教室などを開催。定期的に人が出入りすることで空き家の老朽化にも歯止めをかけようと創意工夫がなされております。
産業振興の拠点
空き家を活用することで、地域経済を活性化するビジネス環境を構築することも可能です。
- カフェやレストラン: 地域の特産物を使用した飲食店を運営することで、観光客を引き寄せ、地元経済を支援します。
- アーティストの工房やギャラリー: 地元アーティストの作品を展示するスペースを設けることで、地域の文化やアートシーンをさらに発展させることができますし、ご当地愛着リズムを生むことが期待されます。
観光資源としての再活用
空き家は地域の観光資源としても新たな可能性を秘めています。具体的な取り組みとしては以下のものがあります。
- 歴史的建物の保存と利用: 昔の空き家を修復し、地域の歴史を紹介するミュージアムや観光名所にすることが可能です。
- 宿泊施設の設置: 空き家を宿泊施設に改装することで、観光客に地域の魅力を伝え、地域ブランドの価値向上を図ります。
ソーシャルビジネスとしての展開
空き家の資源を最大限に活用する取り組みは、地域への社会貢献につながります。
- 福祉施設や相談センター: 地域住民の生活を支える施設として利用し、地域サービスの質を高める方向性を持っています。
- 環境問題への取り組み: 空き家をリノベーションし、持続可能なエネルギーを活用するビジネスモデルを展開することで、環境への負荷を軽減できます。
このように、空き家の活用には多くの創造的なアイデアがあり、地域の特性やニーズに応じた活用法が鍵となります。地域全体での連携と専門家の助言を重視しつつ、持続可能な地域社会の実現に向けた第一歩を踏み出すことが求められています。その地域に一つの拠点となりうるであろう空き家があれば、そこに住人が集まり、相互に支えあうスペースが生まれます。若者や高齢者も集まり、交流が深まることで地域のユニットが発生し、地域や相手への愛着が生まれるのです。
3. 自治体の取り組みと支援制度を知ろう
近年、空き家問題は全国各地で深刻化しており、地域社会に多大な影響を与えています。それに対処するために、自治体は様々な取り組みや支援制度を導入しています。ここでは、代表的な取り組みとその効果についてご紹介します。
空き家バンク制度
多くの自治体では、空き家バンク制度を設けています。この制度は、空き家を活用したい者と、空き家を持つ者をマッチングすることを目的としており、以下のような特徴があります。
- 登録と情報提供: 空き家の所有者が自分の物件を登録でき、希望の条件を入力して情報を公開します。
- 検索機能: 利用者は、地域や価格、物件の条件に応じて空き家を検索でき、利用可能な物件を簡単に見つけることができます。
- サポート機関との連携: 空き家バンクを通じて利用者は、リフォームや賃貸に関するアドバイスを受けることができるサービスが提供されます。
補助金制度
空き家を再利用する際の初期投資は大きな負担となることがあります。そこで、自治体は補助金制度を設けてリフォーム費用や改修費用の一部を支援しています。具体的な支援内容は以下の通りです。
- リフォーム補助: 空き家を住居または店舗に改装する際、費用の一部を補助します。(多くの自治体では用途制限があるのが現状です。)
- 耐震補強助成: 地震対策として、空き家の耐震補強に関する費用を助成する制度もありますが、昭和56年5月31日以前に建築された建物が対象で解体工事ありきに集中しています。
各自治体の空き家補助金制度は解体ありきのものや、用途制限があるものが目立ちますが、ご当地愛知県春日井市や扶桑町の空き家補助金制度は踏み込んだ戦略的な対策であり、筆者は補助金規模は小さいものながらも注目に値すると評価しております。
春日井市空き家補助金は空き家を利活用して、地域貢献につながる事業を対象としています。
補助金条件:
- 1年以上使用されていない
- 戸建て
- 昭和56年6月1日以降に建築された空き家
補助金額:補助対象経費の額に3分の2を乗じて得た額で上限50万円
空き家の改修工事に係る補助金対象範囲
- 台所、浴室、便所又は洗面所
- 給排水、電気、空調又はガス設備
- 内壁、床又は天井
- 屋根又は外壁
- 建具
- 空き家の耐震性
用途制限なしという斬新で挑戦的な春日井市の補助金制度。
扶桑町では、空家の有効活用の促進及び住民活動による協働の推進を目的として、「扶桑町空家の有効活用による住民活動団体事業拠点改修費補助金」を実施しています。
- 台所、洗面所又は便所の改修
- 給排水、電気、空調又はガス設備の改修
- 屋根、外壁等の外装の改修
- 壁紙、床の仕上げ等の内装その他造作の改修
- 建築物のバリアフリー改修
補助金額
上限40万円(対象経費の3分の2)
地域づくりへの連携
自治体が主導で空き家問題に取り組むことは、具体的に空き家が地域活性につながる事例が増えて、空き家の所有者や地域住民などに、「地域の資源」としての空き家の認識度が広まることです。そして、地域の中から活用の可能性のある空き家や活用の要望が上がるなど循環を生む効果があります。。
- 地域資源の共有: 地域の特性や文化を活かしたイベントやプロジェクトを通じて、空き家を活用する事例を増やすことで、地域の魅力を高めます。
- 住民参加型プロジェクトの実施: 地域住民が主体者となり、プロジェクトを推進。空き家を利用したワークショップやマーケットを開催し、地域経済を活性化を目指す。
- 行政と企業の協力: 地元企業との協力によって、空き家を拠点とした新たなビジネスモデルを創造し、地域の発展に寄与する取り組みを進める!
現状の各自治体の空き家対策の課題の一つとして、地域住民に必要な情報を迅速に提供すること。地域住民に空き家の価値を再発見する手助けとなるよう啓蒙活動を促すこと。更には地域社会の特性を重視しながら、空き家と地域コミュニティ創出に向けての新たな価値を引き出すことです。
4. 持続可能な地域づくりのための空き家活用術
空き家を効果的に活用することは、地域社会の持続可能な発展を促進するための可能性を秘めています。空き家を貴重なリソースとして再利用することにより、地域コミュニティは新たな価値を創出し、地域住民の生活の質を高める機会が広がります。
空き家の再利用の可能性
空き家を持続可能に活用するための具体的な提案には、以下のようなアイデアがあります。
- 地域コミュニティスペース: 空き家を地域の住民が自由に集まれる場として改修し、コミュニティの結束を強める場所として活用できます。そこで多様なイベントや活動を行うことで、地域・人の絆が深まります。
- 以下様々な形態へ発展していくことを筆者は期待しております。
5. 空き家を通じた社会貢献と地域の発展
空き家を活用することは、地域社会に対する大きな貢献となります。この試みを通じて、地域経済が活発化し、住民同士の結びつきが強まり、持続可能な地域の発展が実現することが期待されています。
地域資源としての空き家
空き家は、単なる未使用の資産ではなく、地域の貴重な資源としての可能性を秘めています。以下は空き家を地域の交流スペースとして活用、その具体的な活用方法になります。
- コミュニティスペースの創出:空き家をリノベーションし、住民が集まる交流の場やシェアハウスとして活用することで、地域内のコミュニケーションが活性化します。また、地域イベントやワークショップの開催場所としても利用でき、住民間の絆がさらに深まるでしょう。
- ビジネスの拠点形成:空き家を改装して、地域特産品のショップやカフェ、アートギャラリーを設立することで、新たな雇用機会が生まれます。それにより、観光客や地元住民にとっても新たな魅力が提供され、地域経済がより豊かになります。
- 文化の保存と発信:古民家を活用し、地域の歴史や文化を体験できるアートスペースや教育施設として再利用することで、次世代への文化伝承に貢献します。
空き家活用の具体例
空き家活用に成功した事例をいくつか紹介します。
- 地域特産物の販売促進:空き家をリノベーションして地元の農産物や工芸品を販売する店舗を開設することで、地域の特産品の認知度を高め、農家や製造業者を支援する機会を生み出しました。
- 文化体験プログラムの実施:空き家を利用して、地域の伝統や技術を学ぶ体験プログラムを開催することで、地域の魅力を効果的にアピールし、観光客を誘致することが期待が寄せられています。
- イベントスペースの提供:空き家を地域イベントやワークショップのためのスペースとして活用することで、地域振興につながります。地元のアーティストや講師を招いたイベントは、地域に交流スペースが生まれ地域文化を一層豊かに育むものとなります。
持続可能な地域振興への寄与
空き家を活用することは、持続可能な地域社会づくりへの重要な手段となります。この取り組みによって、地域の特性や資源を最大限に活かした革新的なビジネスモデルが生まれ、地域経済が強化されます。また、地域住民の参画が促進されることで、地域への意識や責任感も一層高まります。
このように、空き家を効果的に活用することは、地域の発展への多くの可能性を秘めており、地域資源を生かして未来を共に創造していくための第一歩となるのです。
まとめ
空き家は長年の懸案事項でありながら、新たな可能性を秘めた地域資源です。自治体の支援制度を活用しつつ、地域の創造性と住民の参画を促すことで、空き家の再生は地域社会の活性化に大きく寄与することが期待されます。
持続可能な地域づくりにおいて、空き家活用は重要な鍵を握っています。様々な発想と実践を重ね、地域のニーズに即した新しい価値を生み出していくことが肝心です。この取り組みを通して、地域社会の絆が深まり、地域の魅力と活力が増していくことでしょう。
ふどうさんのMAGOは名古屋市南区の不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。
(対応エリア)
名古屋市南区、名古屋市港区、名古屋市緑区、名古屋市千種区、名古屋市熱田区、名古屋市名東区、名古屋市 昭和区、名古屋市 瑞穂区、名古屋市中村区、名古屋市中川区、名古屋市 守山区、名古屋市中区、名古屋市 天白区、刈谷市、岡崎市、一宮市、豊田市、半田市、あま市、豊川市、津島市、碧南市、豊橋市、瀬戸市、安城市、岩倉市、犬山市、知立市、江南市、小牧市、稲沢市、春日井市、大府市、知多市、常滑市、尾張旭市、高浜市、新城市、西尾市、岩倉市、豊明市、長久手市、蒲郡市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、東海市、日進市、愛知県全域