空き家がつないだ家族~10年会っていなかった兄弟が再会した日~

空き家の相談を受けていると、不思議なことがあります。

本来なら空き家は問題です。

管理の負担。

固定資産税。

草刈り。

老朽化。

近隣への配慮。

どちらかと言えば、人を悩ませる存在です。

ところが時々、その空き家が家族を再びつないでくれることがあります。

今回のお話もそうでした。

主役は一軒の空き家。

そして10年以上会っていなかった兄弟です。


名古屋市エリアで″売却サポート”に専門特化した
不動産売却のみを取り扱う専門店です。
空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

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目次

「兄とはずっと連絡を取っていません」

最初にご相談へ来られたのは弟様でした。

年齢は60代。

名古屋市内にお住まいです。

相談内容は、ご両親が住んでいた実家についてでした。

お父様が亡くなり、その後お母様も亡くなりました。

実家は空き家になり、数年が経過していました。

話を聞いていると、一つ気になることがありました。

相続人の話になるたび、弟様が少し言葉を濁すのです。

やがて静かに話してくださいました。

「兄がいるんですが……。」

少し間がありました。

「10年以上会っていません。」


仲が悪かったわけではない

兄弟が疎遠になったと聞くと、多くの人は喧嘩や相続争いを想像します。

しかし、そうではありませんでした。

むしろ逆です。

子どもの頃は仲の良い兄弟だったそうです。

一緒に野球をした。

川へ遊びに行った。

父親に叱られた。

家族旅行にも出掛けた。

どこにでもいる普通の兄弟でした。

しかし大人になると、それぞれの人生があります。

兄は関東へ。

弟は名古屋に残りました。

仕事。

結婚。

子育て。

忙しい日々の中で連絡は少しずつ減っていきました。

やがて年賀状だけになり、それもなくなりました。

喧嘩をしたわけではありません。

ただ時間が流れただけでした。


親がいたからつながっていた

ご両親が元気だった頃は、まだ接点がありました。

お盆。

正月。

法事。

親がいるから実家へ帰る。

親がいるから兄弟も顔を合わせる。

しかし親が亡くなると、その機会がなくなります。

実家という場所は不思議です。

家族を集める力があります。

反対に、その実家が空き家になると、家族は驚くほど会わなくなることがあります。


空き家が残した宿題

ご両親が亡くなった後、実家は空き家になりました。

誰も住まない家。

庭の草は伸びる。

建物は少しずつ傷む。

固定資産税もかかる。

このままではいけない。

弟様はそう思っていました。

しかし売却するためには兄との話し合いが必要です。

10年以上連絡を取っていない兄と。


電話を掛けるまでの時間

弟様は何度も携帯電話を手に取ったそうです。

そして戻した。

また手に取った。

そして戻した。

たった一本の電話です。

しかし10年という時間は、それほど簡単なものではありません。

何を話せばいいのか分からない。

相手がどう思っているのか分からない。

怒っているかもしれない。

迷惑かもしれない。

様々な思いが頭をよぎります。


久しぶりの声

ようやく電話を掛けた日。

呼び出し音が鳴ります。

数回のコールの後、兄が出ました。

「もしもし。」

その一言を聞いた瞬間、弟様は少し安心したそうです。

声は変わっていませんでした。

10年会っていなくても、兄は兄だったのです。


最初はぎこちなかった

もちろん最初から昔のようにはいきません。

会話はどこかぎこちない。

天気の話。

健康の話。

仕事の話。

そしてようやく実家の話。

兄も同じことを考えていたそうです。

「そろそろ何とかしないとな。」

お互いに気になっていたのです。

ただ誰も最初の一歩を踏み出せなかっただけでした。


実家での再会

数週間後、二人は実家で会うことになりました。

10年以上ぶりの再会です。

私も立ち会いました。

正直、少し緊張していました。

しかし実際に会った二人は違いました。

最初こそ照れくさそうでしたが、家の中へ入ると少しずつ昔に戻っていきました。


時間が止まっていた家

実家には不思議な力があります。

兄弟が居間へ入った瞬間でした。

「あの時計、まだあるんだな。」

兄が言いました。

弟が笑いました。

「壊れてるけどな。」

台所を見て、

「母さん、ここでよく怒ってたな。」

仏壇の前で、

「親父、酒ばっかり飲んでたな。」

そんな会話が自然と始まりました。


空き家の片付け

売却に向けて片付けも始まりました。

押入れを開ける。

物置を整理する。

アルバムを探す。

すると次々と思い出が出てきます。

昔の通知表。

運動会の写真。

家族旅行のアルバム。

二人は作業の手を止めて見入っていました。

気が付けば笑い声が聞こえてきます。


母が残したもの

片付けの途中、一冊の古いアルバムが見つかりました。

そこには家族全員で写る写真がありました。

若い頃のお父様。

笑顔のお母様。

小さな兄。

小さな弟。

二人はしばらく黙って見ていました。

そして兄が言いました。

「母さん、俺たちがこうして会うのを待ってたのかもな。」

弟は何も言いませんでした。

ただ頷いていました。


売却の日

最終的に実家は売却されました。

契約の日。

兄弟は並んで座っていました。

10年前には想像もできなかった光景です。

手続きが終わった後、兄が弟へ言いました。

「今度、飯でも行くか。」

弟は笑いました。

「10年遅いよ。」

二人とも笑っていました。


空き家がつないだ家族

空き家は問題です。

できればない方がいい。

所有者にとって負担になることも多い。

それは事実です。

しかし今回のように、空き家が家族を再びつないでくれることがあります。

もし実家がなかったら。

もし空き家の問題がなかったら。

兄弟は再会していなかったかもしれません。


空き家マイスターとして感じること

私はこれまで多くの空き家を見てきました。

解体された家。

売却された家。

放置された家。

様々です。

しかし本当に価値があるのは建物ではありません。

その家で過ごした時間です。

家族の記憶です。

思い出です。

空き家の整理は、物の整理ではありません。

家族の歴史を振り返る時間でもあります。


まとめ

今回のご相談は、空き家の売却相談として始まりました。

しかし終わってみれば、それ以上の意味がありました。

10年会っていなかった兄弟が再会した。

一緒に実家を片付けた。

昔話をした。

笑い合った。

それは売却価格では測れない価値です。

相続した空き家は、時に負の遺産と呼ばれます。

けれど、その空き家が家族の縁をつなぎ直してくれることもあります。

親が残した本当の財産とは何なのか。

今回の兄弟を見ていて、そんなことを考えさせられました。


空き家マイスターが見たリアルな現実

売却されたのは一軒の空き家でした。

けれど本当に取り戻されたのは、兄弟の時間だったのかもしれません。

10年会っていなかった兄弟が再会した日。

そのきっかけを作ったのは、誰も住まなくなった実家でした。

親が残した家は空き家になっていました。

それでも最後に、家族をもう一度集める力を持っていたのです。

ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。

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