~空き家マイスターが見た人生の物語~
「まさか、こんなに大変なことになっているとは思いませんでした。」
相談に来られたのは、名古屋市内に住む60代の男性でした。
実家は愛知県内の住宅地にあります。
築50年以上。
両親が暮らしていた家です。
お父様が亡くなったのは20年前。
お母様も数年前に他界されました。
現在は誰も住んでいません。
いわゆる空き家です。
男性は実家を売却しようと思い、不動産会社へ相談に来られました。
ところが、そこで初めて知ることになります。
その家は、
20年間、相続登記がされていなかった
のです。
「そのうちやればいい」
お父様が亡くなった当時。
家族は深い悲しみの中にいました。
葬儀。
法要。
各種手続き。
やることが山ほどありました。
その中で相続登記は後回しになりました。
当時は今ほど相続登記が話題になる時代でもありません。
誰かに急かされることもない。
固定資産税の納税通知書は届く。
特に困ることもない。
だから家族は思いました。
「そのうちやればいい。」
時間はあっという間に過ぎる
最初は一年だけのつもりでした。
しかし一年が二年になり、
二年が五年になり、
気付けば十年。
そして二十年。
相続登記はされないまま時が流れていきました。
母が住んでいたから問題なかった
実家にはお母様が住み続けていました。
そのため家族は特に不便を感じませんでした。
家はある。
母も住んでいる。
固定資産税も払っている。
だから問題が表面化しなかったのです。
母の他界
数年前、お母様も亡くなりました。
実家は空き家になりました。
兄弟たちはそれぞれ県外で生活しています。
誰も住む予定はありません。
そこで初めて売却を考えました。
初めて見た登記簿
不動産会社から、
「登記簿を確認しましょう。」
と言われました。
そこで家族は驚きます。
登記名義人は20年前に亡くなったお父様のまま。
時間が止まっていたのです。
思った以上に大変だった
家族は簡単に考えていました。
「今から相続登記すればいいだけ。」
しかし現実は違いました。
20年という年月は長いのです。
相続人が増えていた
当時の相続人は、
母親と子ども三人でした。
しかし20年の間に状況は変わります。
相続人の一人が亡くなっていました。
すると、その方の配偶者や子どもたちが新たな相続人になります。
さらにその子どもたちは県外に住んでいました。
話し合いだけでも一苦労
必要な書類を集める。
連絡を取る。
説明する。
同意をもらう。
当初3人だった話し合いが、
気付けば7人、8人になっていました。
中には何年も会っていない親族もいます。
「なぜ今さら?」
ある親族は言いました。
「どうして20年前にやらなかったの?」
誰も責めるつもりはありません。
しかし当然の疑問です。
そして誰も明確な答えを持っていませんでした。
空き家だけが残る
その間も実家は空き家です。
草は伸びる。
建物は傷む。
固定資産税はかかる。
管理費用も発生する。
しかし売ることはできません。
登記が終わらないからです。
父の家だったはずなのに
相続人同士で話し合いを進める中、
ある長女の方がぽつりと言いました。
「お父さんの家だっただけなのにね。」
その言葉が印象的でした。
本来は家族の思い出の家。
しかし時間が経ちすぎたことで、
手続きだけが巨大化していたのです。
ようやく整った相続登記
何度も話し合いを重ね、
戸籍を集め、
書類を作成し、
司法書士の協力も得ながら、
ようやく相続登記が完了しました。
そこに至るまで約一年。
売却相談から考えると長い時間でした。
売却の日
売却契約の日。
兄弟たちは久しぶりに集まりました。
お父様の思い出話になりました。
厳しかったこと。
旅行のこと。
仕事のこと。
そして誰かが言いました。
「親父なら、早くやれって怒ってたな。」
全員が笑いました。
相続登記は家族への思いやり
私は現場でよく感じます。
相続登記は法律のためにするものではありません。
将来の家族のためにするものです。
後回しにすると、
問題は消えるのではなく、
大きくなることがあります。
2024年から義務化された相続登記
現在は相続登記が義務化されました。
以前よりも多くの方が意識するようになっています。
しかしそれでも、
「まだ大丈夫。」
と思われる方は少なくありません。
実際には時間が経つほど難しくなるケースが多いのです。
空き家マイスターが感じること
空き家問題の相談を受けると、
建物の老朽化よりも、
人間関係の整理の方が大変なことがあります。
相続登記をしなかった20年。
その20年で家族も人生も変わります。
結婚。
転居。
介護。
相続。
時間は止まりません。
だからこそ、早めの準備が大切なのです。
まとめ
相続登記をしなくても、
すぐに困らないことがあります。
だから後回しになりやすい。
しかし時間が経つほど、
相続人は増え、
手続きは複雑になり、
空き家問題も深刻になります。
「そのうちやればいい。」
その一言が20年になることもあるのです。
空き家マイスターが見た人生の物語
売却が終わった後。
長男の方が言いました。
「父が亡くなった時にやっておけば良かったですね。」
その表情には後悔もありました。
しかし同時に安堵もありました。
20年間止まっていた時計が、
ようやく動き出したような気がしたのです。
家は放っておくと空き家になります。
相続登記も放っておくと問題になります。
けれど本当に残るのは家ではなく、
家族のつながりなのかもしれません。
そして私は今日も空き家相談の現場で、
一軒の家の向こう側にある人生の物語を見つめています。
ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。
(対応エリア)
名古屋市南区、名古屋市港区、名古屋市緑区、名古屋市千種区、名古屋市熱田区、名古屋市名東区、名古屋市 昭和区、名古屋市 瑞穂区、名古屋市中村区、名古屋市中川区、名古屋市 守山区、名古屋市中区、名古屋市 天白区、刈谷市、岡崎市、一宮市、豊田市、半田市、あま市、豊川市、津島市、碧南市、豊橋市、瀬戸市、安城市、岩倉市、犬山市、知立市、江南市、小牧市、稲沢市、春日井市、大府市、知多市、常滑市、尾張旭市、高浜市、新城市、西尾市、岩倉市、豊明市、長久手市、蒲郡市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、東海市、日進市、愛知県全域


