【名古屋市昭和区の実家売却事例】「兄弟全員が印鑑を押すと思っていた相続人」

名古屋市エリアで″売却サポート”に専門特化した
不動産売却のみを取り扱う専門店です。
空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

名古屋市エリアで
″売却サポート”に専門特化した
不動産売却のみを取り扱う専門店です。
空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで
一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

目次

~相続で一番難しいのは不動産ではなく人だった~


「兄弟仲は良いので大丈夫です。」


ご相談に来られた長男様は、

最初にそう話されました。


場所は名古屋市昭和区。


ご両親が長年暮らしていた実家です。


数年前にお父様が亡くなり、

現在は空き家になっていました。


管理をしているのは長男様。


草刈り。


換気。


固定資産税の支払い。


すべて一人で行っていました。


そして今回、

実家を売却する決断をされたのです。


問題はないと思っていた

相続人は兄弟3人。


兄。


妹。


弟。


関係は良好です。


大きなトラブルもありません。


連絡も取れる。


だから長男様は、

相続手続きもスムーズに終わると思っていました。


実際、

そう思われる方は少なくありません。


遺産分割協議の準備

まずは戸籍を取得。


相続人を確定。


司法書士とも連携し、

遺産分割協議書の作成準備を進めます。


ここまでは順調でした。


しかし、

ある日。


長男様から一本の電話が入ります。


「少し話が違ってきました。」


初めて出た反対意見

反対したのは弟様でした。


理由は意外なものでした。


「売ることに反対ではない。」


「ただ、その進め方に納得できない。」


というものでした。


長男様は驚いていました。


今まで何も言わなかったからです。


相続でよくある勘違い

現場で感じることがあります。


相続人は、

全員が同じ情報を持っていると思いがちです。


しかし実際は違います。


長男だけが管理している。


長女は状況を詳しく知らない。


弟は費用を聞いていない。


こうしたことがよくあります。


悪意はありません。


しかし、

情報量の差が不信感を生むことがあります。


「兄が決めている」と感じた弟

弟様はこう話されました。


「気付いたら売却の話が進んでいた。」


「自分は相談されていない。」


長男様からすると、

そんなつもりはありません。


管理もしてきた。


税金も払ってきた。


家のことを考えて動いてきた。


その自負があります。


しかし、

弟様から見える景色は違いました。


相続は感情が入る

ここが相続の難しいところです。


不動産の価格は査定できます。


建物の状態も調査できます。


境界も確認できます。


しかし、

感情は測れません。


子どもの頃の記憶。


親との関係。


兄弟間の立場。


過去の出来事。


そうしたものが、

遺産分割協議の場で突然現れることがあります。


「印鑑を押してくれると思っていた」

後日、

長男様はこう話されました。


「みんな印鑑を押してくれると思っていました。」


悪い意味ではありません。


兄弟仲も悪くない。


だから当然だと思っていたのです。


しかし相続は、

仲が良いだけでは進みません。


全員が納得する必要があります。


そこに初めて気付かれたのでした。


私が現場で感じること

空き家の相談を受けていると、

建物の老朽化よりも、

相続人同士の認識の違いが問題になることがあります。


売りたい人。


残したい人。


貸したい人。


解体したい人。


考え方はそれぞれです。


そして全員が間違っているわけではありません。


だからこそ難しいのです。


今回の昭和区の実家も、

問題は建物ではありませんでした。


兄弟全員が同じ方向を向いていると思っていたこと。


そこに最初の壁がありました。


しかし、

この後の話し合いによって、

状況は少しずつ変わっていくことになります。


【名古屋市昭和区の実家売却事例】

後編|「兄弟全員が印鑑を押すと思っていた相続人」

~弟が反対した本当の理由~


「売却には反対じゃないんです。」


弟様はそう言いました。


しかし、

遺産分割協議書には署名していませんでした。


長男様は戸惑っていました。


「反対じゃないなら、なぜ印鑑を押さないんだろう。」


当然の疑問です。


お金の問題ではなかった

最初、

長男様は価格の問題だと思っていました。


もっと高く売りたいのかもしれない。


取り分に不満があるのかもしれない。


そう考えていました。


しかし実際は違いました。


弟様が気にしていたのは、

金額ではありませんでした。


「相談された記憶がない」

話し合いの中で、

弟様は静かにこう話されました。


「兄さんが全部決めているように見えた。」


長男様は驚きました。


そんなつもりはなかったからです。


固定資産税も払った。


空き家管理もした。


近隣対応もしてきた。


だから責任を持って進めていただけでした。


しかし、

弟様から見える景色は違いました。


同じ出来事でも見え方は違う

これは相続でよくあります。


長男は、

家を守ってきたと思っている。


弟は、

自分だけ置いていかれたと思っている。


どちらも事実です。


どちらも間違いではありません。


だから難しいのです。


初めて本音を話した日

その後、

兄弟で改めて話し合いの場を設けました。


司法書士。


不動産会社。


そして相続人全員。


そこで初めて、

お互いの考えを話しました。


長男様は、

管理の負担を話しました。


妹様は、

思い出を話しました。


弟様は、

疎外感を話しました。


誰も怒っていませんでした。


しかし、

誰も本音を言っていなかったのです。


相続は書類では終わらない

遺産分割協議書は重要です。


相続登記も重要です。


しかし、

現場で感じることがあります。


本当に必要なのは、

署名ではありません。


納得です。


納得できて初めて、

印鑑は押されます。


完成した遺産分割協議書

数週間後。


遺産分割協議書が完成しました。


兄。


妹。


弟。


全員の署名。


全員の実印。


紙一枚です。


しかし、

そこに至るまでには、

何年分もの思いがありました。


相続登記完了

その後、

司法書士による相続登記。


名義変更。


売却準備。


そして販売開始。


ここから先は、

比較的順調でした。


買主も見つかりました。


契約も成立しました。


しかし、

振り返ると売却活動よりも、

兄弟の話し合いの方が大変だったように思います。


決済の日

決済当日。


長男様が言いました。


「最初は弟が反対していると思っていました。」


少し笑いながら続けました。


「今思えば、話を聞いてほしかっただけだったんですね。」


弟様も笑っていました。


売却が終わった安心感より、

話し合いが終わった安心感の方が大きかったように見えました。


現場で感じること

私はこれまで数多くの相続案件に関わってきました。


そこでいつも感じます。


相続で一番難しいのは、

土地ではありません。


建物でもありません。


人です。


境界は測れます。


査定もできます。


しかし、

感情は測れません。


だからこそ、

相続には時間が必要なのだと思います。


まとめ

今回の昭和区の実家売却。


問題は空き家ではありませんでした。


価格でもありませんでした。


兄弟が反対していたわけでもありませんでした。


足りなかったのは、

話し合う時間だったのです。


兄弟全員が印鑑を押すと思っていた長男様。


しかし実際に必要だったのは、

印鑑ではなく納得でした。


遺産分割協議書は、

単なる手続き書類ではありません。


家族が同じ方向を向けたことを確認する、

一つの証なのかもしれません。


そして売却が終わった後、

兄弟は久しぶりに一緒に食事へ行ったそうです。


その光景こそが、

今回の相続で一番価値のある結末だったのかもしれません。

目次