名古屋市と連携した空き家相談や空き家管理の意外な実態とは?

空き家の増加が社会問題化しています。総務省が5年ごとに公表する2018年の住宅・土地統計調査では、空き家は848万戸を超え、空き家率は13.6%となっていますが、住宅事情に詳しい専門家たちは2025年時点で1000万戸を超えてるだろうと推察しています。

空き家が放置されたままでは、防災面や治安面が悪化し、地域に及ぼす影響は大きい。地域の価値も損なわれ、景観も損なわれその地域と国全体の見栄えも悪くなってしまいます。

そうした観点から国も過誤できないと、空き家問題への対応を本格化し始めており、令和5年度の税制改正大綱では、空き家の発生を抑える特例措置法、不動産事業者が中古住宅を取得して増改築により再販する場合の不動産取得税の軽減措置が延長されました。

ただ、様々な対策を打ち出すも空き家数を抑える抜本的な効果は発揮でされておりません。そんな中で「活用できる空き家」と「そうでない空き家」を峻別する時代になったともいえます。また見栄えが悪く、地域に悪影響を及ぼす空き家や管理が行き届いていない場合は、空き家所有者に解体を促し、対応に応じなければ自治体が代わって空き家への執行が可能になりました。

私は街歩きが趣味と仕事ですので日々、名古屋市中を歩いております。いろいろな空き家を見ると、ポテンシャルを秘めた空き家をたくさん発見します。

管理が行き届いていない空き家の中には、テコ入れの仕方によっては「可能性を発揮できる空き家」になるであろう物件も少なくないです。

一昔前、空き家はビジネスになりにくいと考えられがちでしたが、俄かに盛り上がりつつあります。

空き家セミナーの参加者の集まりも今一つの感が拭えない。特に大手の不動産会社は見向きもせずに中小零細の不動産会社が奮闘しているのが現状ですが、筆者は近い将来必ず、大手がこぞって空き家ビジネスに参入してくるであろうと推測いたします。

街を歩いていると、いろいろな方法で空き家が活用されているのに気がつきます。最近ちょっと面白いかなと思ったのが、外国人留学生や外国の子供が集まる場です。多言語対応を生かして外国人を支援していますがあえて、家主に敬遠されがちな属性に照準を絞って事業化につなげている例です。

ユニークな方法で地域を盛り上げてる活用としては、空き家にカフェを展開して地域の若者が集まるコミュニティーを作ったり、若手の芸術家が個展を開いたり、地域の高齢者が集うシニアサロン的な場も多く健在します。

空き家は可能性の宝庫です。築年数の古い空き家をお荷物で恥ずかしいものと思っている所有者や大家さんも多いですが、別の人の視点で、思いもよらないものに生まれ変わる可能性があるというのが空き家再生の魅力です。

空き家に悩む自治体としても空き家の解消や活用に前向きですが、そのために必要な税金の問題やリノベーション費用などの資金面をどこまでバックアップできるのかが自治体に求められているとの声が大きいです。

目次

空き家解消へ向けて名古屋市が丸投げしている団体は?

空家等の発生の未然防止や管理の適正化などの取り組みを推進するため、名古屋市は各団体等と相互に連携・協力を図ることを目的とした「空家等対策に関する協定」を下記の団体と締結しました。 具体的には「空き家等対策に関する協定」という内容で、以下のように2025年1月30日にホームページから発信されました。

・【主な相談内容】空き家に関する総合相談

公益社団法人愛知県宅地建物取引協会   

公益社団全日本不動産協会愛知県本部 

・【主な相談内容】土地・建物の相続登記、成年後見等に関すること

愛知県司法書士会  

・【主な相談内容】建物の表題・変更・滅失登記、境界の調査・確認に関すること

愛知県土地家屋調査士会 

・【主な相談内容】空き家の権利関係や相続、管理に関すること

愛知県弁護士会 

・【主な相談内容】空き家等に係る税金に関すること

名古屋市税理士会 

等、相談窓口は設けてますが、具体的な相談内容については別途有料であったり、専門性の高い分野によっては「仕業を紹介します。」といった斡旋ケースもありました。漠然とした「空き家の悩み」をワンストップで相談できる機関は機能していないというのが率直な感想です。

名古屋市の各区役所には空き家の相談に対して、地域力推進室という窓口がありますが、空き家の漠然とした悩みを打ち明けられる場所ではありません。住人からの空き家の苦情にも対応しているため、空き家所有者はきめ細やかな対応は期待しない方がいいでしょう。空家等対策や補助制度に関することについては、名古屋市役所の地域振興課が総合窓口になります。

空き家バンクは使えるの?

空き家バンクは、自治体や自治体と提携している宅地建物協会の運営する空き家を賃貸や買いたい人に紹介する制度です。空き家と利用希望者とをつなぐいわば「マッチングサイト」です。
無料で物件情報を掲載できることや、自治体によっては空き家バンクに登録して利用できる補助金制度があることが魅力です。名古屋市では主要窓口は宅地建物取引協会です。

空き家バンクに登録されている空き家は全体の0.14%

令和6年4月末時点で全国の空き家バンクを利用しての成約事例は、約17,000件です。これは、全国の空き家数に対して1%もゆうに満たない数字であり、普及が進んでいるとは言えません。

名古屋市の空き家バンク事情はどうでしょうか? ホームページを見ると、名古屋市が運営している印象を受けますが、名古屋市は交渉には一切関与しておらず、主要窓口は愛知県宅地建物取引協会になります。

名古屋市の空き家バンク登録状況は戸建て、マンション、土地をすべて合わせても登録数が50件にも満たない状態ですので、買手のニーズを取り込むには難しい状況です。空き家バンクのサイトも実際使いづらく、創意工夫が感じられません。2017年、愛知県宅建協会では、「空き家マイスター」認定制度を創設いたしましたが、空き家所有者はまず、近くの空き家マイスター登録不動産会社を探さなくてはいけません。不動産会社を介することに抵抗がある空き家所有者は、空き家バンクを利用することができませんので、面倒な手続きに加え、ここに空き家バンクの空き家登録が増えない最大の欠陥がります。

空き家マイスターは愛知県宅地建物協会の一定の講習を受ければ認定されます。空き家マイスターを取得している不動産会社に斡旋している現状、住宅ポータルサイトと遜色はなく、空き家バンクを活用するメリットが活かされていない状況です。名古屋市も例えば、空き家バンクで空き家を購入すれば、補助金が出たり、税優遇措置を活用できるなど積極的な戦略が求められます。

名古屋市と提携した空き家管理

空き家管理はストックビジネスです。空き家管理を委託した所有者は、ある統計では最終的に約7割に方が決断するといわれておりますので基本、低料金が可能になります。様々な団体、不動産会社が参入する空き家管理ビジネスですが、「仕事を通じて地域社会に貢献したい」という高齢者が集まり、今までの知識や技能、経験を生かして、就業することによって、活力ある地域社会づくりを目指している団体があります。

名古屋市シルバー人材センターは名古屋市と連携・協力し、空家等対策を推進するため協定を結び、平成31年4月より当センターの「空き家管理サポート」の案内を開始させました。

高齢者の就業を目的とし、空き家を見守ることでその地域の社会貢献を担う高齢者たちの集まりです。見回りは二人一組で行い空き家管理費用は無料ですが、名古屋市へのふるさと納税が前提となります。

NPO法人や社団法人の現状

積極的に空き家啓蒙活動を行っている団体の中にはNPO法人や社団法人があります。空き家所有者は空き家を適正に管理することが負担であり、第三者に管理を委託するわけですが、直接、不動産会社に管理を委託するということになると現実的にはハードルが高いと感じております。

そこで、不動産会社よりもブランド価値が高く、社会信用価値を高くすることで空き家管理ニーズを取り込もうとしている団体があります。

NPO法人空家・空地管理センター 

当センターは東京に本社を置き2015年に創設され、全国をネットワークに空き家発生抑制のための啓発活動及び、空き家活用促進事業を行っております。また、都道府県によっては自治体と連携を密にし、弁護士、税理士、司法書士、土地家屋調査士などと提携し空き家ワンストップ相談窓口を設けております。

空き家の管理方法がきめ細かくサービスが行き届き、賠償責任保険付き空き家管理の適用も可能です。「空き家あんしん管理サポート」では賠償責任保険には解体保険も含まれており、業界では画期的です。「空き家あんしん管理サポート」は主に加盟不動産会社が請け負います。その他、税務相談は加盟税理士と、相続相談は加盟司法書士と提携しております。

ただし、「空き家あんしん管理サポート」を行う、空き家管理の委託業務を受ける場合、加盟入会として約13万円、月額登録料金として約1万円の費用が発生します。また、空き家管理を経て、売買が成立した場合。空き家所有者から得た仲介手数料の30%を当センターに支払わないといけません。

民間の空き家管理会社を選ぶなら

レゴーニ株式会社  

レゴーニ株式会社は、名古屋市の空き家問題・不動産相続問題・不動産売却サポートに取り組む不動産コンサルティング会社です。空き家の管理から売却まで 一貫サポートが当社の売りです。依頼される方は以下のような空き家特有のお悩みを抱えられた方です。

・両親が高齢者施設に入所して実家が空き家になった

・相続したけれど、実家に住まい・住む予定がない予定が無い

・海外赴任に伴う留守宅  etc

レゴーニの基本サービスは

通風・喚起、通水、簡易清掃、雨漏り確認、建物確認、草刈り、ポスト整理、植木確認、防犯対策など専門スタッフが行い、基本料金の中に草刈が含まれているのも魅力です。

本日、名古屋市南区の笠寺コニュニティで空き家相談を開催

しました。約一か月間、イベントチラシの配布、広報活動行なった結果、本日2名の方がお越しになられ、名古屋市南区笠寺学区の空き家の現状と今からできる空き家対策等をテーマにお話をさせていただき、空き家お悩みの面談もさせていただきました。

感想としましては当社の名前が地域に馴染んでいないこと、また不動産会社が行う相談窓口はやはりハードルが高いなと感じました。

来月は伝馬ミュニティセンターをお借りして、空き家相談と空き家セミナーを行っていきたいと予定しております。

まとめ 今後、空き家対策に求められること

空き家を単なるモノとして扱う現行のシステムでは限界があります。空き家にしておく理由の1位は「物置として必要だから」。それはつまり、家族の思い出が整理できないことでもあります。周りから見たらボロ屋敷でも本人にとっては宝のような宮殿なのです。

また「漠然とした空き家の相談」をどこに相談すればいいのかわからない、がダントツ1位の空き家所有者の感想です。漠然とした空き家の悩みをどこに持ち込んだらいいのでしょうか?

いわゆるワンストップで対応できる空き家のエキスパートの人材が必要ではないでしょうか?専門分野は専門の仕業の分野ではありますが、そこに繋げていくまでの総合的にアドバイスができる空き家コンシェルジュの存在が急務です。

また税金の問題、相続の問題に然り、空き家の悩みはさまざまですが、やはり空き家問題を解決していくための肝は人の心に寄り添えることができるかどうかです。

たとえ価値がないと思われる空き家であっても、いつまでも残しておきたいのが人間の心理かもしれません。しかし、地域の景観を乱す、崩壊の恐れがある、犯罪の温床になるといった空き家に対して、空き家所有者はその地域や社会のために一歩踏み出す勇気も必要ではないでしょうか。

〇提案

気軽に立ち寄れる空き家相談サロン開設 

区役所に 空き家相談ブース開設 

ふどうさんのMAGOは名古屋市南区の不動産売却、相続、空き家問題を解決する不動産会社です。

(対応エリア)
名古屋市南区、名古屋市 港区、名古屋市 緑区、名古屋市千種区、名古屋市熱田区、名古屋市名東区、名古屋市 昭和区、名古屋市 瑞穂区、名古屋市中村区、名古屋市 中川区、名古屋市 守山区、名古屋市中区、名古屋市 天白区、刈谷市、岡崎市、一宮市、豊田市、半田市、あま市、豊川市、津島市、碧南市、豊橋市、瀬戸市、安城市、岩倉市、犬山市、知立市、江南市、小牧市、稲沢市、春日井市、大府市、知多市、常滑市、尾張旭市、高浜市、新城市、西尾市、岩倉市、豊明市、長久手市、蒲郡市、愛西市、清須市、北名古屋市、弥富市、みよし市、東海市、日進市、愛知県全域

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