こんにちは。名古屋市南区のふどうさんのMAGOです。季節はすっかりと芽吹きの時期になりました。名古屋市の街は、ついこの間は、蝋梅が咲き香ったと思えば、梅の花が散り、木々の新芽がちらほら出てくるようになりました。慌ただしい時間の経過を感じる今日この頃です。
今日のテーマは空き家相続で失敗しないための税金知識と名古屋市の特例についてです。
人口減少とともに全国的に増加の一途を辿る空き家問題。しかし、空き家は新しい活用方法を提案することで新たな価値を生む可能性があります。空き家に対する負のイメージから価値創造へ。本来空き家はポテンシャルを秘めたマーケットにもかかわらず、昨今の空き家に対するネガティブキャンペーンには違和感すら感じております。
この記事では空き家を有効活用していく前提として最低限知っておきたい相続、税金知識と名古屋市ならではの支援策を紹介することで、読者の空き家に対しての関心を高めていきます。空き家に対する賢明な意思決定に役立つヒントを提供し、当ホームページの空き家コラムを読めば空き家に対する価値観が変わることでしょう。
日本では近年、空き家の数が増加傾向にあり、総務省の「住宅・土地統計調査」によれば、2023年10月1日時点で全国の空き家数は約900万2千戸に達しています。これは全住宅の13.8%に相当し、特に人口減少や高齢化が進む地方で深刻な問題となっています。
参照:総務省(令和5年住宅・土地統計調査)https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/tyousake.html
空き家が発生する主な理由の一つとして、「相続」が挙げられます。親族が亡くなった際、その家を相続するものの、生活拠点が別にあるなどの理由で居住しないケースが多いためです。また、維持費や管理の手間、リフォーム費用などが負担となり、空き家のまま物置に使われたり放置されることも少なくありません。さらに、空き家を相続すると、所有するだけでも税金が発生します。空き家を相続してからの相続税や固定資産税をはじめ、相続登記費用などさまざまな負担がかかるため、事前に税制について理解しておくことが重要です。
この記事では、空き家の相続時にかかる税金の種類やその対処法、さらには名古屋市の特例制度について詳しく解説します。ぜひ最後までご覧ください。
空き家を相続したらかかる税金
空き家を相続する場合、相続時や所有時にさまざまな税金が発生します。これらを事前に最低限、把握しておくことで、予期せぬ精神的不安を避けることができます。
相続時にかかる税金
相続税
相続税は、被相続人が遺した財産を受け継ぐ際に課される税金です。財産には不動産、現金、有価証券などが含まれ、空き家もその一部に該当します。相続税は、基礎控除額を超えた分に対して累進課税が適用されます。
たとえば、基礎控除額は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」と計算され、これを超える財産部分に税率が適用されます。空き家の規模や立地などによっては不動産の価値が高いとみなされ、相続税負担が高額となることもあるため、事前に不動産評価を確認することが重要です。
登録免許税(相続登記)
登録免許税は、相続により不動産の所有権を移転登記する際に課される税金です。相続による登記では、原則として固定資産評価額の0.4%が税率として適用されます。
所有時にかかる税金
固定資産税・都市計画税
空き家を所有する限り、毎年固定資産税と都市計画税を支払う必要があります。固定資産税は土地や建物の評価額に基づいて算出され、市町村が課税します。
一方、都市計画税は主に市街化区域内の不動産に対して課され、固定資産税の評価額に一定の税率を乗じた額となります。
空き家を相続する場合の選択肢
空き家を相続した際、活用方法や手放し方を含めて以下の選択肢が考えられます。それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、最適な意思決定を行うことが大切です。
売却する
空き家を売却することのメリットはまず、固定資産税や管理費用などの継続的な負担を解消できます。
そして、空き家売却において、空き家の価値を見出すのは購入者にあるということです。築30年以上経過している空き家の相場査定は一般的に不動産会社では土地の価値で算出します。しかし、先入観にとらわれない空き家志向の購入者は空き家に新しい息吹、価値を見出すので需要次第では土地の値段以上の評価を期待できます。
昨今の住宅事情は、新築物件の需要に加え、中古物件の新たな可能性に注目が集まりつつあります。新しい家に住むという価値観から、古い家にこそ価値を見出していく意識の変化を感じております。新興住宅にはないポテンシャルを秘めた中古住宅は今後ますます需要が増してくることでしょう。
また、注目されるのはDIYブームです。購入者自らがリノベーションで間取り変更を行えば、新築戸建ではないようなデザインや、自分の好みの空間を作り出すことができるかもしれません。
最近、名古屋市瑞穂区では敷地内の樹齢80年の桜の木に魅力を感じて、空き家を建物付きで購入されました。しかも、土地の値段以上で空き家を売却することができました。購入者は売主にも気づかないところに価値を見出すものです。リフォームを施し、桜の木と空き家を活かし、購入者好みの空間にリノベーションされた事例です。
このように特に名古屋市では築50年以上の物件が土地の価値以上の相場で売買されたケースが多々あります。
賃貸する
空き家を賃貸物件として活用し、家賃収入を得る方法もあります。賃貸物件として貸し出す場合には、修繕やリフォームを行い、居住可能な状態にする必要があります。
名古屋市では、特に賃貸市場は需要が高いため、需要の高い地域では空き家を賃貸に出すことで安定した収入を得ることも可能です。これにより、空き家にかかる維持費用や固定資産税の負担を軽減できます。さらに、名古屋市では空き家を地域の発展のために有効活用する場合に積極的にバックアップしております。
下記の空き家活用制度を活用すると良いでしょう。空き家を放置するよりも空き家を活かしたほうがあなたが生まれた地域、お住いの地域に新たな活気を取り戻すことができるかもしれません。たとえば、空き家をシェアスペースや人が集まりやすいコミュニティに変えることで、人々が集まる場を創造し、人と人のつながりを深める役割を果たします。このような取り組みは、地域の活性化だけでなく、次の世代に引き継がせることで、これからの世代の新たなビジネスチャンスを生むかもしれません。
名古屋市空き家活用支援事業費補助金
名古屋市内にある空き家を地域の活性化を目的とした以下の用途に使用するもの
- 滞在体験施設
- 交流施設
- 体験学習施設
- 創作活動施設
- 文化施設
- 防災用倉庫
(注意事項)
- 一定の耐震性や安全性が確保されること
- 改修後10年以上継続して活用すること
補助対象経費
以下の内外装等改修工事
- 台所、浴室、洗面所、又は便所の改修工事
- 給排水、電気、又はガス設備の改修工事
- 屋根、又は外壁等の外装の改修工事
- 壁紙の張替え等の内装の改修工事
申請する事が出来る人
空き家の所有者またはその賃借人
補助額
- 改修工事費の3分の2(上限額100万円)
- 先着での受付となり、予算額に達し次第、受付を終了します。また年度により、補助対象が異なるため、2025年4月以降の補助金制度に関しては事前に確認が必要です。
担当窓口:名古屋市 スポーツ市民局地域振興部地域振興課空家等対策 電話番号:052-972-3126
居住する
空き家に自身や家族が居住する選択もあります。特に思い入れのある実家などの場合は、この選択肢は心理的な満足感を得られるのです。
ただし、老朽化した住宅の場合、リフォーム費用が高額になる可能性もあるため、費用対効果を慎重に見極める必要があります。
寄与する
名古屋市やNPO法人に寄付することで、空き家を有効活用してもらう選択肢もあります。
寄付には社会貢献の側面がありますが、寄付先が受け入れる条件を満たす必要があり、手続きも容易ではないことを留意しておきましょう。
相続放棄
空き家を含む財産を相続放棄することで、負担を回避する方法です。相続放棄を選択する場合、相続開始から3ヶ月以内に家庭裁判所に申請する必要があります。
ただし、他の財産も放棄することになるため、慎重な判断が求められます。
空き家の相続で知っておきたい特例と制度
空き家を相続する際、以下の特例や制度を活用することで、税負担を軽減できる可能性があります。
売却時は譲渡所得3000万円特別控除を活用する
相続した空き家を売却する際に適用できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」は、空き家を相続した場合の負担を軽減する非常に有益な特例です。
この特例では、譲渡所得(売却益)から最大3,000万円を控除できるため、売却後の税負担を大幅に軽減できます。適用条件を満たせば、多くのケースで相続人にとって大きなメリットがあります。
ただし、適用を受けるためには一定の条件が必要になりますので、事前に条件を満たすか確認しておきましょう。
適用を受けるための主な条件は次のとおりです。
(1)被相続人が一人暮らしをしていた住宅(一戸建)であること
相続開始時に被相続人がその住宅に居住しており、他の用途に使用されていないことが求められます。また、相続開始直前に、被相続人以外の同居人がいた場合は、適用を受けることができません。さらに、区分所有の不動産は適用外のため注意が必要です。
(2)昭和56年5月31日以前に建築された建物(旧耐震基準)であること
旧耐震基準で建てられた建物に適用されます。昭和56年6月1日以降に建築された建物の場合は、新耐震基準適合の建物に該当しますので適用外となります。
(3)売却期限が相続開始から3年以内であること
期限内に売却手続きを完了する必要があります。具体的には、相続の開始があった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ることが条件とされています。
(4)新耐震基準に満たない場合は補強工事(耐震リフォーム)が必要
この特例では、新耐震基準に満たしている建物のみを対象としているため、適用を受けるためには耐震性を確認する必要があります。また新耐震基準をクリアしていない場合は、耐震補強をしなければなりません。
そこで令和6年1月新制度として
耐震性が満たなくても引き渡しの翌年3月(確定申告時)までに解体もしくは耐震基準を満たす耐震改修をすれば、特例の要件を満たすことができるようになりました。
現行の耐震基準を満たそうとする場合、耐震基準を満たすようにしなければいけません。 耐震を新基準にするには建築士に依頼しますが、一般的な木造住宅2階建てで 耐震リフォームを行うと150万円~250万円が相場です。 そこで名古屋市では名古屋市の木造住宅無料耐震診断を受けた結果、耐震性が低い木造住宅を改修して耐震性を上げる工事が必要と判断された場合、名古屋市の補助金を活用することができます。(昭和56年5月31日以前に着手された木造住宅であれば、ほぼ耐震基準を満たさないとの回答でした。)
〇民間木造住宅無料耐震診断
≪対象住宅≫
以下のすべての要件を満たすもの
・昭和56年5月31日以前に着工した木造住宅であること
・2階建て以下であること。
・名古屋市内にあること。
※木造住宅に限りますのでプレハブ、ツーバイフォー工法等は対象外
〇民間木造住宅耐震改修助成
(一般世帯等)
補助金は耐震改修工事費の4/5か上限が100万円のどちらか低い金額。
注意:この補助金を受けるには必ず、名古屋市の耐震診断を受けなければいけません。
担当窓口は 住宅都市局耐震化支援課 (電話 052-972-2921)
適用を受けるための具体的な手続きや必要書類については 名古屋市のホームページを確認しましょう。また新年度予算、補助金に関しては7月ごろに確定し、随時発信されます。
空き家3000万円控除 空き家特例に関しては
担当窓口:名古屋市スポーツ市民局地域振興部地域振興課空家等対策
木造住宅無料耐震診断および民間木造住宅耐震改修助成
担当窓口: 住宅都市局耐震化支援課
まとめ:空き家相続時にかかる税金と名古屋市の空き家に対しての本音
空き家相続は、税負担や管理の問題を伴いますが、適切な選択と特例の活用により、負担を最小限に抑えることが可能です。
旧耐震基準の空き家を売却し、特例控除を受けるには
耐震基準を満たさなければいけないという高いハードルがあります。市の担当者のヒアリングでは特例申請者のうち9割に方が、手っ取り早く特例適応メリットを受けられる解体をして売却を選択されるとのことでした。
旧耐震基準の空き家をそのまま活かす難所は
現行のシステムでは旧耐震のまま売りに出しても、購入者の借り入れローン審査に影響を及ぼすことと購入者が住宅ローン控除を受けられない点にあります。
このように、想い入れのある空き家を次の世代に空き家のまま引き継ぐか、解体して更地にするかは費用対効果に照らし、最終的には所有者が賢明な選択をしなければいけません。
空き家を活かすには国と行政の積極的な支援が必要
空き家をリフォームする場合、フルリフォームで1000万円~1500万円、部分リフォーム約300万円前後がですので、空き家をフォームしそこに住み続ける人にはバックアップ制度が不可欠です。空き家リフォームに関しては自治体ごとに取り組みの差があり、名古屋市では空き家をリフォームし補助を受けるには用途が限られているのが現状です。
国も行政も空き家問題に対して、単なるポーズだけではとまらない新築供給と増え続ける空き家問題の解消にはならないでしょう。
ふどうさんのMAGOは名古屋市南区の不動産売却、相続、空き家問題を解決する不動産会社です。
(対応エリア)
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