はじめに|「擁壁をやり直したら売却価格より高くなるかもしれません」
「この擁壁、かなり古いですね。」
相談者様が最初に査定を依頼した不動産会社から言われた言葉です。
物件は名古屋市昭和区八事エリア。
ご両親から相続した土地でした。
立地は申し分ありません。
地下鉄駅まで徒歩圏内。
周辺には落ち着いた住宅街が広がっています。
土地面積も約80坪。
一般的に考えれば高く売れそうな不動産です。
しかし一つだけ問題がありました。
敷地と道路との間に古い擁壁があったのです。
築年数は不明。
見た目にも年季が入っています。
そこで複数の不動産会社へ査定依頼をしたところ、
「擁壁改修費が必要です」
「建築会社が嫌がります」
「買主が限定されます」
「売却は難しいと思います」
という説明を受けました。
そして提示された査定額は想定より大幅に低いものでした。
しかし最終的には、
相談者様が想定していた価格に近い金額で売却が実現しました。
なぜこのような結果になったのでしょうか。
八事という地域の特殊性
昭和区八事は名古屋市内でも特別なエリアです。
古くから高級住宅地として知られ、
広い敷地を持つ住宅も少なくありません。
一方で、
丘陵地形のため高低差も多く存在します。
その結果、
擁壁付き宅地も珍しくありません。
つまり、
八事では擁壁があること自体は珍しい話ではないのです。
相続した実家に残されていた古い擁壁
相談者様は県外在住でした。
ご両親が亡くなられた後、
実家は空き家になっていました。
定期的に様子を見に来るものの、
管理には限界があります。
そこで売却を検討。
しかし査定結果を見て驚きました。
「擁壁があるから価格が下がる」
と言われたのです。
擁壁とは何か
擁壁とは、
高低差のある土地を支えるための構造物です。
コンクリート擁壁。
石積み擁壁。
大谷石擁壁。
様々な種類があります。
高低差の多い昭和区や千種区では比較的よく見られます。
なぜ擁壁が嫌われるのか
理由は単純です。
もし擁壁に問題があれば、
補修や改修に大きな費用がかかる可能性があるからです。
場合によっては、
数百万円単位の工事費が発生することもあります。
そのため、
買主側は慎重になります。
しかし現場では誤解も多い
ここで重要なのは、
「古い擁壁=危険」
ではないということです。
実際には、
状態を確認しなければ判断できません。
ところが、
現場では見た目だけで評価されることもあります。
行政調査と現地確認
弊社では、
まず現地調査を実施しました。
さらに、
行政機関で法令関係を確認。
接道状況。
建築制限。
造成履歴。
周辺事例。
あらゆる情報を整理しました。
すると、
当初言われていたほど深刻な状況ではないことが見えてきました。
業界の本音
少し辛口な話になります。
擁壁案件は手間がかかります。
調査も必要です。
説明も必要です。
だから、
「擁壁があるので安くなります」
という説明で終わるケースもあります。
しかし、
調査を省略することと、
価値が低いことは別問題です。
八事だからこそ存在する需要
八事には独特の需要があります。
立地を重視する購入層。
建築にこだわる購入層。
ハウスメーカー。
地元工務店。
こうした方々は、
単純に「擁壁があるから買わない」とは考えません。
むしろ、
土地の魅力を総合的に判断します。
買主が評価したポイント
実際に購入された方が重視したのは、
擁壁ではありませんでした。
・立地
・日当たり
・土地の広さ
・周辺環境
・学区
です。
つまり、
擁壁というマイナス要素以上に、
プラス要素が評価されたのです。
査定額の差が生まれた理由
土地は同じです。
しかし、
見る人によって価値は変わります。
「擁壁だから安い」
という見方。
「八事だから需要がある」
という見方。
結果として、
査定額には大きな差が生まれました。
擁壁のある土地でやってはいけないこと
① 一社だけで判断する
② 解体を急ぐ
③ 自費で擁壁工事を始める
④ 「売れない」と思い込む
これらは非常によくある失敗です。
空き家マイスターとして感じること
昭和区や千種区の相談で感じるのは、
立地の強さです。
擁壁がある。
高低差がある。
確かにマイナス要素です。
しかし、
それだけで価値がなくなるわけではありません。
むしろ、
高級住宅地だからこそ需要が残るケースもあります。
まとめ|擁壁だけで土地の価値は決まらない
今回の事例では、
擁壁があることだけを理由に低い査定を受けていました。
しかし、
実際には立地や需要を含めて総合的に評価することで売却が実現しました。
不動産は一つの要素だけで価値が決まるものではありません。
特に昭和区八事のような地域では、
擁壁以上に重要な価値が存在することもあります。
もし、
「擁壁があるから売れない」
と言われた土地をお持ちであれば、
一度別の角度から見直してみる価値はあるかもしれません。
名古屋市昭和区・千種区で擁壁のある土地や相続不動産の売却をご検討中の方へ
古い擁壁。
高低差のある土地。
相続した実家。
他社で厳しい査定を受けた土地。
その評価は本当に適正でしょうか。
私たちは空き家・相続不動産・再建築不可物件・旗竿地・市街化調整区域など、一般的に売却が難しいとされる不動産のご相談を数多くお受けしています。
まずは「売れるかどうか」ではなく、
「本当の価値はいくらなのか」
を知ることから始めてみてください。
八事・南山町・広路町石坂・山手通に多い「擁壁付き住宅地」の特徴
昭和区八事周辺は、名古屋市内でも有数の高級住宅地として知られています。
特に、
・南山町
・広路町石坂
・山手通
・八雲町
・妙見町
周辺では、高低差のある土地や擁壁付き宅地を見かけることが少なくありません。
実際に現地を歩いてみると、
道路面より1メートルから3メートルほど高くなった宅地や、石積み擁壁によって造成された住宅地が数多く存在しています。
これは八事エリア特有の地形によるものです。
平坦な中川区や港区とは違い、昭和区・千種区東部は丘陵地帯として発展してきました。
そのため、
「擁壁があるから特殊な土地」
というわけではありません。
むしろ、
「擁壁があることが当たり前のエリア」
とも言えます。
しかし売却時には、この特徴が正しく理解されていないケースがあります。
石積み擁壁と大谷石擁壁の違い
相続した実家の相談で多いのが、
「古い石垣のようなものがあります」
というご相談です。
実際に現地確認すると、
石積み擁壁や大谷石擁壁であることがあります。
石積み擁壁
昭和30年代から50年代に造成された住宅地で多く見られます。
自然石を積み上げて作られており、
現在では同じ工法で施工することが難しいケースもあります。
見た目に重厚感があり、
景観として評価されることもあります。
一方で、
経年劣化や排水状況の確認が必要です。
大谷石擁壁
栃木県産の大谷石を使用した擁壁です。
昭和期の高級住宅地で多く採用されました。
八事や南山町周辺でも見ることがあります。
しかし、
大谷石は風化しやすい特徴があります。
そのため、
ひび割れや表面剥離が発生しているケースもあります。
ただし、
大谷石だから危険というわけではありません。
現況確認が重要です。
現場で実際に確認するポイント
私たちが擁壁付き土地を調査する際、
確認するのは見た目だけではありません。
擁壁のひび割れ状況
クラックの有無。
幅。
長さ。
位置。
構造的な問題なのか。
表面的な問題なのか。
を確認します。
排水設備
意外と見落とされがちですが、
擁壁の寿命を左右する重要な要素です。
水抜き穴が適切に機能しているか。
排水経路は確保されているか。
現地で確認します。
境界との関係
擁壁が隣地との境界を兼ねていることがあります。
その場合、
将来的なトラブルリスクも調査対象になります。
建築時の影響
建替えを行う場合、
擁壁がどのように扱われるのか。
建築会社の見解も重要になります。
実際にあった査定額比較
今回のケースを分かりやすく表現すると、
以下のようなイメージでした。
【A社】
・擁壁あり
・高低差あり
・造成費必要
査定額:3,800万円
【B社】
・擁壁リスク重視
・建築制限懸念
査定額:4,100万円
【弊社調査後】
・立地需要分析
・行政調査
・建築可能性確認
・購入層分析
査定額:5,300万円
最終成約価格
5,480万円
※イメージ事例
査定額差
約1,700万円
土地は同じです。
変わったのは、
評価する人の見方だけでした。
業界の本音
擁壁案件は正直なところ面倒です。
調査も必要です。
説明も必要です。
買主への情報提供も必要です。
そのため、
最初から大きく価格を下げて査定するケースもあります。
しかし、
それは安全な査定であって、
適正査定とは限りません。
特に昭和区や千種区のような人気エリアでは、
立地が持つ価値が非常に大きいのです。
空き家マイスターとして感じること
相続相談を受けていると、
「擁壁があるから売れないと思っていました」
という言葉をよく聞きます。
しかし実際には、
売れない土地ではなく、
正しく評価されていない土地の方が多いと感じます。
八事。
南山町。
広路町石坂。
山手通。
こうした地域は、
名古屋市内でも根強い住宅需要があります。
だからこそ、
擁壁だけを見て価値を判断するのではなく、
地域特性と合わせて評価することが重要なのです。
「擁壁があるから売れない」と思い込んでいた売主様
今回の相談者様が最初におっしゃった言葉を今でも覚えています。
「たぶん売れないと思うんです。」
理由を聞くと、
「擁壁がありますから。」
とのことでした。
実はこの言葉は珍しくありません。
昭和区や千種区の相続相談では、
売主様自身が不動産会社から言われた言葉をそのまま信じているケースがあります。
・擁壁がある
・高低差がある
・古い家が残っている
すると、
「価値がない」
と思い込んでしまうのです。
しかし現場で感じるのは、
価値がない土地よりも、
価値が正しく伝わっていない土地の方が圧倒的に多いということです。
建築会社は擁壁をどう見ているのか
一般の方と建築会社では、
擁壁に対する考え方が大きく違います。
一般の方は、
「擁壁がある」
↓
「危険かもしれない」
↓
「買わない」
と考えます。
一方、
建築会社は、
「どの程度の補強が必要か」
「建築計画に影響するか」
「工事費はいくらか」
という視点で判断します。
つまり、
感覚ではなく数字で判断しているのです。
実際に購入を検討した建築会社の反応
今回の案件でも、
購入を検討した工務店担当者は、
擁壁そのものよりも、
立地を高く評価していました。
その担当者がおっしゃった言葉が印象的でした。
「このエリアで80坪近い土地はなかなか出ません。」
まさにその通りです。
八事エリアでは、
土地供給そのものが限られています。
そのため、
多少の擁壁問題があっても、
検討する価値があると判断されたのです。
八事ブランドの強さ
現場にいると、
改めて八事ブランドの強さを感じます。
名古屋市内には様々な住宅地があります。
しかし、
八事
南山町
山手通
広路町石坂
という地名には、
特別な価値があります。
教育環境。
住環境。
交通利便性。
ブランド力。
これらが長年積み重なっています。
そのため、
土地購入希望者も一定数存在します。
相続人が知らなかった土地の価値
今回の相談者様は県外在住でした。
そのため、
地域の不動産事情を詳しく知りませんでした。
すると、
最初に提示された査定額が基準になってしまいます。
しかし、
地域需要を把握している人間からすると、
その査定額には違和感がありました。
実際、
市場ではもっと高い価格帯で取引されていたのです。
査定額は「正解」ではない
不動産査定を受けると、
提示された金額が正しいと思われがちです。
しかし査定額はあくまで予測です。
そして、
その予測には担当者の経験や知識が大きく影響します。
擁壁案件になると、
この差はさらに大きくなります。
現場経験が査定差を生む
私たちがこれまで扱ってきた案件でも、
・再建築不可
・旗竿地
・市街化調整区域
・事故物件
・共有持分
など、
一般的には評価が下がりやすい不動産が数多くありました。
しかし、
実際には高値で売却できた事例も少なくありません。
共通しているのは、
「物件の欠点だけで判断しなかったこと」
です。
業界の本音|査定は簡単、売却戦略は難しい
正直に言えば、
査定書を作るだけなら誰でもできます。
周辺事例を集めて、
価格を出すだけです。
しかし、
実際に売却するためには、
誰に売るか。
どのように見せるか。
どの購入層へアプローチするか。
という戦略が必要になります。
今回の案件でも、
単なる査定ではなく、
売却戦略が価格差につながりました。
「訳あり物件」と呼ばれる土地ほど査定力が問われる
整形地。
駅近。
新しい住宅地。
こうした土地は誰が見ても評価しやすいです。
しかし、
擁壁。
高低差。
再建築不可。
旗竿地。
共有持分。
これらは担当者によって評価が変わります。
だからこそ、
訳あり物件ほど査定力が重要になります。
名古屋市昭和区・千種区で相続不動産を売却する方へ
もし、
「擁壁があるから難しいですね。」
と言われた土地をお持ちなら、
その言葉だけで諦めないでください。
本当に価値が低いのか。
それとも調査不足なのか。
それによって結果は大きく変わります。
不動産売却は、
どの会社に依頼するかで結果が変わる数少ない取引です。
特に昭和区や千種区のような人気住宅地では、
その差が数百万円から数千万円になることもあります。
ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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