【名古屋市天白区の土地売却事例】造成費800万円と言われた高低差のある土地が、他社査定より1,800万円高く売れた理由

こんにちは。

趣味は街歩き。名古屋市の街を歩き続けて8年になる、街歩き空き家マイスター、ふどうさんのMAGOの保木です。

今回ご紹介するのは、名古屋市天白区八事天道にある、高低差と古い擁壁を抱えた相続不動産の売却事例です。

売主様が最初に別の不動産会社へ査定を依頼した際、次のような説明を受けたそうです。

「この土地は造成しないと売却が難しいと思います」

「造成費だけで800万円以上かかる可能性があります」

その結果、提示された査定額は3,700万円でした。

しかし、弊社で現地と土地の条件を調査し、想定する買主と販売方法を見直した結果、最終的な成約価格は5,500万円となりました。

他社の査定額との差は、1,800万円です。

土地の高低差がなくなったわけでも、古い擁壁を新しく造り替えたわけでもありません。

変わったのは、その土地をどのように調査し、誰に、どのような価値を伝えて販売するかという視点でした。

※売主様および買主様のプライバシーに配慮し、取引の判断に影響しない範囲で内容を一部簡略化しています。


名古屋市エリアで″売却サポート”に専門特化した
不動産売却のみを取り扱う専門店です。
空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

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目次

売却した土地の概要

今回の不動産は、次のような条件でした。

  • 所在地:名古屋市天白区八事天道
  • 最寄り駅:地下鉄鶴舞線・名城線「八事」駅
  • 土地面積:約90坪
  • 建物:築約48年の戸建て
  • 利用状況:相続後は空き家
  • 地形:道路より約3メートル高い宅地
  • 特徴:高低差および既存擁壁あり
  • 他社査定額:3,700万円
  • 最終成約価格:5,500万円

八事駅から徒歩圏内にあり、閑静な住宅地として知られる地域です。

売主様も当初は、

「八事周辺で約90坪あるので、ある程度の価格になるのではないか」

と考えていました。

しかし、最初に提示された査定額は、その予想を大きく下回るものでした。


他社査定額は3,700万円|減額理由は高低差と擁壁

査定額が低くなった理由として説明されたのは、主に次の点でした。

  • 道路と敷地に約3メートルの高低差がある
  • 既存擁壁が古い
  • 建て替え時に造成工事が必要になる可能性がある
  • 解体や工事の費用が平坦地より高くなる
  • 一般的な建売用地として扱いにくい
  • 購入希望者が限定される

高低差や古い擁壁がある土地では、建築計画によって擁壁の改修や再築造が必要になる場合があります。

解体車両や工事車両が入りにくければ、解体・建築費も割高になる可能性があります。

したがって、高低差や擁壁を査定上のリスクとして考えること自体は間違いではありません。

問題は、具体的な建築計画や調査が十分でない段階で、想定造成費を一律に差し引き、その土地が持つ別の価値まで見落としてしまうことです。


「近くの土地はもっと高く売れていた」という売主様の疑問

売主様には、一つの疑問が残っていました。

「近くの土地は、もっと高く売れていたはずなのに、なぜ自分の土地だけこれほど安いのか」

実際、周辺には5,000万円台で取引された土地もありました。

もちろん、近隣で高い成約事例があったからといって、今回の土地も同じ価格で売れるとは限りません。

不動産価格は、駅距離、面積、道路、間口、土地形状、高低差、擁壁、建築条件などによって異なるからです。

それでも、八事駅徒歩圏、約90坪、南向き、高台という条件を考えると、3,700万円という査定額には再検討の余地があると感じました。

そこで、弊社へご相談いただき、現地調査を行うことになりました。


現地を歩いて最初に感じた違和感

現地へ行くと、確かに道路から敷地まで約3メートルの高低差がありました。

既存擁壁も新しいものではありません。

平坦な分譲地と同じ考え方で評価すれば、マイナス要素になる土地です。

しかし、現地に立ったとき、私が最初に感じたのは、

「この高低差は、本当にマイナスだけなのだろうか」

という疑問でした。

敷地側から周囲を見ると、道路から一段上がっているからこその眺望と開放感がありました。

道路を歩く人から建物内部が見えにくく、プライバシーを確保しやすい点も、この土地の特徴でした。


現地で確認できた5つの魅力

1.南向きで日当たりが良い

南側から光を取り込みやすく、建物の配置を工夫すれば、明るい住環境を計画できる土地でした。

2.高台ならではの眺望がある

道路より高い位置にあるため、平坦地では得にくい開放感がありました。

眺望を重視する買主にとっては、高低差が魅力になる可能性があります。

3.道路からの視線が届きにくい

道路面と居住空間に高さの差があることで、通行人から室内を見られにくいという利点があります。

プライバシーを重視する注文住宅の購入者には、訴求できる要素でした。

4.約90坪の敷地がある

一定の広さがあるため、建物、庭、駐車場などを含めた多様な建築計画を検討できる可能性がありました。

5.八事駅から徒歩圏内

地下鉄鶴舞線と名城線を利用できる八事駅から徒歩圏内という立地は、高低差や擁壁だけでは消えない価値です。

つまり、この土地には課題がある一方で、課題を上回る可能性も残されていました。


天白区・八事周辺では高低差のある土地は珍しくない

名古屋市天白区や八事周辺には、丘陵地を利用して形成された住宅地があります。

特に次のような地域では、坂道、高低差、擁壁、ひな壇状の宅地が見られます。

  • 八事天道
  • 表山
  • 音聞山
  • 御幸山
  • 八事山
  • 植田山

こうした地域で、すべての高低差を「土地の欠点」として評価すると、街そのものが持つ特徴を見落としてしまいます。

もちろん、擁壁の安全性や法令上の取扱いは個別に調べなければなりません。

しかし、八事周辺で土地を探す人の中には、高台の眺望、落ち着いた住環境、道路からの視線を避けられることに価値を感じる方もいます。

地域の特性を理解せず、平坦地と同じ物差しだけで査定すると、本来の需要を捉えられない可能性があります。


高低差のある土地で実際に確認したこと

今回、最初に行ったのは、「造成費800万円」という前提が、この土地の売却価格から直ちに差し引くべき確定費用なのかを確認することでした。

主に次の項目を調査しました。

  • 行政資料と法令制限
  • 道路と敷地の関係
  • 既存擁壁の位置と現況
  • 過去の造成・建築に関する資料
  • 現在の建物と擁壁の関係
  • 周辺での建築事例
  • 建物解体時の工事条件
  • 建築士など専門家の見解
  • 建て替え時に想定される手続き
  • 周辺の売出事例と成約事例

重要なのは、不動産会社だけで擁壁の安全性を断定しないことです。

既存擁壁を利用できるか、補強や再築造が必要かは、擁壁の構造、確認できる資料、建築する建物、行政との協議などによって変わります。

今回も、「造成費は必ず不要」と判断したわけではありません。

造成や擁壁に関するリスクを買主へ説明したうえで、それを織り込んでも検討できる買主へ届けることを重視しました。


売却価格を変えたのは「買主設定」

今回の大きな転換点は、想定する買主を変えたことです。

高低差のある土地を、一般的な建売住宅用地としてのみ評価すると、次のような点が問題になります。

  • 規格化された建物を配置しにくい
  • 造成費を事前に確定しにくい
  • 工事工程が増える可能性がある
  • 建売事業者の利益計算に合いにくい
  • 短期間での商品化が難しい

そのため、建売事業者から見ると、高低差は価格を下げる要因になりやすいでしょう。

しかし、八事周辺で土地を探している人が、建売事業者だけとは限りません。

今回想定したのは、次のような購入者です。

  • 八事周辺で注文住宅を建てたい方
  • 建築士と相談しながら家づくりを進めたい方
  • 眺望や開放感を重視する方
  • 道路からの視線を避けたい方
  • 広い敷地を探している方
  • 高低差を建築設計に生かしたい方

土地の弱点を消すのではなく、その特徴を生かせる買主を探す販売方針へ切り替えました。


内覧・現地案内で聞かれた購入希望者の声

現地を案内した購入希望者からは、次のような反応がありました。

「高台なので眺めが良いですね」

「道路から家の中が見えにくいのがいい」

「高低差を生かした設計ができそうです」

「平坦な土地にはない面白さがありますね」

査定上はマイナスとされていた高低差を、購入希望者は別の角度から見ていました。

もちろん、すべての方が高低差を好意的に捉えたわけではありません。

造成費や擁壁を心配し、検討を見送る方もいます。

それでも、土地の特徴と相性のよい買主へ情報を届けることで、価格だけを下げずに売却できる可能性が生まれました。


他社査定より1,800万円高く売れた理由

今回の価格は次のとおりです。

  • 他社査定額:3,700万円
  • 最終成約価格:5,500万円
  • 差額:1,800万円

土地の物理的な条件は、販売前後で大きく変わっていません。

価格差につながったと考えられるのは、主に次の5点です。

1.想定造成費を確定費用として扱わなかった

造成費800万円という説明をそのまま採用せず、どのような建築計画で、どの工事が必要になるのかを整理しました。

2.高低差以外の価値を査定へ反映した

八事駅徒歩圏、約90坪、南向き、高台、眺望、住環境といった条件を総合して評価しました。

3.建売事業者だけを買主にしなかった

注文住宅を検討する個人や、高低差を生かした建築ができる購入者を想定しました。

4.デメリットを隠さずに説明した

高低差や擁壁の存在を曖昧にせず、確認できた資料と現況を整理して伝えました。

買主がリスクを把握したうえで判断できる状態をつくることが、安心できる取引につながります。

5.土地の見せ方を変えた

単に「擁壁のある古家付き土地」として広告するのではなく、高台の眺望、日当たり、プライバシー性、敷地の広さを現地写真や説明へ反映しました。

高く売れた理由は、土地の問題を無視したからではありません。

問題を調査したうえで、その土地に合う市場へ届けたことにあります。


高低差のある土地を「減点方式」で査定する危険性

高低差のある土地では、査定が次のような減点方式になりがちです。

高低差がある
↓
造成費を差し引く

擁壁が古い
↓
改修費を差し引く

古家がある
↓
解体費を差し引く

工事が難しい
↓
さらに価格を下げる

この考え方には一定の合理性があります。

ただし、費用を差し引くだけでは、立地、眺望、希少性、注文住宅需要などのプラス要素が十分に反映されません。

本来の査定では、マイナス要素とプラス要素の両方を見る必要があります。

高低差があるから高く売れるわけでも、高低差があるから安くしか売れないわけでもありません。

その土地を必要とする買主が存在し、法令・建築・擁壁などの条件を理解したうえで購入できるかどうかが重要です。


相続した土地で起きやすい査定の落とし穴

相続不動産では、所有者様が現在の相場や土地の詳細を把握していないことがあります。

そのため、最初に提示された査定額を、

「専門家が言うなら、このくらいなのだろう」

と受け入れてしまうことがあります。

しかし、不動産会社によって次の点は異なります。

  • 比較する成約事例
  • 想定する買主
  • 擁壁や道路に関する調査範囲
  • 建物を残すか解体するかの判断
  • 仲介で時間をかけるか、買取を優先するか
  • 販売広告の内容
  • 難しい土地を扱った経験

査定額に差がある場合は、最も高い会社を選べばよいという意味ではありません。

大切なのは、その査定額に現実的な根拠と販売計画があるかどうかです。

確認したいのは、次のような点です。

  • 誰が買主になると考えているか
  • 造成費をどのような根拠で見込んだか
  • 擁壁について何を調査したか
  • 周辺のどの成約事例を比較したか
  • どのような広告で魅力を伝えるか
  • 売れなかった場合にどう見直すか

高低差・擁壁のある土地を売却する前の確認事項

高低差のある土地では、販売開始前に少なくとも次の項目を確認します。

擁壁の資料

  • 建築確認や検査済証の有無
  • 造成に関する許可・検査資料
  • 擁壁の構造や高さ
  • 過去の補修履歴
  • ひび割れ、傾き、膨らみ、排水状況

資料がない場合でも、直ちに売却できないとは限りません。ただし、現況と資料の有無を買主へ正確に伝える必要があります。

法令・建築条件

  • 用途地域
  • 建ぺい率・容積率
  • 高度地区
  • 宅地造成等に関する規制
  • がけに関する建築制限
  • 道路種別と接道状況
  • セットバックの有無

具体的な建築可否は、買主が計画する建物によって変わるため、建築士や行政窓口への確認が必要です。

売却に必要な費用

  • 建物解体費
  • 擁壁の補修・再築造費
  • 残置物撤去費
  • 確定測量費
  • 樹木や庭石の撤去費
  • 地中埋設物が見つかった場合の費用
  • 仲介手数料や登記費用

解体や造成を先に行う前に、現況のまま売却する場合との手取り額を比較することが大切です。


高低差のある土地は、造成してから売るべきか

答えは、物件によって異なります。

先に造成することで買主が建築計画を立てやすくなり、売却しやすくなる場合があります。

一方で、売主が想定した造成工事と、買主が希望する建築計画が合わないこともあります。

先に工事をした結果、

  • 工事費を売却価格へ上乗せできない
  • 買主が別の擁壁や造成を希望する
  • 工事中に地中埋設物が見つかる
  • 境界や隣地との調整が追加で必要になる

といった可能性もあります。

高低差土地では、「造成しなければ売れない」と決めつけるのではなく、次の3つを比較するのが実務的です。

  1. 古家・擁壁を現況のまま売却する
  2. 建物だけを解体して売却する
  3. 解体・造成まで行って売却する

それぞれの想定価格、工事費、期間、売主の責任範囲を比較して判断します。


まとめ|高低差があることと、価値が低いことは別問題

今回の名古屋市天白区八事天道の事例では、他社査定額3,700万円に対し、最終的な成約価格は5,500万円となりました。

差額は1,800万円です。

この結果からお伝えしたいのは、

「高低差がある土地=価値が低い土地」ではない

ということです。

ただし、高低差や擁壁のリスクを無視して高値を付ければよい、という意味でもありません。

重要なのは、次の順番です。

  • 擁壁、道路、法令制限を調査する
  • 造成費が本当に必要なのかを整理する
  • 土地のマイナス面と魅力の両方を確認する
  • その特徴を生かせる買主を想定する
  • リスクを隠さず、客観的な情報として伝える
  • 現況売却、解体、造成の手取り額を比較する

高低差のある土地は、平坦地より調査や説明に時間がかかります。

しかし、手間がかかることと、価値が低いことは別問題です。

土地を変えなくても、調査と販売方法を変えることで、本来の価値が市場へ伝わることがあります。


名古屋市天白区で高低差土地・擁壁土地を売却したい方へ

ふどうさんのMAGOは、名古屋市南区を拠点に、天白区をはじめとする名古屋市内の土地、空き家、相続不動産の売却をお手伝いしています。

私は机上の査定だけで判断せず、現地と周辺を歩き、土地が持つ課題と可能性の両方を確認することを大切にしています。

  • 高低差がある
  • 古い擁壁がある
  • 造成費が高いと言われた
  • 建物を解体すべきかわからない
  • 他社の査定価格に納得できない
  • 相続したまま空き家になっている
  • 旗竿地や狭小間口である
  • 再建築条件や道路関係が複雑である

このような土地でも、最初から売却を諦める必要はありません。

造成や解体を行う前に、現況のまま売却する方法を含め、費用と手取り額を比較することが重要です。

「造成しなければ売れないと言われた」

「擁壁があるので大幅に査定を下げられた」

「高低差のある土地の価値を正しく見てほしい」

そのような場合は、ふどうさんのMAGOへお気軽にご相談ください。

対応エリア

名古屋市南区・港区・緑区・天白区・瑞穂区・熱田区・昭和区・中川区・中村区・中区・千種区・名東区・守山区をはじめ、名古屋市全域および愛知県内に対応しています。

※本記事は個別の成約事例をもとに作成したもので、同様の条件の不動産が同じ価格で売却できることを保証するものではありません。擁壁の安全性、造成工事の必要性および建築の可否は、土地の状況や建築計画によって異なります。建築士、土地家屋調査士、行政窓口などの専門家による個別確認が必要です。

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