~『もう壊すしかない』と思われた実家に起きた意外な結末~
「解体の見積りをお願いしたいんです。」
最初のお問い合わせは、
不動産売却ではありませんでした。
相続した空き家を解体したい。
それが売主様の希望でした。
場所は名古屋市緑区有松。
江戸時代から続く町並みが残る地域です。
今回の建物は築90年超。
長年家族を見守ってきた古民家でした。
しかし、
相続後は誰も住む予定がありません。
雨漏りもある。
建物も傾いている。
管理も大変。
売主様は、
「もう壊すしかないと思っています」
そう話されました。
父が亡くなり空き家になった実家
売主様は名古屋市外にお住まいでした。
ご両親が亡くなり、
実家を相続。
当初は残すことも考えたそうです。
しかし現実は簡単ではありません。
定期的な管理。
草刈り。
雨漏り対応。
防犯対策。
固定資産税。
時間も費用もかかります。
誰も住まない家を維持することは、
想像以上に負担だったのです。
解体見積りは250万円
建物を解体するため、
複数社から見積りを取得しました。
結果は約250万円。
決して安い金額ではありません。
しかし売主様は、
「仕方ないですね」
と話していました。
なぜなら、
古い家に価値はないと思っていたからです。
有松という特別な地域
ここで少し地域の話をします。
有松は名古屋市内でも特殊なエリアです。
古い町並み。
伝統的な建築。
歴史文化。
有松絞り。
観光客も訪れる地域です。
そのため、
一般的な住宅地とは少し市場が異なります。
私たちが感じた違和感
現地を見た時、
私はある違和感を覚えました。
確かに古い。
雨漏りもある。
修繕も必要。
しかし、
建物には独特の雰囲気がありました。
梁。
建具。
庭。
昔ながらの間取り。
今では再現が難しい部分が数多く残っていました。
不動産業界の本音
古民家は評価が難しい不動産です。
住宅として見ると古い。
修繕費もかかる。
住宅ローンも組みにくい。
そのため、
解体を前提に考える会社も少なくありません。
しかし、
全ての買主が新築住宅を求めているわけではありません。
ここが重要なのです。
「壊す前に一度売りませんか」
私は売主様へ提案しました。
「解体はいつでもできます」
「一度だけ市場の反応を見てみませんか」
すると売主様は少し驚かれました。
「こんな家に興味を持つ人なんているんですか?」
その反応は自然でした。
築90年。
空き家。
修繕必要。
普通に考えれば、
解体を選ぶ方が多いからです。
しかし、
私たちは販売を開始することにしました。
すると予想外の反響が入り始めたのです。
県外からの問い合わせ。
古民家好きの方。
店舗利用希望者。
リノベーション検討者。
一般的な住宅売却とは明らかに違う層でした。
売主様も次第に驚き始めます。
「本当に見に来る人がいるんですね」
しかし、
ここからさらに意外な展開が待っていました。
【名古屋市緑区有松の古民家売却事例】
「解体する予定だった築90年の家に買主が現れた理由」
~壊されるはずだった古民家が次の世代へ引き継がれた日~
予想外だった購入希望者の存在
販売を開始して数週間。
私たちはある変化に気付きました。
問い合わせをいただく方が、
一般的な住宅購入希望者ではなかったのです。
県外在住の方。
古民家再生に興味がある方。
店舗兼住宅を探している方。
カフェ開業を検討している方。
リノベーションを前提に探している方。
通常の不動産売却とは全く異なる反響でした。
売主様も驚いていました。
「古いから価値がないと思っていました」
「こんな家を見たい人がいるんですね」
その反応が印象的でした。
有松だからこそ生まれる需要
実は有松には特殊な魅力があります。
古い町並み。
伝統文化。
有松絞り。
歴史ある街道沿いの景観。
現在でも多くの観光客が訪れます。
そのため、
一般住宅地とは違う価値観で不動産を探している人が存在します。
新築住宅ではなく、
古い建物そのもの
歴史
雰囲気
地域性
に魅力を感じる人たちです。
私が現地で感じていたこと
最初に建物を見た時、
私は確かに老朽化を感じました。
雨漏り跡。
床の傷み。
外壁の劣化。
修繕が必要な箇所もあります。
しかし、
それ以上に目を引いたものがありました。
太い梁。
古い建具。
中庭。
職人が作った細工。
長年住み継がれてきた痕跡。
それらは、
解体してしまえば二度と戻りません。
業界の本音
不動産業界では、
築年数が古い建物ほど評価が低くなります。
築30年。
築40年。
築50年。
一般的には建物価値はほぼゼロ評価です。
そのため、
「解体した方が売りやすい」
と言われることも少なくありません。
実際、
今回の建物もそう判断されても不思議ではありませんでした。
しかし、
古民家は少し事情が違います。
古さそのものが価値になることがあるのです。
現れた購入希望者
数組の案内を経て、
あるご夫婦が現れました。
名古屋市外に住む40代のご夫婦です。
建物を見るなり、
こんな言葉を口にされました。
「この梁、すごいですね」
「今はこういう家を作れないですよね」
「できれば残したいです」
売主様は少し驚いた表情でした。
今まで聞いたことのない反応だったからです。
買主が見ていたもの
一般の購入検討者は、
老朽化を見るかもしれません。
しかしそのご夫婦は違いました。
歴史を見ていました。
建物の個性を見ていました。
街並みとの調和を見ていました。
つまり、
欠点ではなく魅力を見ていたのです。
契約の日
契約当日。
売主様は静かに話されました。
「父が建てた家なんです」
「壊すしかないと思っていました」
「残してくれる人が見つかって本当に良かったです」
その言葉が非常に印象的でした。
不動産売却は、
単なる資産処分ではありません。
家族の歴史を引き継ぐ瞬間でもあります。
解体していたらどうなっていたか
もし最初の予定通り解体していたら、
解体費約250万円
更地化
建物の歴史は消滅
という結果になっていたでしょう。
もちろん、
それも一つの選択肢です。
しかし今回は違いました。
建物が残った。
次の所有者へ受け継がれた。
地域の景観も守られた。
売主様の気持ちも整理できた。
それが今回の結末でした。
相続空き家で増えている相談
最近は、
築50年以上
築70年以上
古民家
空き家
という相談が増えています。
その多くが、
「もう価値はないと思う」
という言葉から始まります。
しかし実際には、
価値がないのではなく、
価値を見つける相手に出会っていないだけの場合があります。
まとめ
今回の有松の事例でお伝えしたいことがあります。
古い家だから価値がない。
空き家だから解体するしかない。
そうとは限りません。
特に有松のような歴史ある地域では、
建物そのものに価値を感じる人がいます。
今回の築90年の古民家も、
最初は解体される予定でした。
しかし、
その家を残したいと考える買主が現れました。
結果として、
家は壊されることなく次の世代へ受け継がれました。
不動産売却とは、
単に土地を売ることではありません。
時には、
家族の歴史や地域の記憶を引き継ぐことでもあります。
そして今回の売却は、
まさにそんな事例だったのです。
ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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