不動産売却を考えた時、多くの方が利用を検討する「一括査定サイト」。
複数の不動産会社へ一度に査定依頼ができ、所有している不動産の価格相場を知ることができる便利なサービスです。
しかし、その一方で、
「査定しただけなのに電話が何度もかかってきた」
「まだ売却を決めていないのに訪問査定を強く勧められた」
「高額査定を提示され、断りづらくなった」
という声も少なくありません。
なぜ、不動産一括査定を利用すると営業連絡が増えるのでしょうか。
その理由は、不動産業界特有のビジネス構造にあります。
一括査定サイトは、利用者にとっては無料で利用できますが、実際には不動産会社側が広告費や反響獲得費用を負担しています。
つまり、不動産会社は「査定依頼」という情報を取得するために費用を支払っているのです。
そのため、不動産会社側から見ると、一括査定から届いたお問い合わせは単なる問い合わせではなく、売却につながる可能性がある大切な営業機会になります。
この記事では、不動産一括査定で営業電話が増える理由、不動産会社側の本音、そして売主が営業に振り回されず賢く利用する方法について、不動産売却専門会社の視点から詳しく解説します。
なぜ一括査定を利用すると不動産会社の営業が増えるのか?
理由① 一括査定サイトでは不動産会社側に費用が発生している
多くの方が知らない一括査定サイトの仕組みがあります。
それは、利用者が査定を申し込んだ時点で、不動産会社側には広告費や送客費用が発生しているということです。
利用者からすると、
「無料で査定してもらえる」
という感覚ですが、不動産会社側では、
・査定依頼情報の取得費用
・営業担当者の対応時間
・訪問査定にかかる人件費
・広告費
などのコストが発生しています。
一括査定サイトによって違いはありますが、1件の反響獲得に数千円から数万円程度の費用がかかるケースもあります。
そのため、不動産会社は取得した反響を無駄にしないよう、積極的に連絡を行います。
これは、不動産会社が単純に「しつこい営業をしたい」のではなく、ビジネス構造上、営業活動を行わざるを得ない側面があります。
理由② 媒介契約を獲得しなければ利益にならない
不動産会社の収益は、基本的に売買契約が成立した際に発生する仲介手数料です。
つまり、
査定依頼
↓
訪問査定
↓
媒介契約
↓
売却活動
↓
成約
という流れを進めなければ、会社として売上にはつながりません。
しかし、一括査定を利用する売主様の目的は様々です。
例えば、
「今すぐ売却したい」
という方もいれば、
「将来的なために価格だけ知りたい」
「相続した実家がいくらになるか知りたい」
「他社で査定を受ける前に相場を知りたい」
という方もいます。
不動産会社からすると、同じ査定依頼でも売却時期や温度感は大きく異なります。
そのため営業担当者は、
「売却の可能性があるお客様なのか」
を確認するため、連絡を重ねることになります。
理由③ 営業担当者には厳しい競争がある
一括査定市場では、1人の売主様に対して複数の不動産会社が同時にアプローチします。
地域によっては、
5社以上
場合によっては、
10社以上
の不動産会社が査定依頼を受け取ることもあります。
つまり売主様から見ると、
「複数の会社から電話が来る」
状態になりますが、不動産会社側から見ると、
「数多くの競合会社との競争」
になります。
そのため営業担当者は、
・少しでも早く連絡する
・訪問査定につなげる
・売却理由を確認する
・媒介契約の可能性を探る
という営業活動を行います。
理由④ 「高額査定」で選ばれたい会社が存在する
一括査定で注意したいポイントがあります。
それは、
「査定価格が一番高い会社=一番高く売れる会社」
ではないということです。
売主様の心理として、
「少しでも高く売れる会社にお願いしたい」
と思うのは当然です。
しかし、一部の会社では媒介契約を取得する目的で、実際の市場価格より高い査定額を提示するケースがあります。
例えば、
実際に売れる可能性が3,000万円程度の物件に対して、
「3,800万円で売れます」
と提案する。
そして媒介契約を取得した後、
「問い合わせがありませんので価格を下げましょう」
という流れになることがあります。
重要なのは査定額ではなく、
「その価格で売れる根拠があるか」
です。
2. しつこい営業電話が来た時の正しい対処方法
不動産一括査定を利用すると、複数の不動産会社から連絡が入ることがあります。
「思っていたより電話が多い」
「まだ売却を決めていないのに、何度も連絡が来る」
と感じる方も少なくありません。
しかし、営業電話が多いからといって、すべての不動産会社が悪いわけではありません。
大切なのは、売主様自身が主導権を持ち、必要な情報だけを受け取る環境を作ることです。
ここでは、しつこい営業電話への具体的な対処方法を解説します。
対処法① 最初の段階で「売却時期」と「希望する連絡方法」を明確にする
不動産会社からの連絡を減らすためには、査定依頼をする時点で希望を伝えることが重要です。
例えば、
「現在は売却を急いでいません。まずは相場確認が目的です」
「連絡は電話ではなくメールを希望します」
「仕事中の電話は対応できませんので、○時以降でお願いします」
など、事前に条件を伝えておくことで、不要な営業連絡を減らすことができます。
不動産会社側も、売主様の状況が分からない状態では、売却意欲を確認するため何度も連絡をする場合があります。
逆に、売主様の考えが明確であれば、適切な距離感で対応できる会社も多くあります。
対処法② 「査定だけ希望」とはっきり伝える
一括査定を利用する方の中には、
「今すぐ売却するつもりはない」
「所有不動産の価値だけ知りたい」
という方も多くいます。
この場合は、遠慮せずに伝えることが大切です。
例えば、
「今回は価格を知るための査定依頼です」
「売却時期はまだ未定です」
「営業活動ではなく、市場価格を把握したいです」
と伝えることで、不動産会社も対応方法を判断しやすくなります。
特におすすめなのが、
「単に現在の不動産価値を知りたかった」
という伝え方です。
この言葉は、不動産会社にとって、
「すぐに媒介契約を検討しているお客様ではない」
という判断材料になります。
もちろん、将来的に売却を考えている場合でも、まずは相場を知ることは大切な準備です。
対処法③ 興味がない会社には早めに断りを入れる
複数の不動産会社から査定を受ける場合、すべての会社と長時間話をする必要はありません。
例えば、
「今回は他社に相談することにしました」
「現在は売却活動を進めないことにしました」
と早めに伝えることで、その後の連絡を減らすことができます。
不動産会社側も、売主様の意思が明確になれば、営業活動を継続する理由がなくなります。
逆に、
「検討します」
「また連絡します」
という曖昧な返答は、営業担当者からすると、
「まだ可能性があるお客様」
として判断される場合があります。
対処法④ 査定価格だけで不動産会社を判断しない
営業が強い会社の中には、
「他社より高い査定額」
を提示して売主様の興味を引こうとするケースがあります。
しかし、不動産売却で重要なのは、
「一番高い査定額」
ではありません。
大切なのは、
・その価格の根拠が説明できるか
・周辺の成約事例を確認しているか
・売却戦略が明確か
という点です。
高い査定額を提示された時ほど、
「なぜ、その価格で売れるのですか?」
と質問することが重要です。
対処法⑤ 担当者を見ることを忘れない
一括査定では、会社名や査定価格だけで比較してしまいがちですが、不動産売却では担当者の対応力が非常に重要です。
確認すべきポイントは、
・質問に対して丁寧に回答してくれるか
・メリットだけではなくリスクも説明するか
・売主の事情を理解しようとしているか
・契約を急がせないか
です。
本当に信頼できる担当者は、
「早く契約してください」
ではなく、
「売主様にとって一番良い方法は何か」
を一緒に考えてくれます。
不動産一括査定は「営業されるサービス」ではなく「比較するサービス」
一括査定を利用すると営業連絡が増えることがあります。
しかし、本来の目的は不動産会社に振り回されることではありません。
複数の会社の、
・査定根拠
・売却方法
・担当者の考え方
を比較し、自分に合った会社を選ぶためのサービスです。
売主様が情報を持ち、主導権を握ることで、一括査定は非常に有効な売却準備になります。
3. 一括査定で営業電話を減らすための具体的なポイント
不動産一括査定を利用すると、多くの不動産会社から連絡が来ることがあります。
「相場だけ知りたかった」
「まだ売却するか決めていない」
「家族と相談してから考えたい」
このような状態でも、一括査定を申し込んだ瞬間から、不動産会社にとっては「売却を検討しているお客様」として認識されます。
しかし、少し工夫することで、不要な営業電話を減らしながら、一括査定を有効活用することは可能です。
① 備考欄に希望する連絡方法を明確に記載する
一括査定を申し込む際、多くの方が見落としてしまうのが「備考欄」です。
この欄は、不動産会社へ自分の希望を伝える重要な場所になります。
例えば、
「現在は売却を急いでおりません。査定価格のみ知りたいです」
「電話連絡ではなく、まずはメールでお願いします」
「査定書を確認してから改めて相談したいです」
など、現在の状況を正確に記載することで、過度な営業を抑えることができます。
不動産会社側も、お客様の温度感を把握できるため、必要以上の電話営業を控える判断材料になります。
② 一度に依頼する不動産会社の数を絞る
一括査定サイトでは、複数社へ同時に査定依頼を送ることができます。
しかし、依頼する会社数が多ければ多いほど、当然ながら連絡も増えます。
例えば、
5社へ査定依頼
↓
5社から電話・メール
10社へ査定依頼
↓
10社から電話・メール
という状況になる可能性があります。
相場を知りたい場合でも、最初から10社以上へ依頼する必要はありません。
一般的には、
・大手不動産会社
・地域密着型不動産会社
・売却専門会社
など、特徴の異なる会社を2~3社程度比較することで、十分に市場価格を把握できます。
重要なのは「数を増やすこと」ではなく、「比較する会社を選ぶこと」です。
③ 「査定目的」と「売却時期」を正直に伝える
不動産会社が最も困るのは、お客様の状況が分からないことです。
例えば、
「半年後くらいに売却を検討しています」
「親から相続した家なので、まず価格だけ確認したいです」
「現在住んでいますが、将来的な売却を考えています」
など、現在の状況を正直に伝えることで、営業担当者も適切な対応ができます。
逆に、
「売ります」
「すぐお願いします」
と伝えた後に、実際には売却予定が全くない場合、営業が強くなる原因にもなります。
不動産会社とのやり取りでは、無理に期待を持たせる必要はありません。
④ 「単に価格だけ知りたかった」と伝える方法
売却時期が未定で、営業を避けたい場合、不動産会社へ伝える言葉として、
「単に現在の価格だけ知りたかったです」
という表現があります。
不動産会社からすると、この言葉は「すぐ契約につながる案件ではない」と判断する材料になります。
ただし、言い方には注意が必要です。
例えば、
「営業されたくないので査定しました」
「電話は迷惑です」
と強い表現をすると、担当者との関係性が悪くなる可能性があります。
おすすめは、
「まだ売却時期は決まっていませんが、将来的な参考として価格を知りたく査定をお願いしました」
という伝え方です。
丁寧に状況を伝えることで、必要な情報だけ受け取ることができます。
⑤ AI査定・匿名査定を利用する
「まだ売却するか分からない」
「営業電話は避けたい」
という方には、AI査定や匿名査定を利用する方法もあります。
個人情報を入力せずに、おおよその価格を確認できるサービスもあります。
ただし、注意点があります。
AI査定は、
・建物状態
・近隣環境
・道路条件
・再建築可否
・相続問題
・権利関係
など、不動産特有の事情までは完全に判断できません。
特に、
・空き家
・築年数が古い住宅
・相続物件
・訳あり物件
・再建築不可物件
などは、実際の査定価格と大きく差が出ることがあります。
そのため、最終的には不動産会社による現地確認が重要になります。
⑥ 断る場合は早めに意思表示をする
査定後、売却を依頼する会社を決めた場合や、しばらく売却しない場合は、早めに伝えることも大切です。
例えば、
「今回は売却を見送ることにしました」
「他社へ相談することになりました」
「今後、売却時期が決まりましたら改めて相談します」
と明確に伝えることで、不動産会社側も対応を終了できます。
曖昧な返答を続けると、
「まだ可能性がある」
と判断され、連絡が続く場合があります。
一括査定は「営業されるサービス」ではなく「情報収集の道具」と考える
一括査定サービスは、便利な反面、仕組みを理解して利用することが重要です。
不動産会社はボランティアではありません。
一括査定サイトから送られる査定依頼には、広告費や紹介料などのコストが発生しているケースがあります。
そのため、不動産会社は査定依頼を「売却相談につながる可能性があるお客様」として対応します。
一方で、利用者側も、
「相場を知るため」
「売却時期を判断するため」
「信頼できる会社を探すため」
という目的を明確に持つことで、必要以上の営業に振り回されることはありません。
大切なのは、一括査定を怖がることではなく、仕組みを理解した上で上手に利用することです。
一括査定後、不動産会社を選ぶ時に見るべきポイント(査定価格より重要なこと)
不動産一括査定を利用すると、複数の不動産会社から査定価格が提示されます。
その中で、多くの売主様が最初に注目するのは、
「一番高い査定価格を出した会社」
ではないでしょうか。
しかし、不動産売却の現場では、査定価格が高い会社=高く売ってくれる会社とは限りません。
むしろ、売主様の期待を高めるために相場とかけ離れた高額査定を提示し、媒介契約を獲得しようとするケースもあります。
不動産売却で本当に重要なのは、
「いくらで査定されたか」
ではなく、
「なぜその価格なのか」
「どのような販売戦略で売るのか」
「最後まで責任を持って対応してくれるのか」
という部分です。
ここでは、一括査定後に不動産会社を選ぶ際、本当に見るべきポイントを解説します。
1. 査定価格の根拠を説明できる会社か
一括査定で最も注意すべきなのは、
「近隣では○○万円で売れています」
「この地域は人気なので高く売れます」
という根拠の薄い説明です。
本当に売却に強い会社は、査定価格を提示する際に、
・過去の成約事例
・現在販売中の競合物件
・地域特性
・購入者層
・物件のメリット、デメリット
などを具体的に説明します。
例えば同じ名古屋市内でも、
駅から徒歩10分の築浅マンション
と、
駅から遠い築古戸建て
では市場評価は大きく異なります。
単純に「近くで○○万円で売れている」というだけでは、本当の査定とは言えません。
大切なのは、
高い査定額ではなく、その価格で売れる可能性を説明できる会社を選ぶことです。
2. 「売れる価格」と「売りたい価格」を分けて説明できるか
不動産会社によっては、売主様の希望に合わせて高めの査定を提示することがあります。
例えば、
売却可能価格:3,000万円
市場チャレンジ価格:3,300万円
早期売却価格:2,800万円
というように、本来は価格帯ごとの戦略があります。
しかし悪い査定では、
「3,500万円でも売れます」
とだけ伝え、契約後に、
「問い合わせがありませんので値下げしましょう」
という流れになることがあります。
売却で重要なのは、
最初に高く出すことではなく、
適切なタイミングで適切な価格調整を行うことです。
3. 物件の弱点を正直に説明してくれるか
信頼できる不動産会社ほど、売主様にとって耳の痛い話も伝えます。
例えば、
・築年数による問題
・リフォーム費用
・土地形状の弱点
・再建築不可
・接道問題
・空き家特有の印象
・残置物問題
などです。
一方で、
「絶対売れます」
「問題ありません」
「高く売ります」
という良い話ばかりする会社には注意が必要です。
不動産売却では、物件の弱点を隠すことではなく、
弱点を理解したうえで、どのように売却戦略を組み立てるか
が重要になります。
4. 担当者の経験値を見る
一括査定では会社名だけで判断してしまいがちですが、実際の売却活動を担当するのは営業担当者です。
見るべきポイントは、
・質問に対して具体的に答えられるか
・過去の売却事例を話せるか
・地域の特徴を理解しているか
・メリットだけではなくリスクも説明できるか
です。
特に、
空き家
相続不動産
訳あり物件
再建築不可物件
共有名義
遠方所有者
などの案件は、経験値によって結果が大きく変わります。
査定書を作る能力と、実際に売却を成功させる能力は別物です。
5. 売却方法を複数提案できる会社か
良い不動産会社は、売却方法を一つに限定しません。
例えば、
① 仲介で市場売却する方法
② 不動産会社へ買取してもらう方法
③ 古家付き土地として売る方法
④ 解体して土地として売る方法
⑤ 相続手続きを整理してから売る方法
など、物件状況に合わせた選択肢を提示します。
特に空き家や訳あり物件の場合、
「とりあえず仲介で出しましょう」
だけでは問題解決にならないケースがあります。
売主様の目的は、
「売却活動をすること」
ではなく、
「最終的に納得できる条件で売却を完了すること」
だからです。
6. 査定後の対応スピードを見る
一括査定後の初期対応も重要な判断材料になります。
例えば、
・問い合わせ後すぐに連絡がある
・資料を確認してから回答する
・売主の事情を聞く
・一方的な営業をしない
会社は信頼性が高い傾向があります。
逆に、
「今すぐ訪問しましょう」
「専任媒介契約をお願いします」
「他社より高く売ります」
と契約を急がせる会社には注意が必要です。
まとめ
一括査定後、不動産会社を選ぶ際に最も重要なのは、
査定価格の高さではありません。
見るべきポイントは、
・査定価格の根拠を説明できるか
・メリットだけではなくリスクも伝えるか
・売却戦略を具体的に提案できるか
・担当者に経験値があるか
・複数の売却方法を比較できるか
です。
不動産売却は、人生の中でも大きなお金が動く重要な取引です。
「一番高い査定を出した会社」を選ぶのではなく、
「自分の不動産を本当に理解し、最後まで責任を持って売却してくれる会社」
を選ぶことが、結果的に満足できる売却につながります。
ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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