不動産売却専門エージェントが伝えたい「よくある失敗5選」と対策|名古屋の現場で見えた、知らないと損するポイント

「思っていたより安く売れてしまった」

「もっと良い売り方があったのではないか」

「売却は終わったのに、気持ちだけが残っている」

不動産売却では、こうした後悔が決して珍しくありません。

しかし、その多くは偶然起きるものではなく、売却前に知っていれば避けられる可能性があります。

こんにちは。趣味は街歩き。名古屋市の街を歩き続けて8年になる、空き家が大好きな宅建士、ふどうさんのMAGOの保木です。

私はこれまで、相続した実家、長期間使われていない空き家、築年数の古い住宅、再建築が難しい土地など、売却に工夫が必要な不動産を数多く見てきました。

そこで感じるのは、不動産売却の失敗は、単に「安く売ってしまった」という価格の問題だけではないということです。

  • 高い査定額を信じ、売却時期を逃した
  • 値下げを繰り返し、疲れて判断を急いだ
  • 販売状況が分からず、不安なまま契約した
  • 実家を雑に扱われたように感じた
  • 売れた後も「本当にこれでよかったのか」と悩んだ

この記事では、名古屋市・愛知県の売却相談でよく見られる5つの失敗と、その対策を実務の視点から解説します。

※掲載する事例は、実際の相談や売却実務をもとに、個人や物件を特定できないよう地域・金額・経緯などを調整したモデルケース

名古屋市エリアで″売却サポート”に専門特化した
不動産売却のみを取り扱う専門店です。
空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

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目次

街歩き8年で分かった「売れた=成功」ではないということ

街歩きを続けていると、同じ地域の中でも、短期間で次の買主が決まる家と、長く売りに出されたままの家が見えてきます。

その違いは、立地や建物の状態だけではありません。

誰に売るのか。どの価格から始めるのか。建物を残すのか。どこまで情報を公開するのか。買主へ何を伝えるのか。

売却前の小さな判断が、結果を大きく左右します。

また、契約が成立しても、売主様が不安や後悔を抱えたままなら、心から「良い売却だった」とは言い切れません。

不動産売却の成功とは、最高額を狙うことだけではなく、価格・期間・条件・責任・気持ちを整理し、納得して決断できることだと考えています。


失敗1|一番高い査定額を、そのまま信じてしまう

よくあるケース

複数の不動産会社へ査定を依頼したところ、次のような結果になりました。

  • A社:3,800万円
  • B社:3,300万円
  • C社:3,200万円

売主様がA社に魅力を感じるのは自然なことです。

「高く評価してくれた会社なら、高く売ってくれるだろう」と思うからです。

なぜ失敗につながるのか

査定額は、不動産会社が買い取る金額でも、成約を保証する金額でもありません。市場データや物件条件をもとに算出する予測です。

ところが、なかには売却依頼を受けることを優先し、根拠が弱いまま高い金額を提示するケースもあります。

そのまま販売を始めると、問い合わせが入らず、数か月後に値下げを提案されることになります。

起こりやすい結果

  • 販売期間が長くなる
  • 固定資産税や管理費の負担が続く
  • 値下げを繰り返す
  • 売主様が疲れ、最後は条件を妥協する
  • 当初の現実的な査定額より低く成約することがある

対策

査定額ではなく、次の根拠を確認してください。

  • 比較した成約事例はどの物件か
  • 売出中の競合物件はいくらか
  • どのような買主を想定しているか
  • 3か月以内の成約を目指す場合はいくらか
  • 売れなかった場合、いつ何を見直すのか

高い査定が悪いのではありません。高く売れる理由と、そのための販売計画が説明できるかが重要です。


失敗2|「まずは高く出す」で大切な初動を逃す

よくあるケース

「売主様の希望価格から始めましょう」

「反響がなければ後で下げれば大丈夫です」

一見、売主様に寄り添った提案に聞こえます。しかし、最初から値下げを前提にした価格設定には注意が必要です。

なぜ失敗につながるのか

販売開始直後の物件は、新着情報として購入希望者や他の不動産会社から注目されやすい傾向があります。

この時点で周辺相場から大きく離れていると、内覧する前に比較対象から外されることがあります。

その後に値下げしても、長期間掲載されていることで、購入希望者から「何か問題があるのでは」と慎重に見られる場合があります。

対策

価格は、単なる希望額ではなく、次の3段階に分けて考えると整理しやすくなります。

価格の考え方意味
チャレンジ価格時間に余裕があり、市場反応を確認しながら狙う価格
適正な売出価格成約事例・競合・物件条件から反響を期待できる価格
早期売却価格期限を優先し、短期間の成約を目指す価格

チャレンジ価格で始める場合も、「何週間反響がなければ見直すか」「価格以外に改善できる点は何か」を最初に決めておくことが大切です。


失敗3|情報公開が不十分なまま販売される

よくあるケース

  • 他社経由の内覧がほとんどない
  • 問い合わせ件数を教えてもらえない
  • 広告がどこに掲載されているか分からない
  • 「紹介できない」と他社へ回答されている

専任媒介・専属専任媒介では、一定の要件に従ってレインズへ登録する義務があります。ただし、登録されているだけで十分とは限りません。

「囲い込み」で何が起きるのか

不動産会社が売主と買主の双方を仲介すること自体は違法ではありません。

問題になるのは、自社で買主を見つけることを優先し、他社からの正当な紹介を断るなど、購入機会を不当に狭めることです。

買主候補の母数が減れば、内覧や価格競争が起きにくくなり、売主様に不利益が生じる可能性があります。

対策

媒介契約前後に、次の点を確認しましょう。

  • レインズへいつ登録するか
  • 登録証明書を交付してもらえるか
  • 他社からの紹介を受け付けるか
  • ポータルサイトや自社サイトへ掲載するか
  • 広告転載をどのように扱うか
  • 問い合わせ数・内覧数・反応を報告するか

大切なのは、できるだけ多く掲載することではなく、適切な情報を必要な買主へ開いて届けることです。


失敗4|売る時期を決めず、先延ばしを続ける

よくあるケース

  • 相続したが、気持ちの整理がつかない
  • 荷物が多く、片付けてから考えようと思う
  • もう少し待てば価格が上がる気がする
  • 家族の話し合いを後回しにする

売却を急ぐ必要がない場合もあります。しかし、何も決めずに空き家を維持することと、検討したうえで保有することは違います。

先延ばしによって増える負担

  • 建物の老朽化や雨漏り
  • 庭木・雑草・害虫への対応
  • 固定資産税、保険、管理費
  • 相続人や共有者の増加
  • 近隣からの連絡や苦情
  • 判断能力の低下など、所有者側の事情変化

対策

「今すぐ売るか」だけでなく、次の選択肢を比較してください。

  • 現況のまま売却する
  • 荷物を残して売却する
  • 一定期間だけ管理し、その後に判断する
  • 賃貸や活用の可能性を調べる
  • 仲介と買取の両方を比較する

期限を決めるだけでも、放置から検討へ変わります。


失敗5|知名度や担当者の印象だけで会社を選ぶ

よくあるケース

  • 大手だから安心だと思った
  • 担当者の感じが良かった
  • 返事が早かった
  • 高く評価してくれた

どれも会社選びの大切な要素です。しかし、それだけでは売却力を判断できません。

なぜ失敗につながるのか

不動産会社には、それぞれ得意分野があります。

  • 居住用マンションに強い
  • 新築住宅の販売に強い
  • 投資家向け物件に強い
  • 相続空き家や築古住宅に強い
  • 再建築不可や共有不動産の調整に慣れている

相談物件と会社の得意分野が合っていなければ、担当者が誠実でも、販売戦略を作れないことがあります。

対策

担当者の人柄と、会社の仕組みの両方を確認してください。

  • 類似物件の売却経験があるか
  • 想定する買主を具体的に説明できるか
  • 販売開始後の報告頻度は明確か
  • 価格以外の改善案を持っているか
  • 問題点や売れない可能性も説明するか
  • 契約条件と売主の責任を整理できるか

「話しやすい人」であることは大切です。そのうえで、「売却の根拠と手順を説明できる人」かを見極めましょう。


私自身の失敗|物件の魅力を信じるだけでは売れなかった

不動産売却を専門にしていると、「失敗したことがないのでは」と思われるかもしれません。

しかし、私にも反省している販売があります。

以前、立地や土地の特徴に魅力があり、「この価値を理解する買主がいるはずだ」と強く考えた物件がありました。

物件を見る目は間違っていなかったと思います。ただ、その魅力を評価する買主がどこにいるのか、どの価格帯なら動くのかという検証が足りませんでした。

結果として、販売開始直後の反応は弱く、売主様に価格の見直しをお願いすることになりました。

その時に痛感したのは、物件を信じることと、市場へ正しく届けることは別だということです。

それ以来、私は査定時に「この物件は良い」という感覚だけでなく、次の点を必ず確認するようにしています。

  • 誰が買うのか
  • その人はいくらまで出せるのか
  • 比較される物件は何か
  • 買わない理由は何か
  • 反応がなかった場合の次の手は何か

失敗を知っているからこそ、耳障りの良い査定だけで終わらせず、売れなかった場合まで含めた計画をお伝えしたいと考えています。


名古屋市・愛知県で見た「後悔につながった売却」8例

事例1|名古屋市中川区中野本町・3か月売れなかった戸建て

大手不動産会社で販売していましたが、反響が少なく、提案は値下げが中心でした。

写真、物件説明、想定する買主、内覧時の見せ方を整理し直したところ、切り替え後約4週間で申込みにつながりました。

問題は価格だけではなく、物件の魅力を届ける相手と方法がずれていたことでした。

事例2|愛知県岡崎市・解体を勧められた空き家

築年数が古く、「更地にしなければ売れない」と説明されていました。

しかし、建物を利用したい購入層も検討できる状態だったため、現況のまま販売。解体費を負担せずに売却できました。

先に工事をするのではなく、建物付き・更地・買取の手取りを比較することが重要です。

事例3|名古屋市天白区・最高額査定から大幅値下げ

複数社の中で最も高い査定を提示した会社へ依頼しました。

ところが内覧も問い合わせも少なく、数か月後から値下げが続きました。

売主様が最も後悔していたのは、成約価格よりも「最初から現実的な説明をしてほしかった」という点でした。

事例4|愛知県一宮市泉・管理疲れから売却を急いだ空き家

遠方から草刈りや近隣対応を続け、売主様は疲れていました。

「早く終わらせたい」という気持ちで最初の提案を受け入れましたが、後から周辺事例を知り、ほかの方法も比較したかったと感じられました。

早期売却が必要なときほど、仲介、買取、現況売却の条件と手取りを短時間でも比較することが大切です。

事例5|名古屋市中川区山王町・報告がなく不安が残った住み替え

売却自体は成立しましたが、販売中の連絡が少なく、問い合わせ状況も分かりませんでした。

売主様には「売れた安心」より、「何が起きているか分からなかった不安」が残りました。

定期報告は形式だけでなく、市場の反応と次の提案が含まれているかが重要です。

事例6|名古屋市昭和区・急いで整理した相続実家

管理負担を減らすため、最初に相談した会社の提案で売却しました。

後から「価格が正しかったか」以上に、「親の家について十分に考える時間を持てなかった」という思いが残りました。

相続実家では、売却準備と気持ちの整理を同じ速度で進める必要はありません。

事例7|名古屋市中川区・商品として扱われたように感じた築古戸建て

写真撮影、内覧、価格交渉が事務的に進み、売主様は「思い出の家が、ただの商品になったようだった」と話されました。

市場では商品として評価される一方、売主様にとっては家族の歴史です。両方の視点を持つことが、納得できる売却につながります。

事例8|名古屋市内・価格ではなく説明不足で後悔した築古空き家

買主からの値下げ要望を受け入れて成約しましたが、なぜその条件を受けるべきか、ほかに選択肢があるかの説明が十分ではありませんでした。

売主様が後悔したのは値下げそのものではなく、自分で判断した感覚を持てなかったことでした。


不動産売却で一番つらいのは「安く売れたこと」だけではない

不動産売却では、金額が分かりやすい評価基準になります。

しかし、実際に売主様から長く残る後悔として聞くのは、次のような言葉です。

「もっと家族と話せばよかった」

「分からないまま進めてしまった」

「実家をもう少し丁寧に送り出したかった」

「相談できる担当者を選べばよかった」

特に相続した実家には、子どもの成長、親との記憶、家族の日常があります。

そのため、価格だけを合理的に比較しても、気持ちが追いつかないことがあります。

売却を急がない方がよい場面もあります。一方で、何も決めずに放置すれば、建物や権利関係が悪化することもあります。

大切なのは、感情を切り離すことではなく、感情も売却条件の一つとして整理することです。


依頼先を決める前の5項目チェック

次の質問に具体的に答えられる会社かを確認してみてください。

1.査定額の根拠は明確か

成約事例、競合物件、個別条件を示して説明しているか。

2.買主像が見えているか

「誰かが買う」ではなく、一般の住宅購入者、投資家、建築会社、隣地所有者など、対象が具体的か。

3.販売開始後の計画があるか

広告方法、写真、内覧対応、価格検証の時期が決まっているか。

4.悪い情報も説明しているか

売れない可能性、費用、契約上の責任、値下げの条件まで説明しているか。

5.売主が判断できる報告をするか

反響件数を伝えるだけでなく、その反応を踏まえた改善案があるか。


まとめ|失敗を防ぐのは、高い査定ではなく「判断できる情報」

不動産売却でよくある5つの失敗は、次のとおりです。

  1. 高い査定額をそのまま信じる
  2. 値下げ前提の価格で大切な初動を逃す
  3. 情報公開が不十分なまま販売される
  4. 売却時期を決めず先延ばしにする
  5. 知名度や印象だけで会社を選ぶ

これらに共通するのは、売主様が判断するための情報が不足したまま、売却が進んでしまうことです。

良い売却とは、必ずしも一番高い価格で売れた取引だけではありません。

  • なぜこの価格なのか
  • なぜこの売り方なのか
  • どの条件なら受け入れるのか
  • どのような責任が残るのか
  • 売却後に家族が納得できるか

これらを理解し、自分で選んだと思えることが、後悔を減らします。

私たちは不動産売却専門エージェントとして、単に物件を市場へ出すのではなく、売れる理由と失敗を避ける根拠を整理したうえで、売主様と一緒に出口を考えます。


名古屋市・愛知県で不動産売却をご検討の方へ

ふどうさんのMAGOでは、名古屋市・愛知県を中心に、相続空き家、築古住宅、再建築が難しい物件、旗竿地、共有不動産などの売却相談を承っています。

売却すると決めていない段階でも構いません。

  • 今売ると、どの程度の価格が見込めるか
  • 建物を解体する必要があるか
  • 仲介と買取のどちらが合うか
  • 空き家のまま保有するリスクは何か
  • どのような買主へ届けるべきか

まずは、現在の状況と選択肢を整理することから始めましょう。

私たちが大切にしているのは、「売ること」だけではありません。

損をしないこと。そして、売主様が納得して次へ進めること。

それが、不動産売却専門エージェントとして目指す売却です。

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