はじめに|「事故物件だから売れないですよね?」
「事故物件だから、正直売れないと思っていました。」
名古屋市南区にお住まいの相談者様が、最初におっしゃった言葉です。
お父様が亡くなられた後、実家は空き家になりました。
室内での孤独死。
発見までに時間がかかったこともあり、相談者様は大きな不安を抱えていました。
- 不動産会社に相談しても安くなるのではないか
- 事故物件を買う人なんているのか
- 告知義務でトラブルにならないか
- 解体した方がいいのか
様々な悩みがあったそうです。
実際、事故物件という言葉には強いマイナスイメージがあります。
テレビやインターネットでは、
「半額になる」
「買い手がいない」
「価値がなくなる」
といった情報も見かけます。
しかし現場で数多くの事故物件を見てきた立場から言うと、それは必ずしも正しくありません。
事故物件は確かに難しい不動産です。
しかし、
事故物件=売れない
ではないのです。
事故物件とは何か?
一般的に事故物件とは、心理的瑕疵がある不動産を指します。
心理的瑕疵とは、
「住むことに心理的抵抗を感じる可能性がある事情」
です。
代表例として、
- 自殺
- 他殺
- 火災による死亡事故
- 孤独死
などがあります。
ただし、ここで重要なのは、
すべての死亡事例が事故物件になるわけではない
ということです。
高齢者が病気で亡くなったケースや、病院で亡くなったケースなどは、一般的に心理的瑕疵として扱われないこともあります。
一方で、
孤独死で発見まで時間がかかったケース
特殊清掃が必要になったケース
などは買主の判断に影響する可能性があります。
名古屋市南区で事故物件相談が増えている理由
近年、名古屋市南区では相続空き家の相談が増えています。
その背景には、
高齢化
単身高齢者の増加
空き家の増加
があります。
南区は昔から住宅地として発展してきた地域です。
そのため、
築40年
築50年
築60年
という住宅も少なくありません。
ご両親が亡くなり、
子ども世代は県外に住んでいる。
その結果、
空き家になる。
こうした流れが増えています。
そして空き家の中には、孤独死や病死が発生した住宅もあります。
実際の相談内容
今回の物件は、
名古屋市南区の住宅地にある木造住宅でした。
築年数は約50年。
土地面積は約40坪。
最寄駅から徒歩圏内。
接道条件も問題ありませんでした。
しかし、
お父様が室内で亡くなり、
発見までに時間がかかっていたのです。
相談者様は既に数社へ査定依頼をしていました。
返ってきた回答は、
「事故物件なので難しいですね」
「価格はかなり下がります」
「買取なら対応できます」
というものでした。
査定額は400万円~500万円程度。
相談者様は、
「そんなものなのかな」
と思い始めていました。
現地確認で見えたこと
しかし私たちは現地を見て違和感を覚えました。
確かに事故歴はあります。
しかし、
土地条件は悪くない。
立地も悪くない。
接道も問題ない。
つまり、
事故物件であること以外に大きな欠点が見当たらなかったのです。
ここで重要なのは、
事故物件だから査定するのではなく、
事故物件を含めて査定する
という考え方です。
ところが現実には、
事故物件という言葉だけで大幅に評価を下げるケースがあります。
業界の本音|なぜ事故物件は安く査定されるのか
ここからは少し辛口です。
事故物件は手間がかかります。
調査も必要です。
告知義務もあります。
買主から質問も増えます。
つまり、
普通の不動産より難しいのです。
そのため、
「早く買い取って終わらせたい」
と考える会社もあります。
もちろん全ての会社がそうではありません。
しかし、
事故物件だから安くて当然
という前提で査定されているケースがあるのも事実です。
私たちが考えた販売戦略
今回は一般住宅市場だけを見ませんでした。
投資家市場も検討しました。
なぜなら、
投資家は感情より数字を見るからです。
例えば、
- 家賃はいくら取れるか
- 利回りはどうか
- 土地価値はどうか
を重視します。
事故歴があっても、
立地が良ければ購入対象になるのです。
実際に販売活動を開始すると、複数の問い合わせが入りました。
最終的な売却価格
最終的な成約価格は約860万円。
当初査定の約2倍でした。
もちろん事故歴がなければ、さらに高い価格だったかもしれません。
しかし、
「売れない」
と言われていた不動産が、
実際には複数の購入希望者を集めたのです。
事故物件でやってはいけない5つのこと
① 一社だけで判断する
事故物件は会社によって査定差が大きくなります。
② 告知義務を軽く考える
後々のトラブルにつながります。
③ 解体を急ぐ
建物付きの方が売りやすいケースもあります。
④ 買取価格だけで決める
仲介の方が高く売れるケースもあります。
⑤ 放置する
時間が経つほど建物は傷みます。
空き家マイスターとして思うこと
事故物件の相談を受けていると、
相談者様が抱えているのは価格の問題だけではありません。
「親が亡くなった家を売る罪悪感」
「事故物件になってしまった申し訳なさ」
そうした感情を抱えている方が少なくありません。
しかし現実には、
放置しても問題は解決しません。
固定資産税はかかります。
建物は老朽化します。
近隣へ迷惑がかかることもあります。
だからこそ、
早めに現状を把握することが大切なのです。
まとめ|事故物件だから売れないとは限らない
名古屋市南区の事故物件売却事例をご紹介しました。
事故物件は確かに一般物件より難しい不動産です。
しかし、
難しいことと売れないことは違います。
実際の売却価格は、
販売戦略
相談先
市場の見方
によって大きく変わります。
もし現在、
相続した実家で孤独死があった。
事故物件と言われた。
査定額に納得できない。
そんな状況であれば、一社だけの意見で判断しないでください。
事故物件だから価値がないのではありません。
正しく評価されていないだけかもしれません。
そして、その差が数百万円になることも、現場では決して珍しい話ではないのです。
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