こんにちは。
趣味は街歩き。名古屋市の街を歩き続けて8年になる、空き家が大好きな宅建士、ふどうさんのMAGOの保木です。
「市街化調整区域なので、売れません」
相続した土地について、不動産会社からこのように言われたという相談を受けることがあります。
反対に、
「昔から家が建っているので、普通に建て替えられます」
と説明され、安心していた所有者様もいます。
しかし、この二つの言葉は、どちらも調査前に断定できるものではありません。
市街化調整区域でも、所有権を売買すること自体はできます。
問題は、買主が取得後に希望する使い方を実現できるかです。
住宅を建てられるのか。
既存建物を建て替えられるのか。
店舗や事業所へ用途変更できるのか。
資材置場や駐車場として利用できるのか。
農地を転用できるのか。
この答えによって、買主の範囲、融資、価格、契約条件が大きく変わります。
🟨 市街化調整区域の売却で最初に調べるべきなのは「いくらで売れるか」ではありません。「誰が、何に使える土地なのか」です。
この記事では、名古屋市の公表資料と、私が売却相談の現場で経験してきたことを分けながら、市街化調整区域が売りにくい理由、売却できる土地の特徴、行政調査、契約条件、出口戦略について解説します。
市街化調整区域とは?「売買禁止区域」ではない
都市計画区域では、計画的な市街化を図るため、市街化区域と市街化調整区域に区分されることがあります。この区分を一般に「線引き」と呼びます。
市街化区域
すでに市街地を形成している区域、またはおおむね10年以内に優先的・計画的に市街化を図る区域です。
建築や開発が無条件で自由という意味ではありません。用途地域、建ぺい率、容積率、接道、防火、地区計画などの制限を受けます。
市街化調整区域
市街化を抑制すべき区域です。
名古屋市は、市街化調整区域について、開発行為や建築行為が原則的に禁止され、建て替えや用途変更も自由には行えないと案内しています。
ただし、都市計画法上の許可が不要な行為や、法令・条例・開発審査会基準などの要件を満たして許可を受けられる行為もあります。
したがって、
市街化調整区域だから何もできない
でも、
現在建物があるから、誰でも同じ建物を建て直せる
でもありません。
🟥 売れるかどうかを「区域名」だけで判断するのではなく、土地、建物、許可履歴、買主、予定用途を一組として確認する必要があります。
名古屋市の市街化調整区域はどのくらいあるのか
名古屋市では、昭和45年11月24日に当初の区域区分が指定されました。
名古屋市の公表資料によると、平成31年3月31日時点の市街化調整区域は約2,390ヘクタールで、市域のおよそ7%です。
市全体から見れば限定的ですが、中川区、港区、守山区などの一部にまとまりがあります。
なお、町名だけで区域を断定することはできません。同じ町内でも区域が分かれる場合や、その後の都市計画変更が考えられるため、名古屋市都市計画情報提供サービスなどで個別の土地を確認する必要があります。
また、中川区富田地区、港区南陽地区、守山区東谷地区の一部には農業振興地域があります。市街化調整区域であることに加え、農地法、農業振興地域制度、地区計画、災害関係法令など、別の制限が重なることがあります。
最初に訂正したい3つの誤解
誤解1|市街化調整区域の土地は売買できない
土地の売買自体が一律に禁止されているわけではありません。
ただし、農地を農地のまま売る場合や、農地を宅地・駐車場・資材置場などへ転用する場合は、農地法上の許可などが必要になることがあります。
買主が取得できても希望用途を実現できなければ、契約後に重大なトラブルになります。
誤解2|線引き前の建物・既存宅地なら誰でも再建築できる
名古屋市の線引き日は昭和45年11月24日です。この日以前の所有、建築、土地利用の履歴が判断材料になる制度はあります。
しかし、線引き前という事実だけで、一般の第三者が自由に住宅を再建築できるわけではありません。
名古屋市の現行基準には、線引き前から所有している土地における自己用住宅に関する基準がありますが、既存集落内であること、申請者と所有者の関係、申請者が他に住宅建築に適した土地などを持っていないこと、敷地面積などの要件があります。
また、かつての「既存宅地確認制度」という言葉だけが資料や所有者の記憶に残っている場合もあります。過去の確認や許可が、現在の買主による建築をそのまま保証するとは限りません。
確認すべきなのは、昔の呼び名ではなく、現在の計画が現行法令・基準のどこに該当するかです。
誤解3|建物を建てなければ資材置場や駐車場へ自由に転用できる
建築物を設けない利用でも、土地の造成、盛土・切土、農地転用、出入口の設置、排水、騒音、土砂の搬入、屋外広告物などの確認が必要になることがあります。
農地であれば、駐車場や資材置場にすることも農地転用です。「建物がないから許可不要」とは限りません。
市街化調整区域の売却が難しくなる5つの理由
理由1|買主によって建築の結論が変わることがある
市街化区域の一般宅地では、土地に定められた用途地域や建築条件が、主な確認事項になります。
市街化調整区域では、それに加え、誰が、何のために、どの建物を建てるのかが許可判断に関係する場合があります。
売主が現在居住している住宅を利用できていても、買主が購入後に同じ条件で建て替えられるとは限りません。
「今住める」と「将来再建築できる」は別の問題です。
理由2|許可履歴と建物資料が不足しやすい
古い建物では、次の資料が見つからないことがあります。
- 開発許可・建築許可関係書類
- 建築確認済証・検査済証
- 建物図面
- 線引き前からの土地・建物利用を示す資料
- 増築や用途変更に関する資料
- 農地転用許可関係書類
資料がないから直ちに違法とは限りません。しかし、適法性や建て替えの可能性を説明しにくくなり、買主や金融機関が慎重になります。
理由3|住宅ローンの判断に時間がかかる
市街化調整区域だから一律に住宅ローンが利用できないわけではありません。
金融機関は、建物の適法性、再建築の見込み、担保評価、接道、許可条件、残存耐用年数などを確認します。書類や行政確認が不足すると、追加資料を求められたり、希望額に届かなかったりする場合があります。
そのため、販売開始後に初めて融資の問題を調べると、契約直前で話が止まりやすくなります。
理由4|農地・道路・インフラなどの問題が重なる
市街化調整区域の土地では、都市計画法だけを見ても判断できません。
- 地目・現況が農地ではないか
- 農用地区域に含まれていないか
- 建築基準法上の道路に接しているか
- 私道持分、通行・掘削の権利があるか
- 上下水道、ガスの引込みは可能か
- 浸水、土砂災害などの区域に該当しないか
- 盛土や擁壁に関する手続きが必要か
複数の問題が重なると、買主が負担する時間と費用が増えます。
理由5|比較できる成約事例が少ない
市街化調整区域は、同じ地域内でも利用可能性が異なります。
住宅を建て替えられる土地。
既存建物の利用に限られる土地。
農地として売る土地。
事業用地として検討できる土地。
これらを同じ坪単価で比較することはできません。
🟨 市街化区域の価格から一律に30%、50%を引く査定には根拠が足りません。価値を決めるのは区域名ではなく、実現可能な用途と、その用途を求める需要です。
私の失敗談|「線引き前の家だから大丈夫」と考えてしまった土地
ここで、複数の相談経験をもとに再構成した失敗談をご紹介します。
名古屋市内の市街化調整区域に、古い住宅が建つ土地がありました。
売主様は、親から相続した家を長く管理していました。
庭の草を刈り、台風の後には屋根を確認し、近隣へ迷惑をかけないよう気を配っていました。
しかし、誰も住む予定はありません。
固定資産税と管理費だけが続き、売却を決断されました。
建物は線引き前から存在していた可能性があり、周囲にも住宅が建っていました。
私は当初、
「昔から住宅が建つ集落なので、住宅用地として検討できる可能性が高いでしょう」
と考えました。
購入希望者も現れました。若いご夫婦で、古家を解体し、新しい住宅を建てる計画でした。
価格条件もまとまり、売主様は家財の整理を始めました。
ところが、買主側の建築会社が行政へ確認すると、追加資料と具体的な申請者要件の確認が必要になりました。
線引き前の所有関係。
買主と旧所有者との関係。
買主がほかに土地や住宅を所有していないか。
既存建物の許可・建築履歴。
予定建物の規模と用途。
私が「線引き前」という一つの事実へ期待していたのに対し、行政が確認するのは、現在の買主と具体的な計画を含む複数の条件でした。
買主様は、建築できる時期と融資の見通しを立てられず、購入を見送りました。
売主様から言われた言葉を、今でも覚えています。
「建物が古いから売れないのではなく、建てられるか分からないから売れないのですね」
その通りでした。
私の失敗は、調整区域の土地を扱ったことではありません。
買主の計画を確認する前に、土地だけを見て可能性を説明してしまったことです。
販売を「住宅用地」から始めないことにした
その後、調査をやり直しました。
まず、確認できた資料と、確認できない資料を分けました。
次に、既存建物を利用する場合、建て替える場合、住宅以外に使う場合を、それぞれ別の計画として整理しました。
そして広告でも、
「住宅建築可能」
と先に結論を書くことをやめました。
代わりに、
- 市街化調整区域であること
- 現在の建物と利用状況
- 確認できた許可・建築資料
- 再建築・用途変更には買主の計画に基づく事前相談が必要なこと
- 契約前に建築会社・金融機関と確認する期間を設けること
を最初から説明しました。
次に現れた買主は、住宅を新築したい方ではありませんでした。
既存建物を利用しながら、自己の計画に合う範囲で改修を検討する方でした。
大胆な買主だったわけではありません。
むしろ、建築会社、金融機関、行政への確認を契約前に行い、利用できる範囲と未確認事項を整理した慎重な買主でした。
土地の制限が消えたわけではありません。
売主様が大幅な造成工事をしたわけでもありません。
変わったのは、買主と説明の順番です。
| 最初の販売見直し後の販売 | |
| 線引き前という事実を中心に説明 | 現行基準と買主の計画を中心に確認 |
| 住宅用地として広く募集 | 実現できる用途ごとに買主を想定 |
| 契約後に行政相談 | 購入検討の初期に行政・建築確認 |
| 価格を先に調整 | 許可、融資、費用を整理して価格提示 |
| 「建てられるか」で考える | 「誰が何をするなら可能か」で考える |
🟥 市街化調整区域で危険なのは、売れないと決めつけることだけではありません。売るために、確認前の可能性を確定事項のように伝えることです。
🟩 売却できる土地とは、制限がない土地ではありません。買主が制限を理解し、契約前に自分の計画を判断できる土地です。
※本文の事例は、相談者様および物件を特定できないよう、複数の相談経験をもとに所在地、面積、用途、会話、経緯などの一部を調整しています。
市街化調整区域でも売れやすい物件の7つの特徴
1.許可・建築関係資料が整理されている
許可書、確認済証、検査済証、図面、過去の用途などが整理されていると、買主、建築会社、金融機関が検討しやすくなります。
資料がない場合は、存在するように見せず「確認できない」と明示したうえで、行政などで調べられる範囲を確認します。
2.既存建物の利用価値がある
建て替えに不確実性があっても、適法に建築された既存建物を利用できる余地があれば、購入対象が広がる場合があります。
ただし、大規模な増改築や用途変更には別途確認が必要です。古い建物を残せば何でもできる、という意味ではありません。
3.接道とインフラが明確
道路種別、接道長さ、上下水道、浄化槽、ガス、電気の状況と追加費用が見える土地は、買主が資金計画を立てやすくなります。
4.農地・農振の状況が整理されている
地目だけでなく現況も確認します。農地転用の可能性や農用地区域からの除外については、売却を始める前に農業委員会などへ相談すべき場合があります。
5.幹線道路や既存集落との関係がよい
交通、生活施設、周辺の土地利用は需要へ影響します。ただし、利便性が高いだけで建築許可が得られるわけではありません。
6.買主の用途が具体的
住宅、日用品店舗、農業用施設、既存建物利用、駐車場など、用途が具体的であるほど、必要な確認先と費用が明確になります。
7.契約に確認期間と解除条件がある
行政相談、建築計画、農地転用、融資などの結果が契約前に確定しない場合、停止条件や解除条件、申請主体、費用負担、期限を契約で整理します。
売却前に行う「7段階調査」
第1段階|区域と土地の基本情報
- 市街化調整区域の範囲
- 地区計画、都市計画施設
- 地目、地積、所有者
- 農業振興地域・農用地区域
- 災害リスク
第2段階|道路と境界
- 建築基準法上の道路種別
- 接道長さ、道路幅員
- 私道持分、通行・掘削
- 境界、越境
- 車両の進入
第3段階|建物の履歴
- 建築年月日
- 開発許可・建築許可
- 確認済証・検査済証
- 用途と利用者
- 増築、用途変更、未登記部分
第4段階|線引き前からの履歴
- 昭和45年11月24日以前の登記記録
- 閉鎖登記簿
- 古い航空写真、課税資料
- 土地・建物の利用状況
- 相続・生前贈与を含む所有の経緯
これらは重要な資料ですが、一つの資料だけで許可を保証するものではありません。
第5段階|買主の具体的計画
- 誰が取得するのか
- 自己用か事業用か
- 新築、建て替え、用途変更のどれか
- 建物の用途、規模、配置
- 他に所有する土地・住宅との関係
第6段階|行政・専門家への相談
相談時には、住所だけで「何ができますか」と聞くのではなく、位置図、公図、登記事項証明書、現況写真、既存建物資料、予定用途や計画図を準備します。
行政の事前相談は売買価格を判断したり、将来の許可を無条件で保証したりする場ではありません。提出された事実と計画が、どの基準・手続きに当たり得るかを確認する場です。
第7段階|融資・費用・契約条件
- 金融機関の事前審査
- 測量、造成、インフラ費用
- 許可申請、設計費用
- 農地転用などの期間
- 許可不成立時の解除
- 原状回復、残置物、契約不適合責任
土地活用は「できそう」ではなく収支と許可で比べる
1.既存住宅として売る
既存建物を利用したい買主へ売却する方法です。
建物の適法性、修繕費、用途変更の有無、将来の建て替え可能性を説明します。将来再建築できることが確認できない場合は、そのリスクを価格と契約へ反映します。
2.住宅の建て替えを前提に売る
許可基準へ該当する可能性を、買主の属性と建築計画に基づいて確認します。
売主側の一般的な事前相談だけで確定できないことがあるため、買主の建築会社などを早期に参加させます。
3.事業用建物を検討する
日用品店舗、農業関係施設、沿道サービスなど、法令・基準上検討できる用途があります。
単に「事業用地」と広告するのではなく、予定事業がどの許可基準に該当し、安定的に運営できるかを確認します。
4.資材置場として利用する
建築物を設けない資材置場は、条件によっては選択肢になります。
しかし、農地転用、造成、盛土、排水、接道、車両動線、騒音、粉じん、不法投棄と誤解されない管理方法などの確認が必要です。コンテナや事務所を設置すれば、建築物等として別の検討が必要になることがあります。
5.月極駐車場・車両置場にする
周辺に需要があり、道路から安全に出入りできることが前提です。
舗装、砕石、排水、照明、事故、近隣への排気・騒音、農地転用などの費用を差し引いて収支を見ます。
6.農地として売る・貸す
農地は住宅用地より価値が低いと決めつけるのではなく、地域の農業者や農地バンクを含め、農地としての需要を調べます。
農地の権利移転・賃借には農地法上の手続きがあります。
7.太陽光発電用地を検討する
日照だけでなく、系統接続、設備費、売電・自家消費計画、造成、排水、近隣環境、廃棄・撤去費用まで確認します。
「管理が楽で長期収入になる」と一律に評価できる活用方法ではありません。
売主利益を守る5つの出口戦略
出口1|一般市場で時間をかけて売る
法令・建築・農地・融資の資料を整理し、その条件に合う買主を探します。成約価格を高められる可能性がある一方、調査と販売期間が必要です。
出口2|既存建物を残して売る
建て替えの結論が不明確な段階で解体すると、建物利用という選択肢を失うことがあります。
安全上の問題がないかを確認しながら、古家付きで市場反応を見る方法があります。
出口3|隣地所有者・周辺事業者へ提案する
単独では利用しにくい土地でも、隣地と一体利用することで価値が変わる場合があります。
隣地だけに期待すると価格交渉で不利になるため、一般市場や買取価格と比較できる状態で提案します。
出口4|専門業者へ買い取ってもらう
許可、造成、農地、建物、再販売のリスクを業者が引き受ける分、仲介による想定成約価格より低くなるのが一般的です。
価格だけでなく、測量、残置物、解体、契約不適合責任、引渡時期を誰が負担するかを確認します。
出口5|許可・権利関係を整理してから売る
境界、接道、相続、農地、過去の許可資料などを整理することで、買主の検討範囲が広がる場合があります。
ただし、売主が先に造成や許可申請を行っても、買主の用途に合わなければ費用を回収できないことがあります。
査定価格ではなく「最終手取り」と成約条件を比べる
市街化調整区域では、高い査定価格を提示することは難しくありません。問題は、その価格で、どの買主へ、どの用途として、いつまでに売るのかです。
| 比較項目一般仲介既存建物利用隣地提案不動産買取整理後売却 | |||||
| 想定売却価格 | |||||
| 測量・境界費用 | |||||
| 許可・設計費用 | |||||
| 解体・造成費用 | |||||
| 農地関係費用 | |||||
| 仲介手数料等 | |||||
| 売却までの期間 | |||||
| 不成立リスク | |||||
| 売主の責任範囲 | |||||
| 最終手取り見込み |
🟩 売主利益の最大化とは、最も高い坪単価を採用することではありません。費用、期間、責任、許可不成立の可能性を差し引いた後に、最も納得できる出口を選ぶことです。
売買契約で曖昧にしてはいけない事項
市街化調整区域では、口頭で「多分建てられる」と説明することが最も危険です。
契約書・重要事項説明書では、少なくとも次の点を整理します。
- 市街化調整区域であること
- 開発・建築・用途変更が原則制限されること
- 過去の許可・確認資料の有無
- 売主が把握する現在の利用状況
- 買主の予定用途
- 行政相談・許可申請を誰が行うか
- 申請・設計・測量等の費用負担
- 許可や融資が得られない場合の扱い
- 解除できる期限と通知方法
- 手付金など受領済金員の返還
- 建物・造成・インフラの契約不適合責任
- 農地転用、地目変更などの条件
停止条件と解除条件は同じではない
許可が得られたときに契約の効力を生じさせる停止条件と、契約後に一定の結果が得られなければ解除できる条件では、法的な構造が異なります。
物件と取引計画に応じて、宅建業者だけでなく、必要に応じて行政書士、弁護士、司法書士、建築士などへ確認します。
市街化調整区域の売却で避けたい8つの失敗
1.市街化区域の坪単価から一律割合を引く
利用可能性が違う土地を、区域名だけで価格調整してはいけません。
2.線引き前なら再建築できると広告する
所有履歴だけでなく、申請者と計画を含む要件確認が必要です。
3.古家を先に解体する
再建築を確認する前の解体は、利用可能な建物を失う結果になり得ます。
4.行政へ電話だけで確認する
住所と抽象的な質問だけでは、具体的判断に必要な情報が足りません。資料と計画を用意します。
5.過去の許可を現在の買主へ引き継げると思い込む
許可の内容、用途、申請者、承継の可否を個別に確認します。
6.資材置場なら自由と考える
農地転用、造成、盛土、排水、近隣環境などの確認が必要です。
7.買主を見つけてから融資・許可を調べる
契約直前の辞退を防ぐため、建築会社と金融機関を早期に参加させます。
8.行政判断の不確実性を担当者の違いだけで説明する
相談時期や担当者以上に、提出した資料、予定用途、申請者、計画の具体性が違えば回答も変わります。確認内容を記録し、条件をそろえて相談することが重要です。
よくある質問
市街化調整区域でも土地を売れますか?
売買自体は可能です。ただし、買主の利用目的によって許可や農地法上の手続きが必要になり、利用できる範囲が価格と需要に影響します。
現在家が建っていれば、建て替えもできますか?
現在建物があることだけでは断定できません。建築・開発許可の履歴、建物用途、建築時期、予定する建物、買主の要件などを確認します。
昭和45年11月24日以前からの土地なら住宅を建てられますか?
名古屋市の線引き前からの所有が関係する許可基準はありますが、それだけで建築できるわけではありません。申請者、親族関係、既存集落、他の土地・住宅の所有、敷地面積、災害区域など複数の要件があります。
市街化調整区域では住宅ローンを利用できませんか?
一律に利用できないわけではありません。金融機関が、適法性、再建築、担保評価、接道、建物状態などを個別に審査します。契約前の相談が重要です。
農地を資材置場や駐車場として売れますか?
農地を資材置場や駐車場へ変えることは農地転用に当たり、許可などが必要になる場合があります。農業振興地域や農用地区域の状況も確認してください。
市街化調整区域の価格は市街化区域より何割下がりますか?
一律の割合はありません。建築・利用可能性、許可履歴、接道、農地、インフラ、買主需要によって大きく変わります。
行政へ相談すれば建築できると保証してもらえますか?
事前相談は、具体的な計画がどの基準・手続きに該当し得るかを確認するものです。正式な申請前に、無条件の許可保証を得るものではありません。
まとめ|市街化調整区域は「売れない土地」ではなく条件を解く土地
名古屋市の市街化調整区域は、市域の一部に存在します。
開発、建築、建て替え、用途変更が原則制限されるため、市街化区域の土地と同じ方法では売れないことがあります。
しかし、売却できないと最初から決まっているわけではありません。
大切なのは、次の順番です。
区域を確認する。
道路、境界、農地、インフラを調べる。
建物と許可の履歴を探す。
線引き前の事実を確認する。
買主の属性と予定用途を具体化する。
行政、建築会社、金融機関へ早期に相談する。
許可不成立の可能性を契約条件へ反映する。
そして、その条件で土地を必要とする買主へ届ける。
🟥 市街化調整区域を、市街化区域と同じ宅地であるかのように売ることはできません。
🟩 しかし、制限と未確認事項を整理し、その土地で成立する用途を求める人へ届ければ、売却できる可能性はあります。
私は街を歩いていて、調整区域の畑や古い住宅を見ると、土地の広さだけを見ないようにしています。
誰が使ってきた土地なのか。
どのような許可で建物が存在しているのか。
道路や水路はどうなっているのか。
隣地と一緒なら価値が変わらないか。
農地として必要とする人はいないか。
既存建物を使える人はいないか。
市街化調整区域の土地は、答えがない土地ではありません。
答えを出すために、確認する順番が多い土地です。
不動産会社の仕事は、「調整区域だから安い」と結論を急ぐことでも、根拠なく「建てられます」と期待させることでもありません。
分かることと、分からないことを分ける。
確認する相手と費用を整理する。
買主になり得る人を用途ごとに考える。
売却価格、最終手取り、時間、責任、成約可能性を比較する。
そのうえで、売主様が納得して出口を選べる状態にすることだと考えています。
名古屋市の市街化調整区域にある土地・空き家を相続した方へ
ふどうさんのMAGOは、名古屋市南区を拠点に、空き家、相続不動産、市街化調整区域、再建築が難しい土地、農地、旗竿地、私道・境界に問題がある不動産などの売却をお手伝いしています。
次のような段階でも構いません。
- 市街化調整区域だから売れないと言われた
- 昔から家があるが、建て替えられるか分からない
- 既存宅地という古い資料があるが、現在の扱いが分からない
- 開発許可・建築確認の書類が残っていない
- 地目が農地で、転用できるか分からない
- 資材置場や駐車場として売れるか知りたい
- 住宅ローンが通らず契約が流れた
- 古家を解体してよいか迷っている
- 買取価格が低く、受け入れるべきか判断できない
- 他社から値下げ以外の提案を受けていない
机上査定だけで「調整区域だから何割減」と判断するのではなく、現地と資料を確認します。
都市計画。
道路と境界。
農地・農振。
過去の許可と建物。
上下水道などのインフラ。
周辺の土地利用。
想定できる買主と用途。
そのうえで、一般仲介、既存建物利用、隣地提案、農地利用、事業用地、不動産買取、権利・許可関係の整理後売却などを比較します。
「売れない土地」と決める前に、まだ調べられていない条件がないか、一緒に確認してみませんか。
対応エリア
名古屋市南区・港区・中川区・守山区・緑区・瑞穂区・熱田区・昭和区・天白区・千種区・名東区・中村区・中区をはじめ、名古屋市全域および愛知県内に対応しています。
※市街化調整区域における開発・建築・建て替え・用途変更の可否は、土地の位置、許可履歴、道路、農地、既存建物、申請者、予定用途・規模、災害区域その他の個別条件によって異なります。不動産会社の説明だけで断定せず、具体的な計画に基づき名古屋市、建築士、行政書士、土地家屋調査士、金融機関その他の関係機関へご確認ください。
※本記事は令和8年9月時点の公表情報と実務経験をもとに作成しています。法令、条例、審査基準、行政窓口の取り扱いは改正される場合があります。
※本文の事例は、相談者様および物件を特定できないよう、複数の相談経験をもとに所在地、面積、用途、会話、経緯などの一部を調整しています


