不動産の売却を検討している方の多くが利用する一括査定サイト。手軽に複数社から査定額を取得できる便利なサービスですが、「思ったより高い査定額が出た!」という例が後が絶ちません。
実は、一括査定サイトで提示される査定額には、知っておくべき「からくり」が隠されているのです。
そもそも、一括サイトとは・・・売却希望者がアイミツで無料で利用できるようにし、不動産会社には有料とするBtoCのマッチングサイトモデルです。
一括査定を依頼すると、机上査定が適正相場の25%~30%上乗せという例が多々存在します。不動産会社によっては、査定依頼情報に対して、「一律50%上乗せ」と号令をかけているビジネスモデルを設けている会社も珍しくありません。
机上査定で高額な数字が並ぶ背景には、不動産業者の営業戦略や競争原理が大きく影響しており、契約欲しさに意図的に査定額を吊り上げるのは消費者と不動産会社が成り立つためには必然な現象ではないでしょうか?
ほとんどの売主が利用する不動産一括査定サイト。その便利さの裏側には、意外と知られていない課金制度が存在していて、これらの一括査定サイトの「かりくり」を理解することが価値的な一歩を踏み出すこと可能になるかもしれません。
意外と知られていない一括査定サイトのビジネスモデル
不動産一括査定サイトは、売主が物件に関する情報を入力することから始まります。この情報は、その後、提携している複数の不動産会社に一斉に送信される仕組みとなっています。
ここで、問題になるのが、「売却する気がないのに、ただ、売ったらいくらになるか知りたい」だけの情報は一括査定サイト会社は儲かる(課金システム)なのに対して、登録している不動産会社は損失を伴う」ということです。
これが現場では意外と多いんです。
体感では 査定情報を課金されたとして、不動産会社が実際に訪問査定までにたどり着けるのは15%ほどではないでしょうか?(査定サイトに異なります。)
無料で利用できるワケ
一括査定サイトが「無料」とされている理由は、収益の源が売主からではなく、不動産会社からの紹介料であるからです。この紹介料は、1件あたり数千円からエリアによっては2万円を超えることも珍しくなく、不動産会社が支払う情報購入のコストに当たります。
このようなビジネスモデルを理解することは、利用者にとって非常に重要なことです。売主は直接的な費用負担はありませんが、実際にはその背後で様々な当事者利益の浮き沈みが生じています。
また、
「査定額=実際に売れる価格」ではないという現実を理解せずに売却活動を進めてしまうと、期待と現実のギャップに悩まされることになりかねません。
一括査定サイトの査定額が高めに出ることで、媒介契約を結び、結果的に売れ残ってしまうことetc・・回避するための出口戦略を解説できたと思います。
1. 一括査定サイトの机上査定額が高めになる理由とは?
不動産の一括査定サイトにおいて、机上査定は迅速に不動産の価値を算出する方法として利用されますが、査定額が通常よりも高めに出ることが多いんです。この現象にはさまざまな理由が隠されています。
短期間での査定の必要性
机上査定は、物件の基本情報や過去の取引データ、地域の地価をもとにした「推定価格」であり、迅速に計算されるため、物件に対する不動産会社の競争が影響しています。そのため、わずかの時間で算出できる査定額を高めに設定することで、顧客の関心を引こうとする傾向が見られます。
競争原理による影響
不動産市場は多くの業者であふれており、人気エリアでは競争率15倍も珍しくはありません。
また一括査定サイトを通じて顧客情報を受ける業者は、他社との違いを示すために高めの査定額を提示することが一般的です。実際の市場価値以上の査定額を提示することで顧客の注意を引き、その契約を得るための戦略となっています。
また、一度、お断りをしても「追客」システムが残っていることを理解しよう!
※一括査定サイトの追客システムに関しては別途記述します。
顧客心理の利用
消費者は、提示された査定額が高い場合、それに魅力を感じやすいものです。したがって、多くの不動産業者は、顧客の期待を高めるために通常より高めの査定を行うことがよくあります。この手法は特に不動産を初めて売却しようとする人々に対して効果的であり、実際に「高い査定が出たからこの業者に決めた」というケースも多く見受けられます。
筆者はこれが
とても残念に感じます。
2. 査定額を吊り上げて契約を取ろうとする業者の手口
不動産売却を考える際、査定額は非常に重要な指標ですが、一部の業者はその査定額を意図的に吊り上げて契約を誘導する手口を用いています。ここでは、そうした業者の手口とその背景について詳しく見ていきましょう。
高すぎる査定額の背景
査定額が市場の平均よりも顕著に高い場合、その理由は様々ですが、特に注意が必要です。業者が高額な査定を提示する理由には、主に以下のようなものがあります:
- 契約を優先する営業戦略: 業者は競争が激しいため、契約を取るために高額な査定を提示することがあります。実際の市場価値を無視して、被査定者に幻想を持たせる狙いがあります。
- 情報の不足や誇張: 一部の業者は、過去の成功事例や特定の物件のメリットを誇張することによって、高い査定額を正当化しようとします。具体的な根拠がない場合もありますが、それを的確に指摘するのは難しいのが現実です。
業者が用いる具体的な手法
不動産業は一括査定サイトからの集客後、訪問査定獲得率の最大化をさせる方法を日々進化させいます。
以下は、査定額を吊り上げるために業者が活用する代表的な手法です。
- 過去の販売価格の見せ方を工夫する: 過去の売却実績を示して、「この地域ではこの価格で売れています」とアピールすることがあります。実際には、その物件とあなたの物件には大きな違いがあるかもしれませんが、見た目の印象だけで引き寄せようとする戦略です。
- 比較対象の選定: 査定の際に、まったく条件の異なる物件を比較対象として選ぶことがあります。これにより、高い査定額が「普通」に見えてしまう巧妙な手法です。
- 心理的要素を利用する: 不動産売却を急ぐ心理を、業者が利用する場合もあります。「この査定額で売れるのは今だけです」といった煽り文句を使って、早急に契約を迫ることがありますが、
- ㊙
業者による「心理学」を用いた媒介契約への誘導方法は一般的になってきました。
業者選びの注意点
高額な査定額を提示する業者と契約するリスクを減少させるためには、以下のポイントを確認することが重要です。
- 査定根拠の明示: 提示された査定額がどのような根拠に基づいているのかを最低限きちんと説明できるか確認しましょう。
- 複数の会社からの査定を受ける: 複数の不動産会社から査定を行い、それらを比較することで、異常な高額査定を見抜く助けになります。(かろじて回避できます。)
- 過去の売却事例を確認する: 近隣の物件がどの程度で売却されているかを確認することで、提示された査定の信頼性を評価できます。
高い査定額は魅力的に見えるかもしれませんが、それが必ずしも信頼できるものとは限りません。契約を急ぐ前に、冷静な判断が必要です。
3. 「査定額=売却額」ではない!知っておくべき現実
不動産の売却にあたって、多くの人が誤解しがちなポイントは、査定額が実際の売却価格と必ずしも一致しないということです。多くの場合、「査定額=売れる価格」と考え、注意を怠りがちです。
査定額とは何か?
査定額は、不動産会社が「この物件が3ヵ月以内に売れると予測した価格」を指します。しかし、この数字は現実の取引価格とは差が生じることが一般的です。具体的な要因としては、以下のような要素が挙げられます。
- 市場の動向: 不動産市場は常に動いており、経済的な状況や地域の開発によって価格変動が見られます。
- 物件の状態: 年数やリフォームの有無、さらには周辺環境も査定額に影響を及ぼします。
- 競合物件の存在: 同じエリア内で直接競合となる物件の状況も、査定額に影響します。
売却額はどのように決まるのか?
実際の売却価格は、買主との交渉を経て決定されます。その際、主に以下の要素が考慮されます。
- 市場価値: これは現在の需給状況によって変わる実際の取引価格です。
- 広告戦略: 物件の宣伝方法や市場のターゲットを絞ることで、売却までのスピードや価格に影響を与える可能性があります。
- 交渉力: 売主自身の交渉技術も重要です。査定額に縛られずに、現実の市場情勢を踏まえて柔軟な対応をすることが求められます。
高い査定額のリスク
査定額が高く設定されると、その金額を信じて売却を進めたくなるものです。しかし、過大な査定額に基づいて売出価格を定めると、買主が見つかりにくくなるリスクが伴います。
結果として、価格を下げざるを得ないことにもなり得、その過程で売却の満足感が損なわれる恐れがあります。最終的には期待していた以上に低い価格での取引になってしまうことも。
知っておくべきポイント
- 成約価格の重要性: 定期的に実際に売却された成約価格を確認することで、査定額との違いを把握できることが重要です。成約価格は売出価格よりも低くなることが多く、実際的な価格設定が必要です。
- 根拠を確認する: 不動産会社からの査定額が提示された際は、その根拠をしっかりチェックすることが大切です。理由が不明確な場合や信頼性が感じられない場合には、他の不動産会社にも査定を依頼して比較することをお勧めします。
査定額と実際の売却額との違いをよく理解し、市場の実情や交渉の流れを考慮することで、より良い売却結果に結びつけることができるでしょう。
4. 高額査定に騙されないために確認すべきポイント
不動産の査定を依頼する際、高額査定が提示されると魅力的に映りますが、その裏にはリスクが潜んでいることが多いです。したがって、査定額の妥当性を見極めるために、しっかりとした確認作業が必要です。ここでは、高額査定に騙されないために確認すべきポイントを紹介します。
重要なポイント
- 査定額の根拠を確認する – 高額査定を提示してきた不動産会社には、その理由を尋ねましょう。なぜその金額に至ったのか、具体的な根拠を提供してもらうことが重要です。根拠が不明瞭であったり、説得力に欠ける場合は、再考する必要があります。
- 周辺エリアの相場を調べる – 自分の不動産と同じ地域、同じ条件での取引事例を調べてみましょう。これにより、業者が提示した査定額が市場の相場に合致しているかどうかを確認できます。特に、SUUMOや他の不動産情報サイトを活用して、実際に売買が行われた価格を見ることが効果的です。
- 契約前に条件をしっかり確認する – 高額査定を得たからといって即決するのではなく、その査定がどのように契約条件に影響を及ぼすのかを理解することが必要です。不適切な契約を結んでしまうと、後からトラブルになる可能性があります。
- 担当者の人間性を見極めましょう。 それと、あなたの相性が合うかどうかも。。
確認を怠らないために
高額査定に惑わされないためには、冷静に状況を把握し、慎重に判断することが不可欠です。特に、査定額が高く感じた場合こそ、一歩引いて検証する習慣をつけると良いでしょう。このような確認作業を通じて、適正な価格での売却へとつなげることができます。
まとめ
不動産の売却を検討する際、一括査定サイトが便利ですが、高額査定に惑わされないよう注意が必要です。査定額が市場相場と大きく乖離している場合には、業者の意図的な操作の可能性がありますので、根拠の確認や複数社比較、評判チェックなどを行い、慎重に判断することが重要です。
一括査定サイトは、基本的に不動産会社に対して、有料で顧客データを提供します。この課金制度の存在が、不動産会社に「契約を獲得するためには、どんな手段を使っても高額の査定を提示しなければならない」というプレッシャーを与えるのです。
- 消費者心理の利用: 不動産を売却しようとする際、消費者は「高く売りたい」という気持ちが強く、査定価格が高ければ高いほど信頼性を感じる傾向にあります。
- 競争の激化: 複数の不動産会社が競合する中で、他社よりも高い価格で売れると主張することで、競争から市場での自社の立ち位置を守ること。
このような環境下で、あなたの味方になる不動産会社を見付つことはとても、至難な時代になってきました。
ふどうさんのMAGOは名古屋市エリアを中心に不動産売却、空き家問題を専門とする不動産会社です。、専門家のアドバイスと革新的なアイディアで、お客様の悩みを解決いたします。まずはお気軽にご相談ください。
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