こんにちは。
趣味は街歩き。名古屋市の街を歩き続けて8年になる、街歩き空き家マイスター、ふどうさんのMAGOの保木です。
海外転勤が決まったとき、多くの方が直面するのが、
「日本に残す持ち家をどうするか」
という問題です。
選択肢は、大きく分けて次の3つです。
- 賃貸に出して家賃収入を得る
- 海外へ出発する前後に売却する
- 帰国まで空き家として維持する
どの方法にもメリットがあります。
しかし、住宅ローン、赴任期間、帰国後の居住予定、税金、建物管理などを確認せずに決めると、海外へ出てから思わぬ問題が発生します。
私自身、過去に海外赴任中の持ち家を賃貸で運用し、遠隔地から不動産を管理する難しさを経験しました。
国内にいれば短い電話や現地確認で済むことでも、海外では時差や距離が大きな負担になります。
その経験から感じるのは、
「家賃が取れるから賃貸」
「いずれ帰るから空き家」
「管理が面倒だから売却」
という一つの理由だけで決めてはいけないということです。
この記事では、海外転勤時の持ち家について、売却・賃貸・空き家のメリットとデメリットを、実務と失敗経験を踏まえて解説します。
結論|持ち家の選択は「赴任期間」だけでは決められない
一般的には、短期赴任なら空き家、中期なら賃貸、長期なら売却と説明されることがあります。
しかし、実際には赴任期間だけで最適解を決めることはできません。
判断前に、少なくとも次の項目を確認する必要があります。
- 海外赴任の予定期間
- 帰国時期が確定しているか
- 帰国後に同じ家へ戻る可能性
- 住宅ローン残高
- 毎月の返済額
- 金融機関が賃貸を認めるか
- 想定家賃と賃貸需要
- 空室や修繕に耐えられる資金
- 売却した場合の手取り額
- マイホーム売却時の税制特例
- 海外居住中の確定申告
- 家族が持ち家を残したいか
最も大切なのは、「どの方法が一番もうかるか」だけではありません。
海外での生活に集中でき、帰国後も後悔しにくい方法を選ぶことです。
海外転勤時の3つの選択肢を比較
| 選択肢 | 向いている可能性があるケース | 主なメリット | 主なリスク |
|---|---|---|---|
| 賃貸 | 帰国後に再居住したい、一定の賃貸需要がある | 家賃収入、建物を保有できる | 空室、修繕、入居者対応、税務、明渡し |
| 売却 | 赴任が長期・未定、住宅ローンや管理負担をなくしたい | 現金化、維持管理から解放 | 再取得が難しい、売却費用、税金 |
| 空き家 | 短期赴任、頻繁に帰国する、家財を残したい | いつでも使用できる、賃貸トラブルがない | 維持費、劣化、防犯、保険、管理負担 |
この表だけで結論を出すのではなく、実際の収支と契約条件を確認する必要があります。
1.海外転勤中に持ち家を賃貸へ出す
賃貸のメリット
家賃収入を得られる
賃貸の最も分かりやすいメリットは、海外赴任中にも家賃収入を得られることです。
住宅ローンが残っていれば、家賃を返済資金の一部に充てられます。
ただし、
家賃収入=利益
ではありません。
家賃から、管理手数料、固定資産税、修繕費、保険料、入退去費用、所得税などを差し引いて考える必要があります。
帰国後の住まいを残せる
売却せずに保有しておけば、帰国後に再び自宅として利用できる可能性があります。
学区、周辺環境、家への思い入れなどを考え、同じ場所へ戻りたい方には大きなメリットです。
将来の売却時期を選べる
海外赴任中は賃貸として運用し、帰国後や不動産市場の状況を見て売却する方法もあります。
ただし、将来の価格上昇は保証されません。
建物は年数とともに古くなり、売却時に入居者がいる場合は、自己居住用ではなく賃貸中のオーナーチェンジ物件として評価される可能性があります。
賃貸のデメリット
海外からの管理は想像以上に手間がかかる
私自身の経験から、最も伝えたいのがこの点です。
賃貸中には、次のような連絡が突然入ることがあります。
- 給湯器が故障した
- エアコンが動かない
- 水漏れが発生した
- 近隣から苦情があった
- 家賃の入金が確認できない
- 契約更新や退去の相談がある
- 台風後に建物を確認してほしい
国内にいれば現地へ向かえる場合でも、海外では自分で対応できません。
時差がある中で管理会社と連絡を取り、見積りを確認し、修理を判断する必要があります。
賃貸を選ぶなら、入居者募集だけでなく、設備故障、滞納、退去、原状回復まで一括して任せられる管理会社を選ぶことが重要です。
空室でも費用は止まらない
借主が決まらない間も、住宅ローン、固定資産税、管理費、修繕積立金などの支払いは続きます。
退去後に次の入居者がすぐ見つかるとも限りません。
収支計算では、年間12か月すべて満室と仮定するのではなく、空室期間や募集費用を見込んでおく必要があります。
原状回復費用が発生する
借主の故意・過失による損傷は借主負担となる場合がありますが、通常使用による損耗や経年変化は、原則として貸主側の負担になります。
長期間貸した後に自宅へ戻る場合、壁紙、床、設備などの修繕が必要になる可能性があります。
「貸している間に住宅ローンが減る」という面だけでなく、帰国時の修繕費も考えておきましょう。
希望した時期に必ず戻れるとは限らない
普通借家契約では、貸主の都合だけで契約更新を拒絶することは容易ではありません。
「3年後に帰国するので、その時点で必ず退去してもらう」という計画なら、定期建物賃貸借契約を検討する方法があります。
定期建物賃貸借は、契約で定めた期間の満了により、更新されずに契約が終了する制度です。ただし、書面による契約や契約前の説明など、所定の手続きが必要です。
また、契約期間が1年以上の場合、貸主は原則として、期間満了の1年前から6か月前までの間に終了通知を行う必要があります。
帰国時期が明確な場合は、普通借家契約と定期借家契約の違いを理解して契約方法を選びましょう。
定期借家は家賃や募集条件に影響することがある
定期借家は、借主が住める期間を限定する契約です。
普通借家と比べて検討する入居者が少なくなったり、周辺相場より家賃を調整する必要が生じたりする場合があります。
「帰国時に戻りやすい」という貸主側のメリットだけでなく、募集への影響も考える必要があります。
住宅ローン返済中の家を勝手に貸してはいけない
住宅ローンは、原則として契約者本人や家族が居住することを前提とした融資です。
海外転勤というやむを得ない事情がある場合でも、賃貸に出せるかどうかは金融機関やローン契約によって異なります。
賃貸募集を始める前に、必ず返済中の金融機関へ相談してください。
確認したいのは次の点です。
- 海外転勤中の賃貸が認められるか
- 住所変更や留守管理の届出が必要か
- 金利や返済条件が変わらないか
- 必要な提出書類
- 家族の一部が居住を続ける場合の取扱い
- 住宅ローン控除への影響
住宅金融支援機構も、住所変更時は返済中の金融機関へ届け出ること、家族全員が融資住宅に住まなくなる場合は住宅ローン控除の対象外となることなどを案内しています。
金融機関へ伝えないまま貸し出すと、契約上の問題になる可能性があります。
海外転勤中の家賃収入には税務手続きがある
1年以上の予定で海外勤務をする場合、一般的には日本の所得税法上の非居住者と推定されます。
非居住者となった後も、日本国内の不動産から得た所得は、国内源泉所得として日本で確定申告が必要になる場合があります。
確定申告が必要な場合には、納税管理人を選任し、税務署へ届出を行います。
また、借主が法人である場合など、契約条件によっては賃料支払い時に源泉徴収が行われることがあります。
海外赴任前に、税理士または税務署へ次の点を確認しておくと安心です。
- 非居住者となる時期
- 納税管理人の選任
- 不動産所得の確定申告
- 必要経費として計上できる支出
- 減価償却費
- 賃料の源泉徴収
- 帰国した年の申告方法
2.海外転勤を機に持ち家を売却する
売却のメリット
住宅ローンと管理負担を整理できる
売却代金で住宅ローンを完済できれば、毎月の返済負担をなくせます。
固定資産税、管理費、修繕積立金、空き家管理費なども、引渡し後は原則として不要になります。
海外での生活へ集中したい方にとって、国内不動産の管理がなくなることは大きなメリットです。
売却代金を新生活や将来資金に使える
持ち家を現金化することで、海外での生活費、教育費、帰国後の住居費などへ充てられます。
ただし、売却価格がそのまま手元に残るわけではありません。
住宅ローン残高、仲介手数料、登記費用、税金などを差し引き、最終的な手取り額を確認する必要があります。
帰国後の住居選択を自由にできる
赴任が長期化すると、帰国後の勤務地や子どもの進学先が変わることがあります。
先に持ち家を売却しておけば、帰国時の状況に合わせて住む場所を選びやすくなります。
売却のデメリット
同じ条件の家を再取得できるとは限らない
帰国後に同じ地域へ戻りたいと思っても、同じ広さ、価格、学区、駅距離の家が見つかるとは限りません。
土地価格や建築費、住宅ローン金利が変われば、以前と同じ条件の住宅を取得する費用が高くなる可能性もあります。
家への思い入れや帰国後の生活を含めて検討する必要があります。
売却時には諸費用が発生する
一般的には、次のような費用を確認します。
- 仲介手数料
- 売買契約書の印紙税
- 抵当権抹消登記費用
- 住宅ローンの繰上返済手数料
- 測量・境界確認費用
- 建物解体費
- 引っ越し・残置物撤去費
- 譲渡所得に対する税金
「いくらで売れるか」だけではなく、「いくら手元に残るか」で比較しましょう。
売却代金と売却益は異なる
例えば、4,000万円で売却できたからといって、4,000万円すべてが利益になるわけではありません。
譲渡所得は、概ね次の式で計算します。
譲渡価額-取得費-譲渡費用=譲渡所得
さらに、建物の取得費は所有期間中の減価償却費相当額を差し引いて計算します。
購入価格より安く売れたから税金がかからない、と単純に判断できない場合があります。
3,000万円特別控除の期限に注意する
マイホームを売却して譲渡所得が生じた場合、一定の要件を満たせば、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる可能性があります。
海外転勤後、以前住んでいた自宅を売る場合は、
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日まで
という期限が重要です。
例えば、2026年5月に自宅から転居した場合、原則として2029年12月31日までの売却が期限の目安になります。
「貸し出して3年を超えたら、その日から直ちに適用できない」という意味ではありません。起算点は貸し出した日ではなく、原則として住まなくなった日であり、その年の12月31日までという判定になります。
また、自宅を離れた後に賃貸へ出していたことだけを理由に、直ちに特例の対象外になるわけではありません。
適用にはほかの条件もあるため、売却時期を決める前に税理士または税務署へ確認してください。
海外居住中に売却すると源泉徴収が生じる場合がある
海外赴任中に日本の所得税法上の非居住者となり、国内不動産を売却する場合、買主が売買代金の一定額を源泉徴収することがあります。
国税庁によると、非居住者へ支払う国内不動産の譲渡対価は、原則として10.21%の源泉徴収対象です。
ただし、売買代金が1億円以下で、買主本人またはその親族の居住用として購入する場合などは、源泉徴収されない取扱いがあります。
源泉徴収された金額は、最終的な譲渡所得税額そのものとは限りません。確定申告によって精算することになります。
海外赴任後に売却する場合は、次の点を早めに確認しましょう。
- 税法上の居住者・非居住者の区分
- 納税管理人の選任
- 売買代金の源泉徴収
- 3,000万円特別控除の適用
- 確定申告の方法
- 売買契約や決済を代理人へ委任するか
- 印鑑証明書に代わる書類の準備
- 本人確認や署名証明の方法
海外からの売却では、国内にいる場合より書類準備に時間がかかることがあります。
3.海外転勤中も持ち家を空き家として維持する
空き家のメリット
帰国時にすぐ使える
一時帰国時に宿泊でき、帰任後もそのまま生活を再開できます。
帰国予定が比較的近く、同じ家へ戻ることが明確な場合には、有力な選択肢です。
家財を残しておける
家具、家電、思い出の品などを残せるため、すべてを処分したりトランクルームへ移したりする必要がありません。
ただし、貴重品、重要書類、湿気に弱い物などは、空き家へ残さないほうが安全です。
賃貸借契約上の明渡し問題がない
借主がいないため、帰国時期が予定より早まっても自宅へ戻れます。
賃料滞納、原状回復、契約更新などの賃貸トラブルも発生しません。
時間をかけて売却できる
すぐに売却する必要がなければ、海外赴任後に販売条件を整理し、空き家の状態で売却活動を進める方法もあります。
ただし、国内で対応する代理人や不動産会社、納税管理人などの準備が必要になる場合があります。
空き家のデメリット
「何もしなくてよい」は誤解
空き家は、賃貸契約が不要という意味では手続きが少なく見えます。
しかし、建物管理が不要になるわけではありません。
人が住まなくなると、次のような問題へ気づくのが遅れます。
- 雨漏り
- 給排水設備の不具合
- 排水トラップの封水切れ
- 湿気やカビ
- 害虫・小動物の侵入
- 庭木や雑草の繁茂
- 郵便物の蓄積
- 窓や外壁の破損
- 不法侵入や不法投棄
「空き家だから劣化する」というより、異常を早期発見できないことが、被害を大きくします。
維持費だけが発生する
空き家から収入は得られませんが、次の費用は継続します。
- 住宅ローン返済
- 固定資産税・都市計画税
- マンションの管理費・修繕積立金
- 火災・地震保険料
- 電気・水道などの基本料金
- 空き家管理費
- 庭木剪定や清掃費
- 修繕費
赴任期間が長くなるほど、累積負担は大きくなります。
防犯・防災リスクがある
長期間不在であることが外から分かると、不法侵入、盗難、放火、不法投棄などのリスクが高まる可能性があります。
郵便物をためない、庭を荒れた状態にしない、照明や防犯設備を活用するなどの対策が必要です。
保険会社への確認が必要
居住中の住宅と、長期間誰も住まない空き家では、火災保険などの取扱いが異なる場合があります。
空き家にする前に、保険会社や代理店へ長期不在となることを伝え、補償を継続できるか確認しましょう。
空き家管理は「月2回」で十分とは限らない
元原稿では月2回の換気をおすすめしていましたが、適切な管理頻度は建物によって異なります。
戸建てかマンションか、築年数、庭の有無、季節、台風などによって必要な管理は変わります。
管理を依頼する場合は、訪問回数だけでなく、次の作業内容を確認しましょう。
- 郵便物の確認・転送
- 室内換気
- 通水
- 雨漏りやカビの確認
- 建物外部の確認
- 庭木や雑草の確認
- 窓や施錠の確認
- 台風・地震後の臨時確認
- 写真付き報告書
- 緊急時の連絡体制
海外赴任中は、異常発生時に誰が修理を手配し、どこまでの金額なら管理会社が判断できるのかも決めておくと安心です。
4.私が海外赴任中の賃貸で感じた失敗
私は過去に、海外にいながら持ち家を賃貸で管理した経験があります。
当初は、
「家賃収入が入れば住宅ローンの負担を減らせる」
「管理会社へ任せれば、それほど手間はかからない」
と考えていました。
しかし、実際には完全に任せきりにはできませんでした。
設備が故障すれば、修理するのか交換するのかを決めなければなりません。
見積りが届けば、海外から内容と金額を確認します。
入居者からの要望、契約更新、修繕、退去後の原状回復など、最終的な判断は所有者に求められます。
時差があるため、管理会社からの連絡にすぐ対応できないこともあります。
また、家賃が入っていても、管理手数料、修繕費、税金などを差し引くと、想定ほど手元に残らないことがあります。
私が失敗したのは、賃貸そのものを選んだことではありません。
管理会社へ任せれば、自分の仕事はほぼなくなると考えていたことです。
賃貸を選ぶ場合は、家賃査定だけでなく、トラブルが起きたときの管理体制まで確認する必要があります。
5.賃貸・空き家・売却を数字で比較する
賃貸の収支例
仮に、次の条件で考えます。
- 月額家賃:10万円
- 年間家賃:120万円
- 管理手数料等:12万円
- 固定資産税等:15万円
- 火災保険・その他費用:3万円
- 年間修繕予備費:10万円
- 住宅ローン返済:72万円
単純な年間キャッシュフローは、次のようになります。
120万円-12万円-15万円-3万円-10万円-72万円=8万円
ただし、1か月空室になれば10万円の収入が減ります。
入居者募集時の費用や、給湯器などの設備交換が発生すれば、年間収支が赤字になる可能性もあります。
なお、住宅ローン返済額のうち元本部分は、税務上の必要経費としてそのまま控除できるものではありません。キャッシュフローと課税所得は分けて計算する必要があります。
空き家の維持費例
仮に、次の費用が発生するとします。
- 空き家管理費:年間18万円
- 固定資産税等:年間15万円
- 火災・地震保険:年間5万円
- 電気・水道等:年間4万円
- 庭木・修繕予備費:年間10万円
- 住宅ローン返済:年間72万円
年間負担は、合計124万円です。
空き家の場合は家賃収入がないため、この金額を家計から負担します。
1年間だけなら許容できても、赴任期間が3年、5年と延びれば、大きな負担になります。
売却の手取り額例
仮に4,000万円で売却できる場合でも、手取り額は次のように計算します。
売却価格-住宅ローン残高-仲介手数料等-登記・返済費用-譲渡所得税等=売却後の手取り額
例えば、次の条件とします。
- 売却価格:4,000万円
- 住宅ローン残高:2,500万円
- 仲介手数料・登記等:150万円
- その他費用:50万円
税金を考慮する前の概算手取り額は、1,300万円です。
ただし、譲渡所得税は売却価格ではなく、取得費や譲渡費用などを基に計算します。3,000万円特別控除を利用できるかどうかも確認が必要です。
数字を比較するときの注意点
比較すべきなのは、1年分の収支だけではありません。
次の期間全体で計算する必要があります。
想定赴任期間+帰国後に住める状態へ戻すまでの期間
賃貸なら、空室、修繕、原状回復を考えます。
空き家なら、管理費と劣化リスクを考えます。
売却なら、帰国後の住宅再取得費用まで検討します。
6.海外転勤前に確認する12項目
出国準備で忙しくなる前に、次の項目を確認しましょう。
- 赴任期間と帰国予定
- 家族全員が海外へ移るか
- 帰国後に同じ家へ戻るか
- 住宅ローン残高と毎月返済額
- 金融機関が賃貸を認めるか
- 賃貸した場合の現実的な家賃
- 普通借家・定期借家のどちらにするか
- 空室と修繕に備える資金
- 売却した場合の手取り額
- 3,000万円特別控除の期限
- 納税管理人と確定申告
- 国内で緊急対応できる人・会社
理想は、転勤辞令が出た後、できるだけ早い段階で、賃貸査定と売却査定を同時に取ることです。
「家賃はいくらになるか」と「売却後にいくら残るか」を同じ条件で比べると、判断しやすくなります。
7.どの選択肢が向いているか
賃貸が向いている可能性がある方
- 帰国時期がある程度決まっている
- 帰国後に同じ家へ戻りたい
- 賃貸需要が見込める
- 空室や修繕に対応できる資金がある
- 信頼できる管理会社が見つかっている
- 金融機関の確認が取れている
売却が向いている可能性がある方
- 赴任が長期または帰国時期が未定
- 帰国後に同じ地域へ戻る予定がない
- 住宅ローンや管理負担をなくしたい
- 売却代金でローンを完済できる
- 居住用財産の特例期限を考慮したい
- 海外からの管理へ不安がある
空き家が向いている可能性がある方
- 赴任期間が比較的短い
- 帰国後すぐに再居住する予定がある
- 一時帰国の頻度が高い
- 空き家管理を任せられる人や会社がいる
- 維持費を負担できる
- 建物・保険・防犯対策を継続できる
「1年未満なら必ず空き家」という決まりはありません。
賃貸借契約の期間、募集に必要な費用、建物状態などを比較して決める必要があります。
よくある質問
住宅ローンが残っていても賃貸に出せますか?
金融機関とローン契約によって異なります。
海外転勤という事情があっても、無断で賃貸募集を始めず、事前に返済中の金融機関へ相談してください。
賃貸に出せば家賃で住宅ローンを返せますか?
家賃を返済原資にすることはできますが、家賃収入がそのまま手元に残るわけではありません。
管理手数料、固定資産税、保険、修繕、空室、税金などを差し引いて判断します。
帰国後、借主に退去してもらえますか?
契約内容によります。
帰国時期が決まっている場合は、期間満了で終了する定期建物賃貸借契約を検討できます。ただし、契約や事前説明、終了通知などの手続きが必要です。
海外転勤後に売却しても3,000万円特別控除を使えますか?
住まなくなった日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売却するなど、一定の要件を満たせば利用できる可能性があります。
賃貸期間だけで判断せず、税理士または税務署へ確認してください。
空き家は月に何回管理すればよいですか?
建物の種類、築年数、庭の有無、季節によって異なります。
訪問回数だけでなく、換気、通水、郵便物、外部、防犯、雨漏りなど、実際の点検内容を決めることが重要です。
海外から日本の持ち家を売却できますか?
可能です。
ただし、非居住者としての税務、納税管理人、署名証明、本人確認、代理人への委任などの準備が必要になる場合があります。出国前に売却する場合より、手続きに時間がかかる可能性があります。
まとめ|海外転勤時の持ち家は「収益」だけで決めない
海外転勤時の持ち家には、賃貸・売却・空き家という3つの選択肢があります。
賃貸は家賃収入を得ながら家を残せますが、空室、修繕、税務、明渡し、海外からの管理が課題になります。
売却は住宅ローンや維持管理を整理できますが、帰国後に同じ条件の家を再取得できるとは限りません。
空き家はいつでも戻れる安心感がありますが、収入がないまま維持費と管理責任を負うことになります。
大切なのは、目先の家賃や査定価格だけでなく、
- 海外で安心して暮らせるか
- 帰国後の生活をどう考えるか
- 家族が何を大切にしたいか
- 赴任期間中の負担に耐えられるか
- 将来売却するときの税金や期限
- トラブル時に国内で対応できる体制
まで含めて考えることです。
不動産を高く、早く売るだけなら、販売戦略を立てることはできます。
しかし、その売却が所有者様とご家族の将来にとって価値を生まなければ、単なる金銭の交換で終わってしまいます。
海外転勤という大きな生活の変化だからこそ、持ち家を残す意味と、手放す意味の両方を整理する必要があります。
名古屋市・愛知県で海外転勤に伴う持ち家にお悩みの方へ
ふどうさんのMAGOは、名古屋市南区を拠点に、持ち家、空き家、相続不動産などの売却をお手伝いしています。
「賃貸と売却のどちらがよいかわからない」
「住宅ローンが残っている」
「海外赴任後も売却できるか知りたい」
「空き家として何年も残してよいか不安」
「帰国後に住む可能性があり、売却を迷っている」
このような段階でもご相談いただけます。
売却を前提に話を進めるのではなく、想定家賃、売却手取り額、住宅ローン、維持費、帰国予定を整理し、ご家族に合った選択肢を一緒に考えます。
旗竿地、再建築不可の可能性がある物件、心理的瑕疵物件、境界や権利関係が複雑な土地など、一般的な不動産会社では判断が難しい物件についてもご相談ください。
対応エリア
名古屋市南区・港区・緑区・千種区・熱田区・名東区・昭和区・瑞穂区・中村区・中川区・守山区・中区・天白区をはじめ、名古屋市全域および愛知県内に対応しています。
※本記事は一般的な情報を提供するものです。住宅ローンの取扱いは借入先金融機関、税金は税務署または税理士、賃貸借契約は弁護士・司法書士などの専門家へ個別にご確認ください。


