「家のことを考えると、ちょっとしんどくて…」
愛知県で空き家相談を受けていると、
時々、
そんな言葉を聞くことがあります。
不動産の相談なのに、
途中から皆さん、
- 家族の話
- 親の話
- 兄弟の距離感
を話し始めます。
それくらい、
実家問題って、
“建物”
だけの話ではないんです。
最近、
名古屋でも空き家相談は増えています。
ですが実際には、
「空き家だから困っている」
というより、
“誰も実家の話をしなくなった”
ことの方が、
深刻だったりします。
- 売る話をすると空気が悪くなる
- 誰も片付けに行かない
- 兄弟で連絡しづらい
- 親の話題を避ける
そして気付けば、
5年、
10年。
家だけが、
時間の止まったような状態になっている。
今回は、
名古屋で実際によくある空き家相談をもとに、
「空き家より怖い、“放置された感情”」
について、
少しリアルに書いてみたいと思います。
最初は、「まだ親がいる感じ」がする
親が亡くなったあと。
実家へ入ると、
まだ生活の空気が残っています。
- テレビ
- 茶碗
- メモ帳
- カレンダー
- 上着
「あれ、今帰ってきそう」
そんな感覚になる方もいます。
だから、
すぐには片付けられない。
むしろ、
触れたくない。
これは、
かなり自然な感情だと思います。
実家って、
単なる不動産ではなく、
“家族の時間”
そのものだからです。
「その話、また今度でいい?」
相続後、
兄弟で集まるタイミングがあります。
法事、
お盆、
年末年始。
その時、
誰かが言います。
「家どうする?」
すると空気が変わる。
- 売りたい人
- 残したい人
- 関わりたくない人
- 面倒な話を避けたい人
温度差が出る。
だから皆、
「また今度」
で終わらせる。
これ、
本当に多いです。
でも、
“また今度”
は、
意外と来ません。
そして気付けば、
5年経っている。
「兄だけ動いている」
これもかなり多いです。
例えば長男だけが、
- 草刈り
- 郵便確認
- 固定資産税
- 近隣対応
をしているケース。
最初は、
「仕方ない」
と思っていても、
徐々に気持ちが変わります。
「なんで自分だけ?」
この感情が溜まっていく。
すると今度は、
“家の問題”
ではなく、
“兄弟の問題”
になっていく。
空き家問題って、
途中から、
不動産より人間関係の方が重くなることがあります。
実家へ行かなくなる理由
空き家を持たれている方で、
多いのがこれです。
「だんだん行きづらくなった」
最初は、
月1回くらい行っていた。
でも、
- 草が伸びる
- 建物が傷む
- ポストが溜まる
すると、
現実を見たくなくなる。
さらに近所の方から、
「大変ですね」
と言われる。
悪気はない。
でも、
その一言が刺さる。
すると今度は、
“実家を見ること”
そのものがしんどくなる。
これ、
かなりリアルです。
空き家は、「家族の沈黙」が残る
長年放置された空き家って、
独特の空気があります。
家具がそのまま。
時計が止まったまま。
誰も住んでいない。
でも、
誰も手放していない。
その空気って、
実は、
“家族の沈黙”
だったりします。
- 誰も決めない
- 誰も本音を言わない
- でも皆気にしている
この状態が、
何年も続く。
空き家って、
放置された建物というより、
“止まった家族関係”
が残っていることがあります。
「売るのは親に悪い気がする」
これも本当によく聞きます。
特に親御様が苦労して建てた家ほど、
気持ちが重くなる。
- ローンを払っていた姿
- 庭を手入れしていた姿
- 家族で過ごした時間
全部覚えている。
だから、
「売却」
という言葉に、
罪悪感を持つ方もいます。
でも一方で、
空き家は待ってくれません。
人が止まっていても、
建物は劣化していく。
ここが、
空き家問題の苦しいところです。
名古屋でも、「そのうち」が危険になる時代
昔は、
「土地があるだけ安心」
と言われた時代もありました。
ですが今は違います。
- 解体費高騰
- 空き家増加
- 相続問題
- 管理負担
不動産を持つこと自体が、
簡単ではない時代になっています。
特に名古屋でも、
- 長屋
- 再建築不可
- 老朽化空き家
- 共有持分
などは、
簡単に動かないケースがあります。
つまり、
“持っているだけ”
では、
整理できない時代になってきているのです。
「不動産会社へ相談するのが怖かった」
これも実際かなり多いです。
- 古い
- 汚れている
- 荷物だらけ
- 兄弟で揉めている
すると、
「こんな状態で相談していいのかな」
と思ってしまう。
ですが実際には、
“何も整理できていない状態”
で相談される方も多いです。
むしろ、
「どうしたらいいか分からない」
ところから始まるケースもあります。
本当に怖いのは、「誰も向き合わなくなること」
空き家問題って、
実は、
“古い家”
が問題ではないことがあります。
本当に怖いのは、
- 誰も話さない
- 誰も決めない
- 誰も向き合わない
状態が続くこと。
すると、
家だけではなく、
“家族の距離感”
まで、
重くなっていくことがあります。
最後に
空き家問題は、「建物」より、“感情”の整理が難しい
空き家問題は、
単純な不動産問題ではありません。
そこには、
- 相続
- 思い出
- 家族関係
- 後悔
- 罪悪感
色々な感情があります。
だからこそ、
動けなくなる。
ですが一方で、
“止まったまま”
の状態が長くなるほど、
問題は少しずつ重くなっていきます。
もし今、
- 実家の話を避けている
- 空き家へ行きづらい
- 兄弟で温度差がある
- 何から始めればいいか分からない
そんな状況でしたら、
まずは整理するところからでも大丈夫です。
空き家問題は、
「完璧に決めてから」
相談するものではありません。
止まってしまった感情を、
少しずつ動かしていく。
そこから始まるケースも、
実際には多いと思います。
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