再建築不可の救済措置「43条但し書き」とは?2018年法改正で変わった申請方法を完全解説

不動産売却を検討する際に、「再建築不可物件」という言葉を耳にしたことはありませんか?このような物件は一般的に敬遠されがちですが、実は建築基準法第43条但し書きという特例措置により、再建築の道が開かれる可能性があります。

弊社でも再建築不可のご相談を多く受けますが、承認許可されやすいかどうかは各自治体の「やる気度」によるところが現状です。

また名古屋市では木造住宅密集地域や特定のエリアで特例措置を積極的に推し進めているであろうと推測できる地域パターンが存在します。仮にその周辺に救済措置で再建築された実例があれば、承認認可される可能性が高まるといっていいでしょう。

最近の事例ですと名古屋市南区であれば、本星崎や笠寺、鳴尾町、緑区鳴海町、中川区下ノ一色エリアに名古屋市の本気度が伺えるような集中承認が確認できました。

反対に名古屋市昭和区のあるエリアでは市の対応は消極的。

なぜ、エリアによって、積極的or消極的な対応の差が生まれるのでしょうか?

2018年の法改正により、全国的にこの救済制度はより使いやすくなりました。本記事では、再建築不可物件の基本的な仕組みから、43条但し書きの活用方法、さらには法改正による変更点まで、詳しく解説していきます。再建築不可物件でお悩みの方や、不動産投資の選択肢を広げたい方は、ぜひ最後まで参考にしてください。

名古屋市エリアで″売却サポート”に専門特化した
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空き家売却にともなう煩雑なお手続き、
空き家の遺品整理や不要品の買取まで一括してサポートしております。

〒457-0846
愛知県名古屋市南区道徳通2-51 道徳ビル1F

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目次

1. 再建築不可物件ってどんな物件?なぜ建て替えできないの?

再建築不可物件とは、既存の建物が存在しているにもかかわらず、その土地が新しい建物の建設を許可されていない状況を指します。この種の物件は、主に建築基準法に関わる「接道義務」が満たされていないことが多く、再建築が不可とされるケースがよく見受けられます。

再建築不可物件の主な理由

再建築不可となる理由はさまざまです。以下に主要な要因を挙げてみましょう。

  • 接道義務の不履行: 建築基準法第42条により、建物の敷地は道路に最低でも2メートル以上接する必要があります。この条件を満たさない土地においては、再建築が不可能とされます。
  • 前面道路が建築基準法上の道路ではない。
  • 都市計画法による制約: 特定の用途地域に指定されている土地では、住宅や商業施設などの新規建設が禁止される場合があり、その結果、再建築が認められないこともあります。

接道義務とは何か?

接道義務は、建物を新しく建設するために不可欠な条件であり、その土地が実際に利用可能な道路に接していることが求められます。この義務が課せられる背景には、緊急時の交通アクセスを確保する目的があります。このため、接道義務を満たさない土地に新たな建物を建てることは法律で厳しく規制されています。

再建築不可物件となる具体的なケース

再建築不可物件がどのように形成されるか、代表的なケースをご紹介します。

  • 旗竿地: 道路に接する部分が狭い土地では、たとえ2メートルの接道があったとしても、その周囲の建物が越境と見なされることがあります。
  • 測量技術の進展: 過去に接道が基準を満たしていると認定された土地でも、再測量により実際には基準を下回ると判定されることがあります。

既存の建物の利活用

再建築不可物件であるからといって、その土地に活用方法が全くないわけではありません。リフォームやリノベーションを利用して、既存の建物を有効に活用する道もあります。ただし、大規模な改修や改築を行う場合は、事前に建築申請が必要となるため、注意が必要です。

再建築不可とされる制約には多くの課題が伴いますが、さまざまな活用方法が存在するため、適切な戦略を考えることがカギとなります。

2. 「43条但し書き」は再建築不可を救う特例措置!その仕組みを解説

再建築不可の物件は接道義務を満たさないため、新しい建物の建設や増改築が行えないという厳しい状況に直面しています。このような物件のオーナーにとって、資産価値の減少や売却の難易度は深刻な課題です。しかし、ここで注目すべきは「43条但し書き」です。この制度により、再建築不可の物件にも特例的な救済措置が提供されています。今からその具体的な仕組みを見ていきましょう。

43条但し書きの基本的な仕組み

「再建築不可の救済措置」として知られる建築基準法第43条但し書きは、特定の条件を満たす物件について再建築を認める仕組みです。具体的には、以下の要件をクリアすることが求められます。

  • 一定の空地の確保:物件の周囲に所定の広さの空地を持つことが必要です。
  • 特定行政庁の認可:物件が交通、安全、防火、衛生の観点から問題がないと判断されることが求められます。
  • 建築審査会の承認:最終的に、建築審査会からの承認を受けることが不可欠です。

この条件を満たすことで、通常は再建築が不可能とされる物件でも、特例により建て替えや増改築が許可される可能性があります。

43条但し書き申請の流れ

「43条但し書き」を活用するには、以下のステップを踏むことが必要です。

  1. 事前相談:まず、地域の行政機関や建築士と相談し、物件が再建築に必要な条件を満たしているかを確認します。
  2. 申請準備:必要な書類を整理し、申請準備を進めます。通常、敷地図や物件状況を示す詳細な資料が要求されます。
  3. 申請提出:特定行政庁に申請を行い、審査結果を待ちます。この際、交通、安全、防火、衛生の各要素について厳密な審査が実施されます。
  4. 建築審査会の手続き:必要に応じて、建築審査会の評価を受け、承認が得られれば許可が下りることになります。

※名古屋市では建築審査会は偶数月で行われるため、事前に相談、申請準備をしておくといいでしょう。

注意点とデメリット

ただし、「43条但し書き」にもいくつかの注意点やデメリットが存在します。

  • 一度限りの許可ではない:43条但し書きに基づく許可は一度取得したからといって、すべての今後の建築が容易に許可されるわけではありません。新たな建築や内容変更の際には、再度の審査が必要となります。
  • 資産価値の影響再建築不可物件の資産価値は依然として低い水準にあるため、売却時には思わぬ価格低下が懸念されます。また、金融機関からの融資を受けられないケースも多々見受けられます。

このように、「43条但し書き」は再建築不可物件に対する貴重な救済措置ですが、申請の成功には綿密な計画と正確な手続きが求められます。そのため、専門家の助けを得ながら進めることが非常に重要です。

3. 2018年の法改正で何が変わった?43条2項1号と2号の違い

2018年の建築基準法改正により、「43条但し書き」に関するルールが見直され、特に「43条第2項第1号」と「43条第2項第2号」という2つの条項が新たに規定されました。これにより、再建築不可物件の救済措置がさらに明確に整理され、申請者にとってのハードルが軽減されました。

43条第2項第1号とは?

こちらの規定では、敷地に接する道路の幅員が4メートル以上であること、そして特定行政庁がその建築物の交通、安全、防火、及び衛生上の基準を満たしていると認める必要があります。この条項に適合する物件は、従来の「許可」を得るだけでなく、「認定」だけで済む点が特徴です。そのため、審査プロセスが簡略化され、申請者にとっては有利な条件となっています。

43条第2項第2号とは?

一方で「43条第2項第2号」は、「但し書き道路」に関連する特例措置として位置付けられています。この規定では、接道義務を満たしていないにもかかわらず、周囲の状況や利用状況に基づいて特例を受けられる場合があります。つまり、特定の条件をクリアした場合に限り、再建築が認められるのです。この場合も、特定行政庁の同意が必要ではあるものの、要求される条件が緩やかです。

主な違い

  1. 申請手続きの違い
    – 第1号:認定を受けるのが主な条件。 – 第2号:規定された条件に基づき特例を要する。
  2. 敷地条件の違い
    – 第1号:幅員4メートル以上の道路に2メートル以上接することが求められる。 – 第2号:接道義務を満たしていない場合でも、特定の要件を満たせば救済が可能。
  3. 対象物件の利用状況
    – 第1号:主として利用者が少ない建物が対象となる。 – 第2号:物件の周囲に広い空地が必要で、様々な状況に応じた特例が存在。

このように、2018年の法改正では再建築不可物件に対する救済措置が明確化され、多様なケースに対応できる柔軟性が増しています。新たな基準によって、多くの物件 owners が再建築を希望する際の道筋が整備されつつあります。

4. 43条但し書き許可を取得する流れ:事前相談から許可までの手順

43条但し書きの許可をスムーズに取得するためには、いくつかの重要な手続きを踏む必要があります。このプロセスを理解しておくことで、手続きの際の混乱を避け、効率よく進めることができるでしょう。それでは、各ステップを詳しく見ていきましょう。

1. 事前相談

最初のステップは、地方自治体の建築課との事前相談です。この段階では、申請を検討している土地の状況や建設計画について詳細に議論し、必要な書類や手続きに関するアドバイスを受けることが重要です。

  • 事前相談の際には、住宅地図や最近撮影した現況写真を持参することをおすすめします。
  • 困ったことがあれば、相談前に電話で問い合わせると良いでしょう。

2. 事前協議の準備

事前相談が終わったら、次に事前協議に向けた準備を行います。このステージでは、以下の必要書類を用意することが求められます。

  • 事前協議書
  • 現況写真
  • 公図
  • 登記事項証明書
  • 建築計画概要書

必要な書類は自治体によって異なることがあるため、あらかじめ公式ウェブサイトで確認しておくことが大変重要です。

3. 事前協議

必要書類が整ったら、事前協議を実施します。ここでは、提出した資料をもとに担当職員が現地を視察し、43条但し書きの許可が得られるかどうかを検討します。

  • このプロセスには、通常約2週間から1ヵ月程度の時間がかかるため、早めに計画を立てることが肝心です。

4. 許可申請の準備

事前協議の結果、問題がないとの回答を得たら、次に許可申請の準備を進めます。必要書類を整え、正確に記入して提出することが求められます。以下は、押さえておきたいポイントです。

  • 書類は正副2部以上を準備する必要があります。
  • 申請手数料についても事前に確認しておくことが重要です。

5. 許可申請

書類の準備が整ったら、いよいよ許可申請に進みます。この段階では、特定行政庁と建築審査会による審査が行われます。申請は「包括同意基準」または「個別同意基準」に基づいて審査され、これらの基準を満たしていれば、通常、許可が下りることになります。

6. 許可通知

許可申請が完了した後、消防同意や現地整備の作業を経て、許可通知書が発行されます。この通知書により、43条但し書きの許可を取得したことが確認でき、次のプロセスとして建築確認申請を行う準備が整います。

このように、43条但し書きの許可を取得するためには、各ステップを慎重に踏んで進むことが必要です。一つ一つの手続きを確実にクリアしていくことで、再建築不可の物件にも新たな可能性を開くことができるのです。

5. 許可を受ける前に知っておきたい注意点とデメリット

再建築不可物件の「43条但し書き」許可を取得することは、将来の建築計画にとって大きなチャンスですが、いくつかの注意点やデメリットも存在します。ここでは、許可を受ける前に把握しておくべき重要な点を解説します。

注意点

  1. 手続きの複雑さ
    43条但し書きの許可申請は、多くの書類を準備しなければならず、手続きが複雑です。事前相談から始まり、各段階での書類提出や調査が求められます。適切な準備をしなければ、許可取得が遅れることがあります。
  2. 条件の厳格さ
    許可を受ける際には、建築物の用途や防火設備、避難経路などに対する特定の条件が設けられることがあります。これらの条件を守る必要があり、違反があった場合には許可が取り消されるリスクもあります。
  3. 地域の基準
    自治体によっては、独自の基準や運用方針があり、許可取得の条件が異なる場合があります。そのため、事前に地域のルールを確認し、適切な対応を行うことが重要です。

デメリット

  • 時間がかかる
    許可申請のプロセスは通常、数週間から数ヶ月かかります。特に事前協議が長引く場合、思い通りのスケジュールで建築を進めることができないことがあります。
  • 経済的負担
    申請手数料や必要書類の作成にかかるコストは無視できません。自治体によっては手数料が高額になることもあり、計画に予算の見直しが必要になるかもしれません。
  • リスクの分散
    43条但し書きの許可を取得しても、必ずしも建築計画がスムーズに進むとは限りません。実際には、建築審査会で否決される可能性もあります。このため、他の代替案を考えておくと良いでしょう。
  • 法改正の影響
    法律や規制は変更されることがあります。特に、再建築不可物件に関する法律は、救済措置や条件が頻繁に見直されることがあるため、最新の情報を常にチェックすることが求められます。

まとめ

このように、43条但し書きの許可申請には多くの注意点とデメリットが存在します。許可を申請する前に、これらの要素を十分に理解し、慎重に計画を進めることが重要です。特に、時間やコスト、地域の基準など、様々な側面から検討を行い、最適な道を選ぶことが求められます。

まとめ

再建築不可物件の活用には多くの課題が伴いますが、43条但し書きの特例制度を活用することで、新しい可能性を開くことができます。手続きには時間とコストがかかり、様々な注意点に気をつける必要がありますが、専門家に相談しながら慎重に進めることで、再建築不可物件の売却や増改築の道が開けるでしょう。最新の法改正を踏まえ、地域の条件や自治体の基準を理解し、適切な対応を取ることが重要です。この制度を活用することで、再建築不可物件のオーナーは資産価値の向上と有効活用を図ることができるのです。

よくある質問

再建築不可物件とは何か?

再建築不可物件とは、既存の建物が存在しているにもかかわらず、その土地が新しい建物の建設を許可されていない状況を指します。主な理由は建築基準法の「接道義務」が満たされていないことが多く、そのため建て替えができないケースが多いです。

43条但し書きとはどのような制度か?

建築基準法第43条但し書きは、再建築不可物件の所有者に対する特例措置です。一定の条件を満たせば、通常は再建築が不可能とされる物件でも、特別に建て替えや増改築が許可される可能性があります。この制度により、再建築不可物件の所有者の選択肢が広がっています。

2018年の法改正で何が変わったか?

2018年の建築基準法改正により、43条但し書きに関する規定が見直され、「43条第2項第1号」と「43条第2項第2号」という2つの新しい条項が設けられました。これにより、再建築不可物件に対する救済措置がより明確化され、申請者にとってのハードルが軽減されました。

43条但し書きの許可を得るにはどのような流れがあるか?

43条但し書きの許可を得るには、事前相談、事前協議の準備、事前協議、許可申請の準備、許可申請、そして許可通知の手順を踏む必要があります。各段階で必要な書類の準備や、担当部署との調整が求められるため、時間とコストがかかることに注意が必要です。

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