「こんな土地、誰も欲しがらないと思います。」
最初にお会いした時、
売主様はそうおっしゃいました。
場所は名古屋市緑区桶狭間。
先祖代々所有していた土地です。
長年耕作はしていません。
雑草だけが伸びる状態。
毎年固定資産税を支払うだけ。
相続後も使い道はありませんでした。
売主様は、
「農地だから売れない」
「市街化調整区域だから価値がない」
そう思い込んでいたのです。
相続した土地の現実
土地を相続したのは10年以上前。
ご両親が亡くなり、
兄弟で話し合った結果、
長男である売主様が取得しました。
しかし、
住んでいるのは市外。
農業をする予定もない。
土地活用の知識もない。
結果として、
何もしないまま年月が過ぎていきました。
毎年届く固定資産税通知書
春になると通知書が届きます。
数万円とはいえ負担です。
草刈り費用も必要。
近隣から苦情が来ないよう管理も必要。
しかし収益はゼロ。
売主様は次第に、
「持っている意味がない」
と感じるようになりました。
不動産会社へ相談
売却できるのか知りたくなり、
複数の不動産会社へ相談しました。
すると返ってきた言葉は、
ほぼ同じでした。
「市街化調整区域ですからね」
「農地ですからね」
「かなり難しいと思います」
もちろん間違いではありません。
しかし、
その説明だけで終わっていました。
市街化調整区域とは
市街化調整区域とは、
無秩序な市街化を防ぐため、
開発を抑制する区域です。
そのため、
誰でも自由に建物を建てられるわけではありません。
しかし、
だからといって、
全ての土地に価値がないわけではありません。
ここが大きな誤解です。
私たちが感じた違和感
現地を確認した時、
私はあることに気付きました。
土地そのものより、
周辺環境です。
道路との接続。
近隣利用状況。
周辺建物。
過去の土地利用履歴。
調査を進めると、
単純な「売れない農地」ではないことが見えてきました。
桶狭間という地域
緑区桶狭間は、
歴史ある地域です。
一方で近年は住宅地も増えています。
幹線道路整備。
物流施設。
事業用地需要。
資材置場需要。
こうした需要が発生していました。
つまり、
一般住宅用地として見れば難しくても、
別の需要が存在していたのです。
業界の本音
市街化調整区域は調査が大変です。
行政確認。
利用制限調査。
過去履歴調査。
許可関係確認。
通常の住宅地より手間がかかります。
そのため、
最初から
「難しいですね」
で終わるケースも少なくありません。
しかし、
調査をしなければ可能性も見えません。
本当に売れない土地なのか
売主様は長年、
価値がないと思っていました。
しかし私たちは、
別の可能性を探し始めました。
住宅用地ではなく、
事業用地として見たらどうか。
資材置場として見たらどうか。
近隣事業者の需要はないか。
すると、
少しずつ状況が変わり始めたのです。
【名古屋市緑区桶狭間の市街化調整区域売却事例】
「農地だと思っていた土地に買主が見つかった理由」
私たちが最初に行ったこと
前編でもお伝えした通り、
売主様は長年、
「農地だから売れない」
「市街化調整区域だから価値がない」
と思い込んでいました。
しかし、
私たちはまず、
「本当に価値がないのか」
を調べることから始めました。
行政調査を実施
市街化調整区域の場合、
一般の住宅地より調査項目が多くなります。
都市計画
農地法
接道状況
利用履歴
開発許可関係
過去の土地利用状況
一つ一つ確認していきました。
すると、
意外な事実が見えてきました。
周辺環境が変化していた
売主様が相続した頃と比べ、
桶狭間周辺は大きく変化していました。
道路整備が進んでいる。
物流施設が増えている。
事業所も増えている。
交通アクセスが向上している。
つまり、
相続当時と現在では、
土地需要そのものが変わっていたのです。
売主様の思い込み
相続した時のイメージは、
草が生える土地。
使い道がない土地。
固定資産税だけ払う土地。
でした。
しかし市場は違いました。
住宅地としてではなく、
別の用途を探している人が存在していたのです。
買主が探していたもの
実際に問い合わせがあったのは、
住宅購入希望者ではありませんでした。
地元事業者。
資材置場利用希望者。
倉庫関連事業者。
駐車場利用検討者。
つまり、
一般住宅用地とは違う視点で土地を見ていたのです。
業界の本音
市街化調整区域は、
不動産会社にとっても扱いが難しい分野です。
建物が建てられるのか。
農地転用は可能なのか。
許可が必要なのか。
利用制限はあるのか。
確認事項が多いのです。
そのため、
最初から
「難しいですね」
で終わることもあります。
しかし、
難しいことと、
需要がないことは全く別です。
問い合わせが増えた理由
私たちは販売方法を変えました。
「農地売却」
ではなく、
「広い土地」
「事業利用相談可能」
「資材置場向き」
「幹線道路アクセス良好」
という形で情報発信しました。
すると、
今までとは違う層から反響が入り始めました。
買主が決断した理由
最終的に購入されたのは、
地元で事業を営む法人関係者でした。
住宅用地としてではありません。
事業用地として評価されたのです。
売主様にとっては意外でした。
長年、
価値がないと思っていた土地。
誰も欲しがらないと思っていた土地。
その土地を必要としている人がいたのです。
契約の日
契約が決まった時、
売主様はこう話されました。
「正直、売れると思っていませんでした」
「ずっと税金だけ払う土地だと思っていました」
「もっと早く相談すれば良かったです」
非常に印象に残る言葉でした。
相続土地でよくある誤解
今回のケースは決して珍しくありません。
市街化調整区域。
農地。
山林。
雑種地。
こうした土地は、
所有者自身が価値を低く見積もっていることがあります。
しかし、
市場では別の評価を受けることがあります。
「価値がない」と「売れない」は違う
ここが今回最もお伝えしたい部分です。
価値がないと思っていた。
しかし需要は存在した。
売れないと思っていた。
しかし必要としている人がいた。
この違いが重要です。
緑区桶狭間という地域
桶狭間周辺は、
住宅地としての需要だけではありません。
事業利用。
物流関連。
駐車場需要。
資材置場需要。
様々なニーズがあります。
そのため、
一般住宅の視点だけで評価すると、
本来の可能性を見落としてしまうことがあります。
まとめ
今回の桶狭間の事例でお伝えしたいことがあります。
「市街化調整区域だから売れない」
「農地だから価値がない」
そう決めつけるのは早いということです。
確かに制限はあります。
調査も必要です。
時間もかかります。
しかし、
それは需要がないことを意味しません。
相続した土地。
長年使っていない土地。
固定資産税だけ払い続けている土地。
もし売却を諦めているなら、
一度違う角度から見てみる価値があります。
今回の土地も、
農地だから売れたのではありません。
住宅地ではないから売れなかったのでもありません。
その土地を必要とする人を見つけることができたから、
売却につながったのです。
そしてそれが、
市街化調整区域売却の本当のポイントなのです。


